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事例紹介:株式会社ISID-AO

サービス利用ユーザー レオス・キャピタルワークス株式会社

ものを持たない経営を支えているのは
オンデマンドによるJP1のジョブ管理サービス

ITインフラの構築・運用から業務プロセスの運用まで、幅広いサービスとソリューションをワンストップで提供する株式会社ISID-AO(以下、ISID-AO)。同社は、株式会社 日立製作所(以下、日立)の「オンデマンド・ミドルウェアサービス for Amazon Web Services」に自社のノウハウを組み合わせ、AOSMSジョブ管理サービスとしてユーザーに提供している。今回、このサービスを導入したレオス・キャピタルワークス株式会社(以下、レオス・キャピタルワークス)システム部の立花勇太氏にお話を伺った。

クラウドファーストを前提とした採用の決め手は高信頼性・高可用性を実現したサービス

立花 勇太氏

レオス・キャピタルワークス株式会社
システム部  立花 勇太氏

「弊社コア事業の一つに『投資信託の直接販売』があり、ひふみ投信という商品を10年以上販売しております。この度、ひふみ投信に続く新商品『ひふみワールド』を2019年10月より販売する計画が立ち上がりました。新商品を提供する上で基幹システムのリプレースを行う必要性が生じたため、2018年7月より検討を開始しました。弊社基幹システムにおいて新商品を提供可能とすることが最重要課題であるものの、新商品の販売に伴う顧客数や事務作業量の増加を見据えて、これまで有人で行っていた業務を可能な限りシステム化し、事務品質と業務効率を向上することも重要な課題でした。」と話してくれたのは、レオス・キャピタルワークスの立花勇太氏だ。

対象となるシステムは、非対面チャネル機能を有する基幹システム(顧客が取り引きに利用する『ひふみWEBサービス』やコールセンターでの取引・事務処理に利用する『バックオフィスシステム』など)と外部SaaS型勘定系システムで構成されている。顧客取引は基幹システムで取りまとめているが、営業日ごとの取引内容は必ずファイルで勘定系システムへ連携しなければならず、その時限も厳格に定められている。また顧客振込内容の精査から投資信託の買付余力反映に至る業務も存在し、これらは営業日ごとに有人で運用していた。この有人運用を自動化する上でポイントとなるのが「バッチ処理・スケジューリングを含めたジョブ管理」だ。日々発生する数百件以上の買付余力反映処理や連携時限を厳守した勘定系システムへのデータ連携を、営業日を基本としたカレンダー通りに、正確かつ確実に送信できる安定した仕組みが必要だった。今回の自動化により、作業漏れリスクや作業ミスの削減効果だけではなく、営業部員がお客さまサポートなどにより多くの時間を割くことができたという。

導入時にはどのような検討プロセスがあったのだろうか。

「まずジョブ管理の仕組みをどのように実現するのかという点で検討を開始しましたが、クラウドファーストを掲げる弊社方針から、リプレース後のシステムは可能な限り自社でものを持たず、かつライセンス購入やインフラ更改等、自社資産で構築した際に定期的に発生する大幅なコストを軽減すると共にランニングコストの平準化・固定化をめざそうと考えていました。これに対する解は、自社構築ではなくSaaSを選択することを意味します。加えて、弊社システムのバッチ処理の遅延や停止はお客さまの取引に甚大な影響が出ることから、採用するSaaSには高い信頼性や可用性を求める必要がありました。これらを満たすソリューションを検討しましたが、実績や信頼性の高い日立のJP1で構成され、かつISID-AOによる継続的なサービス提供を可能とするシステム基盤や運用体制を有するこのサービス以外に選択肢はありませんでした。」

日本のビジネス慣習に合わせて柔軟に対応できるソリューション

立花氏は以前にも金融システムを構築をしていた経験があり、そのときからJP1の優れた機能を認識していたという。

「一般論としてのジョブ管理において、カレンダー通りにジョブを動かすことはとても重要であり、日本では営業日をベースとしたジョブ管理・運営を行うケースが多いと思います。祝日が多く、また年ごとに祝日が変わる日本の営業日に対して、柔軟に対応できるソリューションはなかなかありません。その点、JP1は柔軟に対応できますし、イレギュラーなジョブも管理できるところがいいですね。AWSでもジョブスケジューラ機能が提供されているものの、AWS上でJP1が使える環境は、弊社に限らず、今後、日本の会社がパブリッククラウドにシステムを移行する上でのジョブ管理ソリューションとして有効な選択肢になると思います。
また、JP1はGUIが優れています。ジョブの連携や稼働状況を視覚的に捉えられるため、ユーザーとして非常に使いやすいGUIです。ジョブは複数のバッチがつながって動くものです。エラーが起こったときに、どこで、どんなエラーが起こっているのかを即座に視覚的に認識できることは、リカバリー対応の初動にとても重要で、ユーザーの利便性にも意識が向けられている製品だと思います。」

さらに、今回の導入にあたっては、ISID-AO と日立の連携は導入の際に大きな安心材料になったとも話してくれた。

「ISID-AOのジョブ運用ノウハウと日立のジョブ運用技術のコンビネーションは素晴らしく、安心して導入することが出来ました。」

ジョブ運用を総合支援し、ジョブ管理システムを最適化する
JP1のオンデマンド・ミドルウェアサービス

大林 光明氏

株式会社ISID-AO
テクノロジー&コンサルティング本部
クラウド基盤技術部  大林 光明氏

今回、レオス・キャピタルワークスへのサービス提案・開発を担当したISID-AOの大林光明氏にもお話を伺った。

「弊社のAOSMSジョブ管理サービスは、パブリッククラウド上のJP1によるジョブ管理をサービス型で提供いたします。24時間365日の運用監視と、冗長化による高信頼性が特徴のサービスです。私どもが日立との協業を通じてサービス開発を実施し、2017年に提供を開始した実績のあるサービスです。

