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企業情報ニュースリリース

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2019年11月25日
株式会社日立パワーソリューションズ

日立パワーソリューションズが工場や発電所で発生する異常騒音の
早期発見を可能にする「リアルタイム騒音監視システム」を提供開始

設備の予防保全や事業運営における環境対策に貢献

  株式会社日立パワーソリューションズ(取締役社長:野村 健一郎/以下、日立パワーソリューションズ)は、工場や発電所で発生する騒音を常時測定する「リアルタイム騒音監視システム(以下、本システム)」を本日から提供開始します。本システムは、工場や発電所の設備稼働による騒音を複数箇所で常時測定し、評価対象の騒音の大きさや周波数のトレンドを可視化するとともに、収集したデータに機械学習を適用することで、正常稼働時の騒音と異常時の騒音を自動で識別します。これにより、リアルタイムの騒音監視と情報共有が可能となり、設備異常の早期発見やきめ細やかな環境対策に貢献します。

  近年、設備保守業務では、設備や機器の長期稼働に伴う部品の経年劣化などで故障リスクが高まり、ダウンタイムの発生や保守コストの増加が大きな課題になっており、故障発生後の事後保全から予防保全へ移行することが求められています。一方で、予防保全においては、設備稼働データを取得するためのセンサーの取り付けが必要であることが多く、設備の停止や改造を伴うことから、事業者の負担となるケースがあります。また、環境対策の面では、操業に伴い発生する設備や機器の稼働音による敷地境界線での騒音レベルを規制基準値以下にすることはもちろん、近隣への到達音まで考慮したきめ細やかな対応が重要になっています。このような背景から、非接触センシングによる予防保全や、騒音監視による環境対策の向上を実現するソリューションへのニーズが高まっています。

  日立パワーソリューションズは、社会インフラ分野におけるさまざまな設備や機器の保守サービスで豊富な実績と経験を有し、遠隔監視や予兆診断などを駆使した迅速な保守サービスを提供しています。また、騒音影響の予測・評価やその対策で800件を超える実績を有しており、音の測定やシミュレーションに関するノウハウをもとに、お客さまの課題を解決するソリューションを提供しています。

  本システムは、複数箇所で測定した音の大きさや周波数をリアルタイムで可視化できるため、非接触センシングによる設備の騒音状況の迅速な把握に貢献します。また、今回、設備の正常稼働音以外の音を自動識別する機械学習を用いた機能により、熟練の設備管理者以外には難しいとされてきた設備由来の稼働音の特徴把握が容易になることで、騒音増加の原因特定や音色変化に現れる設備の稼働異常の早期発見を支援します。さらに、これら情報をネットワーク上でリアルタイムに共有することで、設備管理者や環境対策管理者の業務短縮や効果的な保全対策立案を支援します。

  日立パワーソリューションズは、工場や発電所などの設備の保守業務や環境保全対策を支援するシステムやソリューションを提供するとともに、お客さまとの協創による社会イノベーション事業の推進を通じて、SDGs*1の達成に貢献していきます。

*1
SDGs: Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)

製品の特長

1. 騒音の多点常時計測と遠隔監視

  • 従来は担当者が巡回して測定する必要のあった複数地点での騒音を、常時無人で測定できます。また、測定データは有線または無線LAN経由で、遠隔地からリアルタイムに共有可能です(図1)。
  • 測定データは、騒音レベルのトレンド(図2上段/横軸時間、縦軸騒音レベル)と周波数分析結果のトレンド(図2下段/横軸時間、縦軸周波数、色合いが音の大きさ)として表示可能であり、音の大きさと音色の変化を可視化します。
  • 騒音レベルの大小や、それらの継続時間などの条件を設定してアラートを配信します。画面への警告表示、スマートフォンなどへのメール配信、パトライトの点灯制御などで騒音異常をお知らせします。
  • システムをクラウドで提供するほか、お客さまのハードウェアを使ったオンプレミス形式の構成も可能です。

[画像]図1 リアルタイム騒音監視システムの構成概略図
図1 リアルタイム騒音監視システムの構成概略図

[画像]図2 騒音レベルと周波数成分のトレンド
図2 騒音レベルと周波数成分のトレンド

2. 音による設備の異常診断

  • 事前にシステムに入力した正常時の設備稼働音の周波数情報と機械学習によって、診断対象の設備稼働音(計測値)を診断します(図3)。機械学習で得られる異常尺度は、設備とは無関係な突発的な周囲騒音によっても増加しますが、設備由来の異常音は、一定期間発生して異常尺度が連続して大きな値を示すことから、この尺度の挙動で設備の異常音を検出します。

[画像]図3 異常診断の概念図
図3 異常診断の概念図

3. 評価対象外音の自動識別

  • 異常尺度を利用して対象騒音の評価に障害となる音の発生時間帯を識別させることで、突発的な周囲騒音(評価対象外音)がある中でも正常稼働音の発生状況を効果的に評価することが可能です(図4)。

[画像]図4 測定した元データ(青線)と、設備の正常時の稼働音(赤点)を識別して表示した例
図4 測定した元データ(青線)と、設備の正常時の稼働音(赤点)を識別して表示した例

製品の価格・提供時期

製品 メニュー内容 価格 提供開始時期
リアルタイム
騒音監視システム
要件整理からシステム構築まで 個別見積 2019年11月25日

ご要望に応じた測定点選定、機器構成立案、システムの要件整理、システム構築まで承ります。またシステム運用開始後の運用・保守サービスなども承ります。

関連情報

日立パワーソリューションズについて

  日立グループは、OT(Operational Technology)、IT(Information Technology)およびプロダクトを組み合わせた社会イノベーション事業に注力しています。日立パワーソリューションズは、エネルギー・産業・情報など社会インフラのさまざまな分野でソリューションを提供することにより、お客さまの社会価値、環境価値、経済価値の3つの価値向上に貢献します。

お問い合わせ先

株式会社 日立パワーソリューションズ 原子力エネルギー本部
解析・検査サービス部 応用解析エンジニアリンググループ [担当:青木・関]
〒317-0073 茨城県日立市幸町三丁目2番1号
TEL : 0294-55-8599(代表)

以上

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