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各店舗のサーバを本部に集約。
統合システム運用管理「JP1」を積極活用し
高い運用効率を実現

静岡県を中心にホームセンター「ジャンボエンチョー」や「ホームアシスト」、ホームファッション専門店「カーサ」などを展開し、高いDIYアドバイザー保有率を誇る株式会社エンチョー(以下、エンチョー)。そのグループ企業としてシステムの企画・開発・構築・運用を手がける株式会社システック(以下、システック)が、2003年から進めてきたのがサーバの本部集中化である。本部に設置した日立のアドバンストサーバ「HA8000」上でMetaFrameを動かすことで、店舗サーバのアプリケーション機能を集約。ディスクアレイサブシステム「SANRISE」を導入することで、データ管理の集中化も進めている。さらに、従来より利用してきた統合システム運用管理「JP1」を積極的に活用して、バックアップやストレージ管理も実施。運用の効率化やさらなる信頼性向上を実現している。

ジョブ制御機能を高く評価し1997年から「JP1」の活用を開始

松本 康太郎氏の写真
株式会社システック
常務取締役
松本 康太郎氏

運用管理の負担を軽減しながら、いかにしてサービスレベルを高めていくか。これはすべてのシステムにとって、共通する最重要課題だといえる。この課題への対応を、サーバの集中化と統合システム運用管理「JP1」の活用で実現しているのがシステックである。

同社は、静岡県を中心にホームセンター「ジャンボエンチョー」や「ホームアシスト」、ホームファッション専門店「カーサ」などを展開するエンチョーのグループ企業であり、エンチョーシステムの企画・開発・構築や運用の他、グループ外にも業務改革支援サービスや小売業向け総合パッケージの販売、ASPサービスの提供、各種業務支援ソリューションの提供などを行っている。また、エンチョーの基幹システムをベースに、Microsoft® .NET®環境で稼働するホームセンターやスーパー、ドラッグストア向けの基幹システムの開発も推進。情報テクノロジーと豊富な業務ノウハウを融合することで、高い付加価値を提供し続けている。

システックにおけるJP1の活用は、1997年にまでさかのぼる。当時エンチョーではメインフレームから日立のエンタープライズサーバ「HITACHI 9000V」への移行が行われており、これを契機に導入されたのである。

「その最大の狙いはジョブスケジューラによる夜間自動バッチとファイル伝送の自動化を実現することでした」と当時を振り返る松本氏。以前は他社製のジョブ管理ソフトウェアを使用していたが、JP1ははるかに高機能であり、ジョブの内容がビジュアル表示によって一目で理解できる点も高く評価したのだという。

本部集中化で運用負担を軽減「JP1」もさらに積極的に活用

前林 茂伸氏の写真
株式会社システック
情報システム部
マネージャー
前林 茂伸氏

その後Windows®サーバの導入も行い、本部サーバと各店舗サーバが連携する分散型クライアント/サーバ・システムを完成する。しかし「店舗はサーバ設置に適した環境ではなく、ホコリなどの影響で障害が発生する可能性も高かったのです」と説明する松本氏。障害発生リスクに加え、店舗にシステム管理者を置くことも難しいことから、運用負担が大きかったという。

「運用負担を軽減するには分散から集中へと戻す必要がありました。すでにブロードバンドも登場していたので、実現性も高いと判断したのです」(松本氏)

システックがサーバ集中化の検討を開始したのは2003年の夏。その年の暮れにはMetaFrameを導入し、それまで店舗サーバ上で稼働していたアプリケーションをすべて本部に集約することに成功した。

「店舗サーバがなくなることで、保守料などの運用管理コストは激減し、店側の負担も軽くなりました」と説明する大石氏。

エンチョーの店舗は、西は名古屋から東は千葉まで、広く展開されているが、以前は遠隔地にある店舗で問題が発生した場合、丸1日かけて移動・対応する必要があった。しかし現在ではその必要はないという。

