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「JP1」と「CYBER GENIUS」の連携で システム監視の効率化と大幅なコスト削減を実現。
死活・稼働監視とジョブ管理を「JP1」で一元管理

日本各地に1,100店舗を超える広範な店舗ネットワークを展開する株式会社 エディオン。

同社はシステム監視の効率化とコスト削減を目指し、監視システムを刷新。新たな監視システムは、 グループのIT企業である株式会社 エヌワークが開発したサーバ・ネットワーク管理ソリューション 「CYBER GENIUS」と日立の統合システム運用管理「JP1」を連携し、JP1の統合コンソール で一元管理している。

それぞれの特長を活かすことで、約2,300台のサーバやネットワークなどを 効率的に監視している。監視システムのコストは半分近く削減し、監視作業の効率化が進んだ ことで、障害の予防・早期発見も向上した。

競争力を高めるための 戦略的なIT投資を推進

山本 健三氏の写真
株式会社エディオン
情報システム本部
情報システム部
部長  山本 健三氏

事業統合と組織再編を重ね、日本各地に 1,100店舗を超える広範な店舗ネットワーク を展開するエディオングループ。株式会社 エディオン(以下、エディオン)が展開する関東 地方の「イシマル」、中部地方の「エイデン」、 近畿地方の「ミドリ」、中国・四国・九州地方 の「デオデオ」と、株式会社 サンキューが展開 する北陸・北海道地方の「100満ボルト」と いう5つのブランドで、地域特性に応じた柔軟 な営業戦略を実行している。

2010年10月の子会社合併によるエディオン の組織再編に伴い、各社が個別に使用して いたシステムを同年11月に統合。組織および オペレーションを一本化し、経営資源を一層 効率化できる体制を構築した。

日々の店舗運営に影響を与えないために も、システムの安定稼働はエディオンにとって も欠かすことのできない重要なテーマだ。

「POSシステムがわずかな時間止まっても、 お客さまは離れて行ってしまいます。システム 障害は、ビジネス機会の損失だけでなく、お客 さまの信頼を失うことにもなるのです」と山本 氏は説明する。

そこで同社は、システムの二重化・冗長化 やバックアップについては万全の仕組みを 構築し、早くから24時間365日の監視体制を 敷くことで、障害の予防・早期発見に力を入 れてきた。さらに、競合他社との差異化を図 り競争力を高めるために、戦略的なIT投資に も取り組んでいる。

「『買って安心、ずっと満足』という当社の 経営理念を具現化していくためにも、既存 システムにかかるコストはできるだけ削減し、 電子マネーによる決済など、お客さまの利便 性を高める新たなシステムへIT投資を振り向 けていきたいと考えています」(山本氏)。

優れた操作性や高い信頼性で 以前から「JP1」を評価

八神 善彦氏の写真
株式会社エヌワーク
営業本部  営業部
部長  八神 善彦氏

システム監視の効率化とコスト削減も課題 のひとつだった。それまで利用していた監視 ツールでは、しきい値の設定などが複雑で使 いにくく、コストが高いなどの問題を抱えてお り、より効率的な監視システムが構築できな いかを模索していた。

そこで、グループのIT 企業である株式会社 エヌワーク(以下、エヌ ワーク)は、自社開発したサーバ・ネットワーク 監視ソリューション「CYBER GENIUS」と 日立の統合システム運用管理「JP1」を組み 合わせた監視システムを提案。従来の監視 ツールからCYBER GENIUSとJP1へ移行す ることで、システム監視の効率化を図り、コスト を大幅に削減できると判断したエディオンは、 エヌワークからの提案を採用した。

具体的には、サーバやネットワークの基本 的な死活監視をCYBER GENIUSが担当 し、重要なサーバなどの高度な稼働監視を JP1が担当。それぞれの特長を活かすこと で、効率的なシステム監視を実現している。

エディオンはジョブ管理ツールとしてJP1を 以前から活用しており、認定資格講座を20 名程が受講するなど、JP1の優れた操作性や 高い信頼性、教育・サポート体制の充実など を評価。エヌワークもデファクトスタンダード としての安心感やこれまでの経験から、バッチ 処理などの高い信頼性も評価していた。

