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Hitachi

社会インフラ保守プラットフォーム

導入事例:熊本市

独自開発の超高感度振動センサーとアルゴリズムにより、漏水の早期発見・補修をサポート

[写真]熊本市風景写真

国内では、水道管などの社会インフラ設備の老朽化が進んでおり、設備の維持管理コストを削減するため、漏水の早期発見・補修が重要課題となっています。熊本市上下水道局では、熊本地震以降、調査を含めた漏水対策として、日立の「漏水検知サービス」を活用した実証実験を開始。漏水調査の効率化、可視化により、漏水が起因となる事故を防ぎ、住民への安全・安心・快適なサービス提供をめざしています。

老朽化した社会インフラ設備の早期発見・補修が課題に

厚生労働省の調査によると、日本における法定耐用年数(40年)を超えた水道管は10%を超え、その老朽化が大きな社会問題となっています。老朽化したインフラ設備を保守管理する熟練作業員の高齢化も進んでおり、漏水調査の効率化が重要課題となっています。
そこで日立は2019年、水道管やガス管などの地中埋設インフラを、デジタル技術により効率的に保守管理する「社会インフラ保守プラットフォーム」を構築。第1弾として、独自の超高感度振動センサーを活用し、水道管の漏水エリアを高精度かつスピーディーに特定する「漏水検知サービス」を開発しました。
社会実装に先立ち、2016年に発生した熊本地震によって、市内全域の断水など水道インフラが大きな被害に見舞われた熊本市で、実証実験を行いました。
2018年当時、熊本市は全国からの支援を受けて懸命な災害復旧作業を進め、水道施設の早期の復旧、復興の実現を図ってきました。そのようななか、漏水に関する通報や問い合わせはいまだ多く、漏水対策は重要な課題となっています。従来の漏水調査は、専門的なスキルを持った調査員が市内を徒歩で巡回し、音聴棒などによる水道管の調査が主体でした。しかし、熟練調査員の減少や繁華街・道路近隣など騒音が多い場所での調査が困難なこと、地上に露見しない地下漏水が続くと道路陥没など二次災害が発生する可能性もあることから、熊本市では漏水の早期発見をめざし、有効な漏水探知策の検討を進めていたのです。
このタイミングで日立からの提案を受けた熊本市上下水道局は、2019年2月から2020年9月まで、漏水が発生しているエリアで日立とともに漏水検知サービスの実証実験を実施。そこで一定の成果を得られたことから、従来手法との比較や、より適切な監視頻度・設置間隔を検討するため、2020年12月まで、さらにエリアを広げて共同研究を続けることにしました。

※出典:平成31年2月 厚生労働省医薬・生活衛生局水道課「最近の水道行政の動向について」より

超高感度振動センサーで漏水の有無を監視

今回の共同研究で適用された「漏水検知サービス」は、漏水時には連続的な一定の振動が発生することに着目し、漏水特有の振動をスコア化する、独自の超高感度振動センサーを使って、漏水の可能性をスコアで提供します。センサーからの情報はIoTネットワークでクラウド上の監視プラットフォームに送信され、蓄積されます。これによりノイズとなる自動車や人の往来による振動の除去処理が可能になり漏水発生の可能性が高い箇所を抽出することができます。
また低電力化を実現する回路技術により、内蔵バッテリーで約5年間稼働するため、バッテリー交換の負荷軽減を図ることができます。
さらに、センサーには磁石が内蔵されているため、追加工事なしで既存の水道管に容易に設置できるのも大きな特長です。監視者はWeb上の監視プラットフォーム画面で、漏水の疑いがある箇所を確認できるため、調査員が一つひとつの水道管を巡回調査する必要がなくなりました。これにより、時間や労力を削減しながら、異常管路の早期検知・補修をサポートすることが可能になります。

監視対象を拡大し、社会に貢献するソリューションへ進化

熊本市との共同研究の過程では、センサーを設置した全12か所で、従来手法である音聴調査とセンサーによる検知結果が一致していることが確認できました。また、センサーを常設した箇所では、2020年6月から12月までの期間に10か所で実際の漏水を発見できました。

[写真]熊本市 荒木 佑仁 氏
熊本市 荒木 佑仁 氏

これまで実施していた人の手と耳による調査に比べ、繁華街や道路近隣といった音聴困難な場所でも漏水を安定して調査できることが確認されたことで、「熟練調査員が不足していく状況でも、属人化したスキルに依存することなく、老朽化した水道管の維持管理が安定的に行えるようになると考えている」と荒木氏は評価します。また、漏水の早期発見や漏水検知能力の均一化、可視化による発生日時・重要度を判断して修繕するなど、修繕作業の優先順位付けに活用できる可能性にも大きな期待が寄せられています。

今後、日立は熊本市との共同研究の成果を踏まえ、デジタル技術を活用した「漏水検知サービス」を本格的に導入展開していきます。また、日立は「社会インフラ保守プラットフォーム」の対象をガス管、電力線、通信線の配管などにも広げ、社会インフラの効率的な保守管理、災害時の迅速な被災・復旧状況の把握を支援するソリューションへと進化させていきます。

[イメージ]「漏水検知サービス」の概要
「漏水検知サービス」の概要
*監視プラットフォームの画面は、開発中のため変更する可能性があります。

[お客さまプロフィール]熊本市

[イメージ]熊本市上下水道局庁舎

[所在地] 熊本市中央区手取本町1番1号
[人口] 738,567人(2020年10月1日現在)
[世帯数] 330,788世帯(2020年10月1日現在)
[職員数] 8,553名(2020年4月1日現在)

特記事項

  • 2021年1月1日 株式会社 日立製作所 ICT事業統括本部発行情報誌「はいたっく」(株式会社 日立ドキュメントソリューションズ印刷)掲載
  • 本事例中に記載の内容は初掲載当時のものであり、変更されている可能性もあります。詳細はお問い合わせください。
  • 事例は特定のお客さまでの事例であり、すべてのお客さまについて同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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