また、日常的なシステムチェックも、以前は各店舗のサーバに順次アクセスして行う必要があったが、現在では本部サーバだけをチェックすれば良い。これだけでも1日あたりの作業時間が、20〜30分違ってくるという。さらに、2004年11月には老朽化していたシステムを日立のアドバンストサーバ「HA8000」とディスクアレイサブシステム「SANRISE」の組み合わせへと移行。それと同時にJP1の活用をさらに積極化している。

「JP1」と「SANRISE」の組み合わせがバックアップ効率を大幅に向上

大石 智広氏の写真
株式会社システック
情報システム部
マネージャー
DIYアドバイザー
大石 智広氏

「すでにジョブ管理『JP1/Automatic JobManagement System 2(JP1/AJS2)』だけではなく、統合管理『JP1/Integrated Manager』やネットワーク管理『JP1/Cm2』などの機能も使っていましたが、SANRISEの導入に伴いストレージ管理『JP1/HiCommand』やバックアップ管理『JP1/VERITAS』も活用し始めました」と前林氏。

これによってデータバックアップの運用が大幅に効率化したという。以前はデータバックアップのために毎朝4〜8時までの間オンラインを停止していたが、現在ではSANRISEのボリュームレプリケーション機能である「ShadowImage」とJP1/VERITASを組み合わせることで、オンライン停止を10分以内に短縮している。

現在のバックアップ運用は、次のような方法で行われている。まずオンライン停止後、オンラインで使用する正ボリューム(正VOL)を、ShadowImageを利用して、バックアップ用の副ボリューム(副VOL)にコピー。この処理は10分以内で完了する。オンライン再開後、この副VOLを、バックアップサーバにマウントし、そこからLTOライブラリへとコピーしている。

「SANRISEは非常に信頼性が高く、処理スピードも速い」と評価する前林氏。

また、常に1日前のShadowImageをディスク上に保つことで、ユーザーが誤ってファイルを削除した場合でもすぐに対応できるという。

さらに「『JP1/HiCommand Dynamic LinkManager』を使ってSANRISEのファイバを多重化することで、信頼性をさらに高めています」と大石氏は説明する。エンチョーのシステムでは主要なサーバはすべて冗長化されているが、ストレージまわりの冗長設計も高信頼性確保に欠かせない条件だという。

DWHの構築でも「JP1」を活用しシームレスなデータ連携を実現

エンチョーでは1999年にDWHを導入し、現在その刷新も進められている。この“2代目”のDWHにおいてもサーバとしてHA8000が採用されており、データ加工のスケジューリングにはJP1/AJS2が活用されている。

「JP1はシームレスなデータ連携の実現に大きな威力を発揮します」と松本氏。

今後は、エンチョーにおいてJP1を活用したシステム運用で培ったノウハウをもとに、小売業向けのパッケージ販売やその運用サービスを、ますます充実させていくという。

「創造的な楽しさが加われば、生活はもっと豊かになる」という思いからDIY(Do ItYourself)を提案し続けるエンチョーグループ。同グループの発展とともに、JP1の役割もますます大きくなるだろう。

エンチョー 基幹/店舗システム概要

USER PROFILE (2005年3月末現在)


静岡県を中心にDIY店を展開するエンチョー。 写真はジャンボエンチョー
ホームページへ(新規ウィンドウを開く)

エンチョーグループ 株式会社システック

[本部] 静岡県富士市中央町2-12-12
[設立] 1984年2月
[資本金] 6,000万円
[従業員数] 29名(2005年3月末現在)

ホームセンター業界向けの情報システムを提供するIT企業。エンチョーグループのシステム企画・開発・構築・運用を手がける他、グループ外にも業務改革支援サービスや小売業向け総合パッケージの販売、ASPサービスの提供、業務支援ソリューションの提供などを行っている

特記事項

  • この記事は、「日経コンピュータ 2006年1月9日号」に掲載されたものです。
  • JP1の詳細については,ホームページをご覧ください。
  • MetaFrameは、Citrix Systems, Inc.の米国およびその他の国における登録商標です。
  • UNIXは、X/Open Company Limitedが独占的にライセンスしている米国およびその他の国における登録商標です。
  • Microsoft .NET、Windowsは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における商標、または登録商標です。
  • その他記載されている会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
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