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JR東日本、4万人規模の勤務システム基盤に
「Cosminexus」を採用

安全の確保が最優先される鉄道事業では、サービスを担う社員の労働時間の適正な把握が重要な課題の1つです。

そこで東日本旅客鉄道株式会社(以下、JR東日本)と、同社のシステム開発を行う株式会社ジェイアール東日本情報システム(以下、JEIS)は2008年4月、本社・支社の企画部門、駅係員、車両・設備メンテナンス業務従事者などを対象とした4万人規模の勤務システムを、株式会社日立システムアンドサービス(以下、日立システム)が開発・提供する就業管理パッケージ「リシテア」によって刷新。 大規模なミッションクリティカルなシステムを支えるJ2EE基盤には、株式会社日立製作所(以下、日立)のSOAプラットフォーム「Cosminexus(コズミネクサス)」が選ばれました。



石川 司 氏の写真
東日本旅客鉄道株式会社
人事部
新社員システムプロジェクト
石川 司 氏

日比 誉 氏の写真
株式会社ジェイアール東日本情報システム
システム開発本部
生活サービスソリューション部
経費把握勤務管理プロジェクトリーダー
日比 誉 氏

伴 佳明 氏の写真
株式会社ジェイアール東日本情報システム
システム開発本部
生活サービスソリューション部
経費把握勤務管理プロジェクトリーダー
伴 佳明 氏

佐藤 圭 氏の写真
株式会社日立システムアンドサービス
アプリケーションシステム本部
リシテアソリューション部
技師
佐藤 圭 氏

杉本 毅 氏の写真
株式会社日立システムアンドサービス
社会システム本部
交通第2システム部
技師
杉本 毅 氏

製品とSE力、双方の信頼性で選ばれた「リシテア」

1987年の民営化以来、安全・良質なサービスを提供している JR東日本。現在は鉄道事業、生活サービス事業、Suica事業といっ た幅広いフィールドで、日々付加価値の高いビジネスを展開して います。

同社のシステム開発・運用を一手に担うJEISは2007年、JR東日 本社員の人事・給与・福利厚生にかかわるシステムが老朽化した ことを受け、新社員システム「JINJRE(*)」の構築に着手。人事給 与システムと勤務システムをオープン基盤上で構築し、2つのシス テムを密接に連携することで、人事担当者や各職場の勤務担当 者の負荷軽減を図ろうと考えました。そして勤務システムの選定 にあたり、複数ベンダーの勤務管理パッケージを検討した結果、日 立システムの「リシテア」が選ばれました。

「選定の際、最も重視したのは信頼性でした。鉄道会社特有の 複雑な勤務体系への対応だけでなく、他のシステムとの連携や、 構築環境なども考慮しました。具体的には、1社単体で4万人強が 利用した場合にも一定のレスポンスが出ること。さらに人が使うも のなので、どうしてもイレギュラーな入力が起こる。そうした際にも 確実に対応してもらえるSEの業務知識、企業としての信頼性が 重要なポイントになりました」と語るのは、JEIS システム開発本部 生活サービスソリューション部 経費把握勤務管理プロジェクト リーダーの日比 誉氏。

(*)
JINJi system for "Reinforce" & "Empower" : 「経営の足元を固め(Reinforce)、発展の力を与える (Empower)人事システム」の頭文字

ミッションクリティカルなJ2EE基盤を支える「Cosminexus」

Webアプリケーションとしての使いやすさと信頼性で、大企業 から中堅企業まで幅広い導入実績を誇っているリシテア。JEISと の共同開発をスタートさせた日立システムは、鉄道会社特有の複 雑な出退勤時間や休日を反映した勤務体系に合わせたカスタマ イズを実施するとともに、基盤となるアプリケーションサーバに日立 のCosminexusを選定しました。