「複数のシステムを統合したので、バッチ 処理によるシステム連携を確実に運用できる ことは、システム全体の安定稼働に欠かせ ない要素です」と八神氏は評価する。

さらに、ポイントソリューションとして必要な 機能から導入して、トータルソリューションへと スムーズに拡張していける点も評価された。

死活・稼働監視とジョブ管理を 「JP1」で一元管理

深谷 基行氏の写真
株式会社エヌワーク
営業本部  営業部
副部長
深谷 基行氏

CYBER GENIUSとJP1の連携による新 たな監視システムは、業務サーバ約300台と 店舗サーバ約2,000台を合わせた約2,300 台のサーバやネットワークなどを監視している。

なお、CYBER GENIUSによる死活監視 とJP1による稼働監視・ジョブ管理の情報は、 JP1の統合コンソールに集められて一元管理 されている。さらに、CYBER GENIUSによる 死活監視とJP1による稼働監視は、監視対 象のサーバに負荷をかけないエージェントレス で実行しており、ソフトウェア同士の干渉を 引き起こす心配もない。

「CYBER GENIUSには、シンプルな操作 性や豊富な監視項目、エージェントレス監視、 レポート機能の充実など、当社が監視サービ ス・業務で培った技術とノウハウが集約されて います」と深谷氏は語る。

CYBER GENIUSは、通信キャリアなど のクラウドサービスを視野に開発されており、 必要な数を必要な期間だけ使える柔軟なライ センス体系やマルチテナント対応など、「クラ ウド時代の監視ソリューション」に求められる 要素を網羅している。

「JP1との連携を実現したことで、大規模 システムへのソリューションとしても幅広く提案 していけるようになりました」(八神氏)

(株)エディオンの新監視システム概要
(株)エディオンの新監視システム概要

ビッグデータの活用など 先進技術の提案でも日立に期待

藤井 智康氏の写真
株式会社エヌワーク
業務運用本部
ファシリティ
サービス部
アシスタント
マネージャー
藤井 智康氏

監視システムを刷新した結果、監視作業は シンプルになり、大きく効率化が進んだ。

「一画面で各種監視情報とジョブ管理の 状況までを見られるので、オペレータの作業 も楽になりました。また、障害発生時に自動 送信されてくるアラートの内容もわかりやすい」 と藤井氏は話す。

「監視システムのコストも、以前と比較して 半分近く削減できました」(山本氏)。

監視作業の効率化が進んだことで、障害 の予防・早期発見も向上した。

「ディスク容量やCPU使用率などがしきい 値を超えるとアラートがあがってくるので、おか しな動きをしている場合には、レポートをさかの ぼってチェックし原因を突きとめています。こう した動きを日常的に行うことによって、システ ムダウンを未然に防ぐ効果が向上しています」 (藤井氏)。

エディオンは、「小さく始めて、大きく拡張 できる」というJP1の特長を活かして、資産 管理や配布管理、インシデント管理などの 導入も検討している。

「今後もお客さまサービスの充実を図り、 競争力を高めていくためにも、ビッグデータの 活用など先進技術に関する提案を日立には 期待しています」と山本氏は語る。

エディオングループの戦略的なIT投資と システムの安定稼働を、今後もJP1と日立が 支えていく。

USER PROFILE

株式会社エディオン

株式会社エディオン

[本社] 大阪府大阪市北区堂島1-5-17 堂島グランドビル
[設立] 2002年3月29日
[資本金] 101億7,400万円(2011年3月31日現在)
[従業員数] 17,117名(2011年3月31日現在)
「買って安心、ずっと満足」を経営理念に掲げ、オリジ ナル商品の開発・販売、長期修理保証を含むきめ細 かなアフターサービスなど、エディオングループならでは の付加価値を追求。

株式会社エヌワーク

株式会社エヌワーク

[本社] 愛知県名古屋市千種区覚王山通8-70-1 池下ESビル5階
[設立] 1991年4月21日
[資本金] 3,000万円
[従業員数] 154名(2011年4月現在)
エディオングループの情報システムを支えるIT企業。 流通分野で蓄積したノウハウを活かして、グループ外 の企業や官公庁向けのシステムも開発。クラウドサー ビスを中心としたオンデマンドなサービス提供に注力。

日本各地で5つのブランドを展開。左から関東地方の 「イシマル」、中部地方の「エイデン」、近畿地方の「ミド リ」、中国・四国・九州地方の「デオデオ」、北陸・北海 道地方の「100満ボルト」。

特記事項

  • この記事は、日経BP/ITpro(2012年3月12日)に掲載されたものです。
  • 記載されている会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
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