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中国最大級の都市交通機関で
安定的なシステム運用を実現したJP1

日立の統合システム運用管理「JP1」は、グローバル市場においても日系企業のみならず、 数多くのローカル企業で採用され、年々そのプレゼンスを高めています。 驚異的な経済成長が続く中国では、 同国最大級の規模を誇る都市交通機関「上海バス実業(集団)株式会社」が、 広範囲に点在するバスターミナルのPCクライアント管理にJP1を採用。
資産情報の一元管理やソフトウェアの一斉配布、 クライアントの遠隔保守などを実現し、 ミッションクリティカルな都市交通インフラを強固に支えています。

年間14億人の利用者を誇る中国最大級の都市公共交通企業

1992年に設立された「上海バス実業(集団)株式会社(以下『上 海バス』)」は、中国における都市公共交通のトップ企業の1つです。 その業務範囲は、バスやタクシー、鉄道、旅行サービス、レンタカーに 加え、eコマース、カルチャーなど広範囲に及んでいます。

都市部を中心とした旅客運輸を基盤とする上海バスでは、6つの 公共バス業者が合計7,500台の車両と340の路線を擁しており、1日 の平均利用者数は400万人。年間乗客数は中国の総人口と同じ 14億人にものぼり、1日の売上高は660万人民元となっています。

市場経済化が急速に進む中、従来型の国有企業的経営からの 脱却を図った上海バスは、新たな企業目標に、欧米並みの先進的 な都市交通管理を達成すること、情報化を優先し、包括的な手法 で業務の情報管理を実現することを掲げました。こうした新戦略の 実践として、まずは上海バスのWebサイトを立ち上げたほか、情報 システムの拡充を図り、3つのデータベース(HRデータベース、業務 データベース、資材供給データベース)の構築と、3種類のシステム 自動化(会計、OA、運用)を実現しました。また今後2年間でグルー プ系列のバス会社では、他社に先駆けた車両のコンピュータ管理と、 公共交通インフラの情報管理を実現することをめざしています。

バスターミナルのシステム管理にJP1を採用


拡大を続ける上海バス実業(集団)

現在、中国最大の商業・金融・工業都市である上海において、上 海バスはそのさまざまな主要拠点をつなぐ300か所以上のバスター ミナルを擁しています。また3,500台のバスには、正確な現在位置を 知るためのGPS装置が取り付けられました。

こうした旅客運輸のリソースを迅速・確実に稼働させるため、各 バスターミナルには高度な配車管理を行うためのコンピュータシステ ム(クライアントPC)が設置され、センターサーバと連携しながら各種 の運行指示を実行しています。

しかし数年前までは、業務とは無関係なアプリケーションの利用や、 複数のモバイル機器からの同時インターネットアクセスなどによって、 各コンピュータの利用効率が低下する状況が現れていました。さら にウイルス感染によって定型業務でのタスクに悪影響を及ぼす事 態が発生するなど、ITシステム全体でさまざまな問題が顕在化して いたのです。

バスターミナルのコンピュータにひとたび問題が発生すれば、公 共交通サービスを円滑に運用するため、複数の技術者を現地に派 遣し、繁雑な保守作業を行わなければなりません。また、道路データ の度重なる更新や、公共交通ディスパッチシステムのソフトウェアの 更新、サービスエリアの拡大なども、ITシステムの保守や運用管理 に関わる人的・物的リソースの増大に直結していました。

こうした状況に対し、IT部門の責任者である費 曄氏は、「大規 模なグループ企業のIT部門として私たちが最優先しなければなら ないのは、事業発展に貢献し、グループ事業に革新をもたらす効果 的なIT基盤を構築することです。しかし実際にIT部門が行ってき た業務の大部分は、トラブルの“消火活動”に費やされていたのです。 出張とシステム保守に明け暮れて疲弊し、事業発展の ような革新的な提案を口にすることさえできませんでした」 と振り返ります。

そこでこれらの問題解決のため、上海バスが導入し たのが日立の統合システム運用管理「JP1」の JP1/NETM/DM(*1)でした。

*1
JP1/NETM/DMは海外において「JP1/Software Distribution(JP1/SD)」の製品名称で販売されています。

さまざまな問題を解決したJP1/NETM/DM

JP1/NETM/DMは、小規模なシステム環境から大 規模な分散環境まで、クライアントにインストールされて いるソフトウェア情報やハードウェア情報、セキュリティ 設定情報などを一元管理し、クライアントへのソフトウェ ア配布、クライアントのリモートコントロール操作などを高 効率・高信頼に実行できる資産・配布管理ツールです。

