クラウド環境のジョブ管理～その最適解とは？ AWS Step Functions / Azure Logic Apps クラウドベンダー提供ツールと JP1 ジョブ管理の
適材適所な使いこなし方を解説！AWS：Amazon Web Services

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▽クラウドサービスで
できること
▽留意点
▽JP1ジョブ管理で
できること
▽JP1をSaaSで利用
▽便利なジョブ分析
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ハイブリッドクラウドやマルチクラウド環境への移行が進む中、既存システムの運用を維持しながら、クラウドに移行した基幹システムやクラウドネイティブなシステムを、統合的に管理したいというニーズが高まっています。

こうしたクラウド環境におけるジョブ運用を検討する際、クラウドリフト時には「現行環境の業務運用を変えたくない」、新規でクラウド環境を構築する際には、「既存システムと業務連携したい」など、自社の状況によって「どのツールを使うべきか」にお悩みの企業は多いと思います。中でも、ミッションクリティカルな基幹システムのジョブ運用においては、クラウドサービスで提供されている機能以上の要件が求められる場合があります。

そこで本記事では、クラウドベンダー提供ツール（AWS Step Functions/Azure Logic Apps）と、日立が提供する「JP1のジョブ管理」の、適材適所な使いこなし方について、解説します。

※JP1のジョブ管理には、「JP1/Automatic Job Management System 3」と「JP1 Cloud Service/Job Management」があります。

クラウドベンダー提供ツールでできること

業務システムのクラウドリフトやクラウドシフトが進む中、これまでオンプレミスで運用していたきめ細かなジョブ管理を、どのようにクラウド上のシステムで実現するかは、重要な検討ポイントです。

Amazon Web Services（以下、AWS）では「AWS Step Functions」、Microsoft Azure（以下、Azure）では「Azure Logic Apps」という、クラウドアプリケーション間の連携を行うワークフロー構築サービスが提供されています。

AWS Step FunctionsとAzure Logic Appsはそれぞれ、用途に応じた他のサーバレスサービスと連携することで、従来のジョブ管理に近い機能を実装することができます。連携するサービスは同じ役割でも名称が異なるため、整理してみました。

クラウドベンダー提供ツールでできること

VMでのみ実行可能なジョブ：
Amazon EC2 / Azure VM
短時間で完了する比較的小さなジョブ：
AWS Lambda / Azure Functions
実行時間やメモリ量など、②の制約を超えるジョブ：
Amazon ECS / Azure Container Apps
リソース状況に合わせて効率よく実行するジョブ：
AWS Batch / Azure Batch
ETL処理のジョブ：
AWS Glue / Azure Data Factory
機械学習処理のジョブ：
Amazon SageMaker / Azure Machine Learning

など

Amazon EC2：Amazon Elastic Compute Cloud
Amazon ECS：Amazon Elastic Container Service

詳しいジョブの実行方法についてはここでは省きますが、ポイントはAWS Step Functions/Azure Logic Appsのみで完結する訳ではなく、他のサービスを通じて実行されるという点です。

そのためにまず、ジョブの特性に合わせてジョブの実行先のサービスを決定する必要があります。

クラウドベンダー提供ツールでジョブ管理を行う上での留意点

AWS Step Functions/Azure Logic Appsによるジョブ管理では、従来のジョブ管理ツールではあたりまえに行えていたことを実現するのが難しいケースがいくつかあります。

ここでは代表的な事項を、2点解説します。

1.お客さまの営業日にあわせた柔軟な業務実行が難しい

たとえばAWS Step Functionsの場合は、Amazon Event BridgeやAWS Systems Manager Change Calendarと連携することで、一定の時間ごとのシンプルなジョブのスケジューリングが可能です。一方、営業日換算や休日振替など、自社カレンダーの都合に合わせたジョブ運用が設計要件の場合、ジョブ管理ツールの検討が必要です。

2.エラー発生時、特定のジョブからの再実行運用が難しい

ジョブ管理ツールでは、ジョブフローが異常終了した場合に自動でリトライする、エラー原因の解消後のジョブフローから再開するといった機能があります。
一方、AWS Step Functions やAzure Logic Appsでは、ジョブフローの途中で異常終了が発生した場合に、異常終了したフローだけをスキップして次の処理を進めるなどの柔軟な対応が難しいため、ジョブフローの先頭からやり直しになっても問題ない設計や運用にしておくことが必要です。

クラウド環境においてJP1ジョブ管理で実現できること

日立では、クラウド環境において効率的で柔軟、高信頼なジョブ管理を実現するための、ジョブ管理を提供しています。

オンプレミスやIaaS上に構築するJP1では「JP1/Automatic Job Management System 3（以下、JP1/AJS3）」、SaaSで利用できるクラウドサービスの「JP1 Cloud Service/Job Management」がそれにあたります。

ここからは、クラウド環境におけるJP1のジョブ管理について、その特長を解説します。

特長1各種クラウドサービスと容易に業務連携

JP1は、クラウドサービスとの連携を行うための部品を提供します。GUIからローコードで定義することで、既存業務と、AWSやAzureなどのクラウドサービスで実行する業務との連携を容易に実現できます。ハイブリッドクラウド、マルチクラウドなど、さまざまなクラウド環境におけるジョブの統合管理が可能になります。

クラウドサービスと連携を行うための部品をGUIからローコードで定義でき、ジョブフローへ簡単に組み込めるため、既存の業務とAWSやAzureなどのクラウドサービスで実行する業務との連携構築が容易です。
クラウドサービスとの連携に必要な認証・接続情報の設定定義ファイルをサンプルコンテンツとして一部提供しており、連携部品の構築が容易です。

各種クラウドサービスと容易に業務連携

特長2クラウド環境でも高い可用性でジョブ運用が可能

クラウドリフト/シフトの検討において、Amazon EC2やAzure VMなどのIaaSでは、アプリケーションなどOSより上位層は、ユーザー責任で可用性の確保が必要です。

JP1/AJS3 は、AWS/Azure/OCI/Google Cloud上でのHAクラスタ構成に対応しています。信頼性の求められるミッションクリティカルなシステムの運用でも、オンプレミスと同様に利用できます。
クラウド環境上でのJP1/AJS3 のHAクラスタ構築を体験できる評価キットを提供しています。評価版ソフトウェアと手順書が付いており、どなたでも容易に構築が可能です。

クラウド環境でも高い可用性でジョブ運用が可能