「リシテアはさまざまなアプリケーションサーバに対応しています が、今回のように4万人規模のシステムをJ2EE基盤上で安定稼 働させるためには、何よりも高信頼・高性能が譲れない要件となっ ていました」と語るのは、日立システムのリシテアソリューション部 技師である佐藤 圭氏。同じく日立システム 交通第2システム部 技師である杉本 毅氏も「その点、Cosminexusはメインフレームで 実績のある日立のミッションクリティカル技術をJ2EEベースに適用 した製品ですし、運用後の問題解決を迅速化する障害解析機 能も備えています。開発・運用時のサポート体制がしっかりしてい る点も魅力的でした」と振り返ります。

日立システムとCosminexusの開発元である日立のソフトウェア 事業部との密接な連携によって、システム構築作業は一段と効率 化。各部署への段階的なカットオーバーを経て、新社員システム 「JINJRE」の勤務システムは、2008年4月より全社的な本格運用 をスタートさせました。

作業負担の軽減と労働時間の適正な把握を実現

現在、JR東日本の約4万人に適用されている勤務システムは、 鉄道乗務員を対象とした既存の勤務システムや、新構築の人事 給与システムとシームレスに連携することにより、一連の業務にか かる作業工数の削減を実現しています。

「これまで、駅係員や車両・設備のメンテナンス業務従事者の勤 務体系は複雑で、24時間の交代勤務や日勤後の夜勤など不規 則な勤務が多く、紙と手作業による管理がほとんどでした。小さな 駅では各駅ごとに入力・集計を行い、東京や新宿などの大きな駅 では事務センターでまとめて入力・集計するなど、作業に長い時 間を必要としていたのです。しかし今回のシステム化により、これ らの集計作業や人事給与システムへの入力といった一連の作業 がWeb上から行えるようになり、担当者の負担を大幅に軽減する ことができました。以前は帳票が手元に届くまでわからなかった勤 務実績も、リシテアの参照機能を使うことでリアルタイムに把握でき、 労働時間の適正な把握が徹底できるようになりました」と語るのは、 JR東日本 人事部 新社員システムプロジェクトの石川 司氏。

また、決してシステムダウンが許されない勤務システムの運用・ 保守を担うJEIS システム開発本部 生活サービスソリューション部 経費把握共通プロジェクト リーダー 伴 佳明氏も、「一般的にJava のシステムは、負荷が高くなると安定性に欠けるのではというイメー ジがありました。しかし今回のシステム稼働後で、Cosminexusは 一度もダウンしたことがありません」と、Cosminexusを基盤とした リシテアの安定稼働を高く評価します。

「当社のメイン事業である鉄道事業にとって、安全の確保は何 よりも大事です。そのためにもシステムでは適時、社員の労働時 間を適正に把握する必要があると考えています。また今後は、従 来から行っている休暇の取得状況や長時間勤務のチェックなど に加え、社員がより働きやすい勤務制度の検討などにも、データ の活用範囲が広がると期待しています」(JR東日本 石川氏)。

これからも日立は日立システムとともに、JR東日本の基幹業務 を強力にサポートし続ける一方で、Cosminexusとリシテアによる 大規模基幹システム構築で培ったノウハウを、幅広いお客さまに 提供してまいります。

USER PROFILE

東日本旅客鉄道株式会社

[本社] 東京都渋谷区代々木二丁目2番2号
[社員数] 61,900名(2008年4月1日現在)
[事業内容] 鉄道事業、生活サービス事業、Suica事業

USER PROFILE

株式会社ジェイアール東日本情報システム

[本社] 東京都渋谷区代々木二丁目2番2号
[社員数] 1,412名(2008年4月1日現在)
[事業内容] システム開発・運営・管理、情報処理、コンサルティングなど

PARTNER PROFILE

株式会社日立システムアンドサービス

[本社] 東京都港区港南2-18-1
[社員数] 4,976名(2008年3月31日現在、凍結)
[事業内容] SI事業、ソフトウェアパッケージ事業、情報処理機器販売事業

特記事項

  • この記事は、「はいたっく 2009年5月号」に掲載されたものです。
  • Cosminexusの詳細については,ホームページをご覧ください。
  • 記載されている会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
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