JP1/NETM/DMの導入により、状況は一変しました。 どのバスターミナルのPCで問題が起きても、上海バスの技術者は現 地に赴くことなく、オンラインで遠隔保守が行えるようになったため、 小さなトラブルが積み重なってバスターミナルのPCシステムが不調 になることを回避できるようになったのです。また、各PCの資産情報 を一元監視できるため、全社レベルでPC資産を統一することにより、 トータルシステムとしての安定性向上にもつながりました。

「JP1は操作性が良いため、PCに不慣れな社員でも容易に扱え ます。マウスを1回クリックするだけで、現場からの要求が技術者の PCにリアルタイムに送信され、技術者側ではすべての要求を重要 度に応じて整理することができます。これにより、保守作業の効率 化と管理プロセスの標準化が大幅に促進されたのです」(費 曄氏)

JP1/NETM/DMの資産管理機能によって、IT部門のIT資産 管理能力も大幅に向上しました。広範囲に分散しているIT資産の 統計がリアルタイムに取得できるようになったため、IT資産の使用 効率を一段とアップさせることができたのです。

JP1/NETM/DMは業務管理でもIT部門の作業効率を大きく向 上させています。例えば20路線のバスの場合、今までは3人の技術 者を派遣してバスターミナル1つひとつにソフトウェアをインストールす る作業に3〜4日かかるのが普通でした。この間、ソフトウェアを1つ更 新し終わっても、さらに別の更新が必要になることさえありました。と ころがJP1/NETM/DMの導入により、ソフトウェアの更新に必要な サービスパックが自動的に生成され、グループ単位で配布されるため、 技術者はこれまでの繁雑な作業から解放されるようになったのです。

IT部門がIT、業務改善に注力できる環境へ

「JP1/NETM/DMは現在、120か所のバスターミナルで使用され ています。これらのシステムを管理する技術者はわずか8人で済む ようになりました。次はJP1/NETM/DMマネージャーの適用範囲 を約340路線まで拡大する予定ですが、すべてのバスターミナルに 導入した後は、この8人の技術者がITシステム全体の保守に専念 できるようになるはずです」と語る費 曄氏。

慢性的なトラブル対応から解放されたIT部門は、社内ITプラット フォームの改善や業務改革の提案に注力できるようになりました。

今後の展開について費 曄氏は次のように語ります。「システム の性能劣化や障害といったリスクを管理者が迅速に察知すること で、より精度の高いシステム性能管理が行えるよう、JP1の適用をさ らに進めていきたいと思います。またITシステムの安定運用を保 障するため、クライアントセキュリティ管理も強化していくつもりです」

そこではサーバ稼働管理「JP1/PFM」(*2)や、クライアントセキュ リティ管理「JP1/NETM/CSC」(*3)などが、同社システムのさらな る安定運用を実現していきます。費 曄氏は「JP1技術者の対応 は誠実かつ迅速で、また近々JP1チームと仕事ができるのが楽し みです」と、今後の期待を語ります。今後も日立は機能性と信頼 性に優れた「JP1」によって、世界中の企業のシステム運用管理 を支援し、付加価値の高いビジネス展開を強力にサポートしてい きます。

*2
JP1/Performance Management
*3
JP1/NETM/Client Security Control(海外において「JP1/Client Security Control(JP1/CSC)」の製品名称で販売されています)

上海バス システム構成図
上海バス システム構成図

USER PROFILE

上海バス実業(集団)株式会社

上海バス実業(集団)株式会社

[事業概要]
1992年に設立された都市公共交通の上場企業で、 都市交通、タクシー、鉄道、都市間高速旅客輸送、 旅行サービス、レンタカー、物流、eコマース、カルチャー、 スポーツなどさまざまなサービスを提供。現在、600 本の経営路線と17,000台の各種車両、5万人を超 える従業員を有し、中国における運輸業界最大級の 企業として知られている。

特記事項

  • この記事は、「はいたっく 2008年2月号」に掲載されたものです。
  • JP1の詳細については,ホームページをご覧ください。
  • 記載されている会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
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