この度は、レオス・キャピタルワークス様が『持たない経営』にシフトしており、サービス型のジョブ管理システムを検討していると伺い、このサービスを提案させていただきました。求められる要件は、マルチプラットフォームかつパブリッククラウドとオンプレミスの混在環境で、高頻度かつクリティカルなジョブ自動実行を短期間でアウトソースできるサービスというものでした。JP1/AJS3はジョブ管理ミドルウェアとして実績、機能とも申し分なく、直感的なジョブフロー管理が可能な優れたGUIを有しています。さらに弊社は従来から24時間365日体制で統合運用監視サービスを提供しており、パブリッククラウドを含めて万一の障害発生時にも速やかに自動復旧を可能とする豊富なノウハウを有しています。それらの知見を組み合わせて開発したAOSMSジョブ管理サービスはスクラッチからの構築と比べて短納期で提供可能で、さらにJP1/AJS3を資産化することなくSaaS利用が可能です。トータルコスト最適化という今回のご要望に応えられるサービスとして、自信を持って提案できるソリューションでした。」

「JP1/AJS3は、スケジューリングなどジョブ実行の基本機能に加えて、ファイル到着などのイベント発生を契機に実行する機能や、ポーリング等を実現するためのサイクル実行機能など、ジョブマネージャの豊富な機能があるため、業務処理や実行プログラムの仕様に合わせた柔軟なジョブ定義が可能です。また、実行環境としてもWindows、Linuxなど多種多様なプラットフォームに対応可能で、自動化の対象を限定することなく、お客さまの環境に合わせて統合的にジョブ開発が可能です。さらに、AOSMSジョブ管理サービスはAWSに加えて他のパブリッククラウドやオンプレミスとのハイブリッドクラウド環境にも対応し、お客さまの拠点・システム構成に応じた柔軟性を考慮して開発しています。」

「機能面だけでなくリソース管理や信頼性の確保といった非機能要件への対応、万一の障害発生時の対処やパッチ適用/変更管理といった運用監視についても弊社にてマネージドサービスとして提供します。

自動化運用を総合支援させていただくことで、ユーザーは基盤設計・構築や運用監視といったITインフラ管理業務に煩わされることなく、最も専念すべきコア業務に注力していただくことが可能となります。高信頼性が必要な業務の安定的な実行基盤として、必須の要求を備えるソリューションとして安心してサービスをご利用いただけると考えています。」

大林氏は最後に、今後の日立との協業について、「今後は、JP1/AJS3から発展的に、SAP各製品へジョブ管理対象を広げるためのJP1/AJS3 for EAPのサービス化や、従量課金対象製品の拡大のためのMicrosoft Azureでのオンデマンド提供、RPAの拡大を見据えたJP1/CPAによるサポートの提供ができるようにしていきたい。」と話してくれた。

オンデマンド・ミドルウェアサービス for Amazon Web Services

オンデマンド・ミドルウェアサービス for Amazon Web Servicesは、日立の統合システム運用管理「JP1」だけでなく、ノンストップデータベース「HiRDB」、クラウドサービスプラットフォーム「Cosminexus」などの実績ある日立ミドルウェア製品群を、AWS上でオンデマンド(従量課金)利用できるサービスだ。ITインフラ環境の納期短縮に加え、プロジェクト開発期間のみの利用やスモールスタート、ピーク時の対応でも大きな効果が期待できる。イニシャルコストを抑えることで、新しいことに取り組む際の敷居を下げられる。

既存システムの運用管理にJP1を利用している企業は、オンデマンド・ミドルウェアサービス for Amazon Web Servicesを組み合わせることで、ハイブリッド環境の一元管理が実現できる。すべての情報を1つのコンソールで取り扱えるということは、システムの安定性向上や障害対応の迅速化、運用管理業務の効率化・省力化にもつながる。

さらに、オンデマンド利用であってもライセンスを購入した場合と同等のサポートが受けられる。

サービス利用ユーザー

レオス・キャピタルワークス株式会社

レオス・キャピタルワークス株式会社

[代表取締役社長] 藤野 英人
[本社] 東京都千代田区丸の内1-11-1パシフィックセンチュリープレイス(PCP)丸の内27F
[設立] 2003年4月16日
[資本金] 1億円
[事業内容]
独立系の運用会社として、創業時から一貫して取り組んでいる投資顧問業のほか、投資信託委託業では日本最大級のアクティブファンド「ひふみ投信」や「ひふみワールド」などの運用を行う。

販売会社

株式会社ISID-AO

株式会社ISID-AO

[代表取締役社長] 市川 建志
[本社] 東京都港区港南一丁目8番15号Wビル7階
[設立] 2009年4月
[資本金] 3億円
[事業内容]
ISIDグループで培われた高度な技術力とノウハウを生かし、ITコンサルティング並びにIT基盤/アプリケーションの設計・導入から運用・保守、業務運用ビジネスプロセスアウトソーシングに至るまで、各種アウトソーシング事業を総合的に展開する。

特記事項

  • Amazon Web Services、“Powered by AWS”ロゴ、[およびかかる資料で使用されるその他のAWS商標]は、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc. またはその関連会社の商標です。
  • SAP、および本文書に記載されたその他の SAP 製品、サービス、ならびにそれぞれのロゴは、ドイツおよびその他の国々における SAP SE(または SAP 関連会社)の商標または登録商標です。
  • Microsoft Azureは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。
  • その他、記載の会社名、製品名などは、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
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