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ICカードシステムソリューションズ

Hitachi

技術開発の展望

今日、ICカードを取り巻く技術的な環境は日進月歩で進んでいます。今後のICカード業界の方向性を特徴づける技術動向として、大きく以下の3つの点を挙げることができます。

ICチップの性能の向上

具体的には、メモリ容量の増大、低消費電力化、処理の高速化が挙げられます。

写真:ICチップ

  1. メモリ容量の増大:特に、複数のアプリケーションを搭載可能な多機能ICカードにおいて、アプリケーションプログラムおよびデータはEEPROM(*1)と呼ばれるメモリ領域に格納されます。EEPROMとは、電気的に内容を書き換えることが出来るROMのことです。現在、日立の接触型ICチップでは2Kバイトから64KバイトまでのEEPROMのラインナップが製品化されています。
  2. 低消費電力化:RSAなどの公開鍵方式の暗号処理には、DESなどの共通鍵方式の暗号処理に比べて多くの電力を消費します。金融用途のキャッシュカードやクレジットカードのアプリケーションには安全性確保のためよりセキュリティの強固な公開鍵方式の暗号処理が必要とされます。よりセキュリティの高い公開鍵方式の暗号処理に対応するために、接触型、非接触型ICカードともに、ICチップの低消費電力化の開発が進められています。
  3. 処理の高速化:ICチップでは、パソコンのように演算を処理するためのCPUが搭載されています。日立の提供するICチップのCPUは、8ビットCPUコアに始まり、現在では16ビットCPUが製品化されています。また、より高性能な32ビットCPUの開発が現在進められています。同時に、RSAやECCなどの高度な暗号技術に対応した暗号処理用のコプロセッサも改良が進められています。

デュアルインターフェース化

従来、非接触インターフェースと接触インターフェースのアプリケーションを一枚のカードに搭載するためのソリューションとして、ハイブリッド(複合)カードが利用されていました。ハイブリッドカードとは、非接触インターフェースのチップおよびアンテナと、接触インターフェースのチップを一枚のカードに両方埋め込んだものです。この場合、カードには接触用と非接触用の2つのチップが搭載されています。これに対して、デュアルウェイ(2つの方式)をサポートしたデュアルウェイ・ICカードが現在開発中です。これは、ひとつのチップで接触と非接触の両方のインターフェースを持つものです。デュアルウェイ・カードの利点は、カードが取り扱うデータをすべて一枚のチップで管理することが出来るため、カードとアプリケーションのメンテナンスが容易になる点です。また、ひとつのアプリケーションを接触と非接触の両方のインターフェースで使い分けることが可能になります。

モバイル端末との連携

GSMの携帯電話ではSIMと呼ばれる電話利用者の加入者情報が搭載されたICチップが利用されています。個人情報をICチップに格納しておくことで、ハードウェアに依存せず、情報を安全に利用することが可能です。モバイル市場の拡大には目を見張るものがありますが、端末やサービスの充実に伴い、それに連携した安全なデータキャリアとしてのICカードの利用が期待されています。ICカードは、携帯電話、PDA、パソコン、ゲーム機、オーディオ機器、カーナビなど、異なる利用インフラ間でのデータのやり取りを簡単に、しかも安全に行うことを可能にする、ネットワークメディアとして活用することが出来ます。

*1
EEPROM:Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory

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