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さまざまな申請・回覧業務を大幅に効率化
「Cosminexus電子フォームワークフロー」が
業務改革と内部統制に向けた重要な基盤に

日立グループの医療機器メーカーである「株式会社 日立メディコ(以下、日立メディコ)」は、 さまざまな帳票を使った申請・回覧業務の効率化と社内統一ルールの適用による業務改革をめざし、 日立の「Cosminexus(コズミネクサス) 電子フォームワークフロー」を導入しました。
これまでの紙帳票と違和感のない入力環境と、同社独自の業務フローをシステム上で再現しながら、 申請・回覧日数の大幅な短縮と、起票から最終保管までのペーパレス化を実現。 内部統制強化に向けた文書管理基盤の確立に大きな一歩を踏み出しました。

ルールの標準化と業務効率向上をめざして

村松 宏一 氏の写真
株式会社
日立メディコ
設計・生産技術センタ
情報システムグループ長
村松 宏一 氏

日立グループの持つ最先端の技術ノウハウを活かしたX線CT装 置やMR(I 磁気共鳴診断装置)など、世界各地の医療現場で活躍 するハイテク医療機器の開発で知られる日立メディコ。同社が世界 に先駆けて開発した「オープンMRI」は、従来型MRIが持つ圧迫 感や閉そく感から被検者を解放するとともに、その特性を活かし、手 術室内に設置して病変の位置を確認しながら治療を行うという新 しい治療スタイルを生み出しました。

その開発・製造拠点である柏事業場(千葉県柏市)では、これま でさまざまな帳票を使った申請・回覧業務を、紙やメール、または自 社開発の簡易ワークフローなどを活用して行っていました。しかし、「ルー ルの標準化が図れないため業務改善が進まないことや、停滞個所 を特定できず、回答までの日数がかかりすぎるという問題がありました。 そこで本格的なワークフローシステムの導入を考えたのです」と説明 するのは、日立メディコ 設計・生産技術センタ 情報システムグループ 長の村松 宏一氏です。

情報システムグループとユーザー部門の関係者が検討を重ね た結果、複数ベンダー製品の中から選ばれたのが、日立の 「Cosminexus電子フォームワークフロー」でした。その理由を村 松氏は、「現在の業務内容をほとんど変えずに導入できる点、 JavaやJ2EEといった標準技術をベースとしているため作り込み が容易に行える点が魅力でした」と語ります。

Java/J2EE技術を駆使し、カスタマイズにて柔軟に対応

日立メディコでは、ユーザー部門からのアンケートにより、利用頻度 が高く、業務負担の重いものから優先的にシステム化する方針を決 定。まずは対象業務の書類内容や承認・回覧ルート、審査・承認権 限などの業務プロセスを徹底的に見直したうえで、「輸出管理」「労 働時間管理」「生産中止購入品連絡票」「常備新設廃止伺」といっ た11メニューからのシステム化に着手しました。情報システムグルー プとともに開発実務を担った株式会社 日立ソフテックの斎藤 良一 氏は、「ワークフローを定着させるには、ユーザーにストレスなく使っ てもらえることが何よりも重要なポイントです。そこでシステム構築に 際しては、利用者に負担をかけない入力環境と、違和感のない業務 フローを心がけました」と、当時の開発過程を次のように振り返ります。

「起案に欠かせない帳票は、従来から使っていたWordやExcel帳 票を読み込み、そのままのフォーマットで電子フォーム化できる機能が 大いに役立ちました。また基本的なプロセス定義はGUIベースで容 易に開発できますが、日立メディコの承認・回覧ルートには、1つの帳 票が複数の部門へ分岐し、再び集約されるケースがあります。各部 門ごとにデータベース連携を行う必要もあったため、標準的な機能 では対応できませんでしたが、JavaやJ2EEといった標準技術の活 用で柔軟に機能を付加できるCosminexus電子フォームワークフロー の“懐の深さ”に助けられました。他のツールでは、とてもここまでのカ スタマイズや開発を自社内で行うことはできなかったと思います」

専門的な問い合わせに対しても、「解決するまで親身に相談にのっ てくれました」と、日立側のサポートを高く評価する斎藤氏。わずか 数か月の開発期間を経て、2007年2月より、日立メディコにおけるワー クフローシステムが稼働を開始しました。


