日立の「Cosminexus」と「BladeSymphony」を採用し、
基幹システムの核となるメッセージ連携基盤を構築。
「お客さま基点」のサービスと開発効率の向上を推進
市場環境に合わせたスピーディな事業展開を実現するため、ITには変化に即応する柔軟性が強く求められている。
生保大手の富国生命保険相互会社(以下、富国生命)は、お客さまのニーズに応える新サービスのスピーディな展開とITの開発効率の向上を目指すため、メインフレームと各業務システムとを効率的に連携させるメッセージ連携基盤システムをSOAに基づき新たに構築。
このシステムに採用されたのが、SOAプラットフォーム「Cosminexus」や統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」などの日立の基盤製品だ。
同社では今回構築したメッセージ連携基盤システムを核にして、「お客さま基点」のサービスを推進していく。

富国生命保険相互会社
執行役員
事務企画部長
昼間 勉氏
個人向けの介護・医療保険や企業・団体向けの年金保険など、さまざまな保険商品を提供する富国生命。解約・失効率の低さは業界内でトップクラスを誇り、長年にわたって暮らしの安心を支え続けてきた。
さらに現在では、「お客さま基点」をベースとする新たな経営戦略を展開。
「今後のビジネスで最も重要なのは、真にお客さまの立場に立ったサービスを提供することです。当社でも企業風土改革や業務改善など、さまざまな取り組みを推進しています」と昼間氏は語る。
全社的な改革の取り組みは、経営を支えるIT分野にも及んでいる。特に大きな課題となったのが、IT基盤の全体最適化だった。
「もちろん、個々のシステムはその時点で最適なものを構築してきましたが、時の経過と共に、会社全体として見た時には、必ずしも最適とは言えない部分も出てきました」(昼間氏)。
既存のIT基盤では、データがサイロ化していることで、システム間連携やデータ活用のための開発・保守コストが肥大化してしまい、CS向上に向けたサービス提供をスピーディに実施できない課題があった。このままでは、今後の競争力にも影響を及ぼしかねないと判断した同社は、社内IT基盤の再整備に着手。その一環として構築されたのが、サービス連携によりメインフレームと各業務システムとを効率的に連携させるメッセージ連携基盤システムだ。
ここで注目されるのは、ESBを中心とするSOAに基づくアーキテクチャを採用した点だ。
「新たな商品やサービスをタイムリーに展開するためには、システム間連携を迅速かつ効率よく行える必要があります。これを実現するためには、SOAに基づいた連携基盤を構築するのがベストだと考えました」(昼間氏)。
同社は、段階的な最適化を図りながらSOAを実践していくシステム構築のアプローチと、これまでの実績やハードからソフトまで一括対応できるサポート体制を評価し、今後のシステム基盤を支える重要なパートナーとして日立を選んだ。

フコク情報システム株式会社
システム技術部
システム基盤第一グループ
課長
小宮 秀泉氏

フコク情報システム株式会社
システム技術部
システム基盤第一グループ
プロジェクトマネージャー
添田 徹也氏
新たに構築したシステムでは、日立のオープンプラットフォーム製品が多く採用されている。
システム連携の中核を支えるESBには、コーディングレスによる開発効率の向上を目指し、日立のSOAプラットフォーム「Cosminexus」のプロセス統合基盤「uCosminexus Service Platform」を採用。メインフレーム上の基幹システムと各業務システムとの連携を一元的に管理できる環境を実現した。
「従来はメインフレームとの連携を個別に作り込んでおり、開発や保守に多くの労力を要していました」と小宮氏は振り返る。
メッセージの受け渡しを行う場合なども、データやプロトコルの変換処理を個別に行う必要があったのに加えて、メッセージ転送を担当する制御サーバが業務サーバによって異なっていたことから、同じような連携処理を個別に用意する必要もあった。
しかし、uCosminexus Service Platformを導入したことで、こうした状況を打開する見込みが立った。
「uCosminexus Service Platformを中心に据えた連携を行えば、個別開発や重複処理などのムダが解消できます。また、連携用データのマッピング作業なども、BPELツールを使うことで効率よく行えます。これにより開発効率や保守性は大幅に向上するものと見込んでいます」と添田氏は説明する。
同社は今後、メッセージ連携基盤システムに、信頼性に評価の高い「uCosminexus Application Server」を基盤とするインターネット契約照会システムをはじめとして、さまざまな業務システムを接続していく予定だ。
「メッセージ連携基盤システムを活用することで、お客さまの満足度向上や、ビジネス拡大に向けた新サービスの提供に貢献できるものと期待しています」(小宮氏)。
本システムを支えるサーバ製品として採用されたのは、日立の統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」のハイエンドモデル「BS2000」だ。
「第一に評価したのは、高い省スペース性と省電力性です。データセンターに設置する場合もコンパクトな製品の方が、コスト面でも望ましい」(添田氏)。
システム連携の中心になるだけに、拡張性と信頼性の高さも重要なポイントだった。
その点、BladeSymphonyはスケールアウトによる柔軟なシステム性能向上が可能であり、1台の予備サーバを複数のサーバで共有し、サーバ障害時にはすばやく業務を引き継ぐ「N+1コールドスタンバイ」などの高信頼機能も備わっている。また、今後負荷が増大した時を考えると、SMP構成を実現する「サーバブレード間SMP」も魅力の一つだった。さらに、7年間のハードウェア保守を可能とする「ロングライフサポートサービス※1」も採用の決め手となった。
「サーバのリプレース作業に追われて、本来の企画・戦略業務ができないというのでは本末転倒。せっかく導入した資産を長く使い続けられるという意味でも、ロングライフサポートサービスは非常にありがたかった」(昼間氏)。
さらにポイントとなったのが、日立独自のハードウェアによるサーバ仮想化機構「Virtage」だ。
「仮想化によるサーバ統合は、リソースの有効活用やコスト削減など、多くのメリットが期待できます。もちろん、適用にあたっては信頼性や将来性について検証する必要がありますが、この点でもVirtageには日立メインフレームの高信頼技術が盛り込まれており、安心して利用することができます」(小宮氏)。
すでに導入に向けた作業も進められており、保守期限切れを迎えるサーバを中心にVirtageを利用した環境への移行を開始する予定だ。今回構築したシステムを、「お客さま基点」のサービスや業務効率化を推進するためにフル活用していくと共に、仮想化技術を適用してシステム自体の信頼性と柔軟性を高めていく。
「さまざまなシステムを柔軟に連携させることで、お客さまのニーズに応えられるサービスをスピーディに実現していきたい」(昼間氏)。
富国生命の新たな取り組みを、日立のオープンプラットフォーム製品が支えていく。

USER PROFILE
富国生命保険相互会社
[本社] 東京都千代田区内幸町2-2-2
[創立] 1923年11月
[総資産] 5兆6,131億円(2010年3月末現在)
[従業員数] 14,207名(2010年3月末現在)
個人向けの介護・医療保険や、企業・団体向けの年金保険など、さまざまな保険商品の販売と保全サービスを手がける。
USER PROFILE
フコク情報システム株式会社
[本社] 千葉県印西市大塚2-10
[設立] 2002年4月1日
[資本金] 3億円
[従業員数] 213名(2010年4月1日現在)
富国生命グループの情報戦略を支えるIT企業。各種保険商品に合わせた業務システムを開発するほか、IT基盤全体の運用・保守も担当している。