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Hitachi

日立HCIソリューション

【第2回】用途拡大がもたらすHCIの選定基準の変化

重要度の高い用途での利用が拡大

  HCIは、当初はVDI(Virtual Desktop Infrastructure)向けのITインフラを中心に普及が進んだ。しかしながら、2016年から2017年にかけて、VDI以外のワークロードでの利用が拡大し、サーバー仮想化環境全般での利用が進んでいる。

  IDCでは、国内ハイパーコンバージドシステム市場の支出額をワークロード別に予測している(Figure 1)。IDCでは、今後はより重要度の高いワークロードでHCIの利用が拡大すると予測する。ワークロード別の構成比を見ると、これまで利用が多かったVDIやアプリケーション開発が低下する一方で、ERM/SCM/CRMなどのビジネスアプリケーション、データベースやデータアナリティクスを含むデータ管理などが拡大する。こうしたワークロードの2016年〜2021年のCAGRは、いずれも40%を超えており、高い成長を予測している。なお、VDIについて見ると、その構成比は低下するものの、支出額の観点では成長を継続し、引き続き主要なワークロードとして存在することに変わりはない。

FIGURE 1

国内ハイパーコンバージドシステム市場 ワークロード別 支出額予測、2016年〜2021年

国内ハイパーコンバージドシステム市場 ワークロード別 支出額予測、2016年〜2021年

Notes:
Othersには、Content & Collaboration、VDIを除くIT Infrastructure、Web Infrastructure、Engineering/Technicalを含む
『国内ハイパーコンバージドシステム市場 ワークロード別予測、2017年〜2021年(IDC #JPJ42920917、2017年12月発行)』からの引用
 
Source: IDC Japan, February 2018

ベンダーの信頼性やソリューションの完成度が選定の基準になる

  今後、重要度の高い用途でHCIの利用が拡大することから、HCIのベンダー選定を今まで以上により慎重に行う必要があるとIDCは考える。それでは、どのような観点でベンダーを選定すればよいのであろうか。

  ここで、IDCが実施したベンダー選定基準についての調査結果を見てみる(Figure 2)。調査は、HCIを利用中または利用を計画/検討中の回答者346人を対象に実施した。調査結果を見ると、ベンダーの信頼性やソリューションの完成度が重視されていることが分かる。ベンダーの信頼性については、既存の取引関係やサポート品質、導入実績の豊富さ、そしてベンダーの評判といった項目が重視されている。また、ソリューションの完成度については、ソリューションの成熟度やハードウェアとの連携性の高さ、そしてパブリッククラウドとの連携といった項目が重視されている。今後の用途拡大や導入規模の拡大を見据え、ITベンダーが、長期的な安定稼働を実現できるITインフラとしてHCIを提供できるかどうかを基準に選定する意向であることが分かる。

FIGURE 2

HCIのベンダー選定の基準

HCIのベンダー選定の基準

n = 346
Notes:
複数回答
「分からない」の項目を除いて表示
HCIを利用中または計画/検討中の回答者
『2017年 国内エンタープライズインフラストラクチャ/ハイパーコンバージドインフラストラクチャの選定基準分析:DXに備えたインフラ選定(IDC #JPJ42465317、2017年7月発行)』からの引用

HCIを含めた統合管理の実現が重要になる

  HCIのユーザー層は、アーリーアダプターからアーリーマジョリティに移行しており、これまで以上にコストや信頼性への要求が高まるとIDCはみている。上述の調査結果でも、HCIの用途や導入規模の拡大を見据え、長期に渡り安定的に稼働できるITインフラとして高い信頼性が求められるようになってきたことが分かった。実際の導入ユーザーを見ても、いったん導入したHCIを拡張する動きが広がっている。VDIやアプリケーション開発/テストといった特定のワークロードでHCIを導入したITバイヤーが、HCIを増設し、より幅広い分野のワークロードに対応した共通基盤へと拡張するケースも増加している。適用領域が拡大すればHCIがもたらす運用管理の効率化の効果は非常に大きなものとなる。

  HCIは成長セグメントであることから、ITベンダーは信頼性の向上に対する取り組みを強化し、機能面の拡張や管理性の向上にも余念がない。それでは今後HCIは万能なITインフラになるのであろうか。残念ながら、多くの場合には答えは「Yes」とはならないであろう。現実的にはHCIがあらゆる要件に対応できるとは限らない。性能や容量などの面で高い要求水準がある場合やデータ保護の観点などを考えれば、HCIを含めた多様なソリューションを「適材適所」で使い分ける必要がある。

  とはいえ、ワークロード別予測で示したように、HCIが適用可能な領域は仮想化環境を中心に拡大する見込みである。将来、HCIがITインフラの中核を占める存在になる可能性も十分に考えられることから、HCIを中心に、他のITインフラ製品やパブリッククラウドサービスなどを含めた統合的な管理を実現すると共に、ITインフラ全体の運用管理体制の見直しを進めることが重要になるとIDCは考える。