Cosminexus電子フォームワークフロー画面
紙帳票と同じイメージで入力できるCosminexus電子フォームワークフロー

停滞個所の可視化によってボトルネックを把握

田中 秀明 氏の写真
株式会社
日立メディコ
柏資材部
購買課長代理
田中 秀明 氏

斎藤 良一 氏の写真
株式会社
日立ソフテック
ソリューションサービス部
オープンソリューショングループ
斎藤 良一 氏

「Cosminexus電子フォームワークフロー」は、Webブラウザ上に 従来どおりの見慣れた紙帳票イメージの画面を表示し、そのままデー タ入力することができます。バルーンヘルプなどの入力補助機能も 充実しているため、日立メディコでも特別な操作トレーニングの必要 なく、数回の社内説明会のみでスムーズに業務を移行することがで きたとのことです。

システム稼働後は、「ほとんどの業務で書類回覧日数が半分以下 になりました」と笑顔を見せる村松氏。「例えば『生産中止購入品連 絡票』というものがあります。これは取引先メーカーなどで生産中止と なった部品があることを関係部門に展開し、今のうちにまとめて購入 するか、別な部品を使った設計変更で対応するかなどを協議するた めの帳票ですが、多くの部門に並行して回すため、すべて回覧する まで長い時は2週間ほどかかる場合もありました。それがワークフロー 化によって一気に半分以下の期間で集約できるようになったのです」

同じく、「資材調達にかかわる部門として、日数短縮は非常に助 かります」と語るのは、柏資材部 購買課長代理の田中 秀明氏。「生 産中止購入品連絡票が紙ベースで回っていた時は、帳票がどこで 滞っているのかわからないうえ、1部門でも戻ってこないと、いつまでたっ ても意思決定できないというジレンマがありました。しかし現在は、 その帳票がどの部門のどこで停滞しているのかが、画面上でクリッ クするだけでわかります。私たちも停滞している部門へのフォローが できるため、業務がスムーズになりました」

帳票ごとの回覧状況や内容は、Excel形式の一覧表として出力 可能なため、各業務の管理者はワークフローの進捗(しんちょく)状況を見渡し、 どこにボトルネックがあるのかを把握できるようになりました。今後の さらなる業務改善に大きな効果が期待できます。

内部統制の強化にも役立てたい


Cosminexus電子フォームワークフローの導入後は、申請・回覧業務の効率化が大幅にアップした。

さまざまな申請・承認業務の効率化とスピード化を推進するワーク フローの導入は、「だれが・いつ・どのような処理を行ったのか」、また 「権限者が適正に承認したか」といった履歴情報の一元管理と、そ れを可視化する仕組みを構築できることも意味します。そこで日立 メディコではこのシステムを「内部統制の強化にも役立てたい」 (村松氏)と強い意気込みを見せます。同社では、すでに日立の 文書管理基盤「DocumentBroker(ドキュメントブローカー)」を導入しているため、今後は Cosminexus電子フォームワークフローとDocumentBrokerとの本 格的な連携により、申請書類やワークフローで承認した結果を長期 的かつセキュアに保存し、より高レベルなアクセス制御と検索・閲覧 環境を提供する計画を立てています。

「Cosminexus電子フォームワークフローは、意思決定の迅速化に 加え、これからの業務改革における重要な基盤にもなることがわかり ました。現在は柏事業場だけでなく、本社をはじめ、大阪工場や茂原 分工場などでも一部展開中ですが、今後はさらに適用範囲を拡大し、 全社的な展開へとつなげていきたいと考えています」と語る村松氏。

日立はCosminexus電子フォームワークフローをはじめとするオー プンミドルウェアの拡充により、これからも同社の業務改革と持続的 な成長を力強くサポートしてまいります。

USER PROFILE


検査を受ける患者さま、検査を行う医療機関すべてにやさしいオープンMRI装置

株式会社 日立メディコ

[本社] 東京都千代田区外神田四丁目14番1号
[設立] 1949年5月9日
[資本金] 138億8,400万円
[従業員数] 3,604名(連結) 2,329名(個別)
【2008年3月現在】
[事業内容 医用画像診断装置の開発・製造・販売・サービス

特記事項

  • この記事は、「はいたっく 2008年6月号」に掲載されたものです。
  • 電子フォームワークフローセットの詳細については、ホームページをご覧ください。
  • 記載されている会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
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