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Hitachi

企業情報ニュースリリース

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2018年10月1日

AIを活用して顧客の声を約1,300種類の話題・感情・意図に
分類・見える化する「感性分析サービス」を提供開始

Hondaの新車発表やイベント出展における効果分析に先行適用

  株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、このたび、SNSやテレビ、新聞といったメディア情報、ブログ・口コミ情報、コールセンターの会話記録などから、顧客の声を約1,300種類の話題・感情・意図に分類・見える化する「感性分析サービス」を、10月1日から提供開始します。
  本サービスは、自然言語理解分野で豊富な実績を有する徳島大学発ベンチャー企業の株式会社言語理解研究所(代表取締役:CEO 青江 順一/以下、ILU)の感性分析AIであるABスクエア®を活用し、本田技研工業株式会社(以下、Honda)と共同開発したもので、テキスト化されたメディア情報などから企業や商品に対して抱かれている感情を高精度に分析します。また、各種業務システムと連携し、分析した顧客の声を売上実績や見積りといった業務データとかけ合わせることで、ブランド戦略に限らず、販売・生産計画や商品開発、リスク対策などさまざまな企業活動に活用することが可能です。
  なお、本サービスの提供開始に先行し、2018年4月より、Hondaの広報・マーケティング活動に適用しました。新車発表やイベント出展の反響分析として、イメージや感情を、車種別やトピック別など、より精緻に可視化し、分析やレポート作成に要する業務負荷を軽減できるなど一定の効果を得ています。

  近年、多くの企業では、メディアの情報やブログ・口コミ情報などを活用し、顧客の声として企業活動に生かすニーズが高まっています。テキストデータの解析は文脈や文意の考慮が必要なため、有効な分析結果を導き出すには、言葉の変化や流行に応じた類義語・同義語辞書のメンテナンスに加え、膨大なデータから分析に必要なデータを正確に絞り込み、単語間の区切りや係り受けを適切に捉えながら、感情や意図といった文字には表れない文意を理解する技術などが必要となります。

  こうした背景から、日立とHondaは、ILUのAIエンジンを活用し、高精度な感性分析を実現するサービスを共同開発しました。また、今回サービス提供開始にあたっては、分析に必要なデータを高精度に絞り込むフィルタリング技術を日立が新たに開発し、ILUのAIエンジンとともにサービスの中核技術として適用しています。フィルタリング技術により、収集したい単語に対して関連性や出現頻度が高いキーワードを機械学習し、予め登録しているフィルタリング条件を自動更新するなど、データの絞り込み精度を継続的に高めます。

  本サービスは、データの収集・分析・可視化から、絞り込み条件の自動メンテナンスといった運用保守までをトータルでサポートします。メディアなどから収集したデータや辞書データなど数億件にものぼる膨大なデータを蓄積・高速処理できるため、企業や商品に対して抱かれる感情を迅速かつ精緻に分析することが可能です。また、業務システムとの連携も可能なため、顧客の声を拡販計画や売上予測などにつなげられるほか、ネガティブな感情の拡大を自動検知・報告する機能により、リスク対策のためのツールとしても利用できるなど、企業の多岐にわたる業務への活用が期待できます。

  今後、日立はHondaとの取り組みを日立のデジタルソリューション「Lumada」のユースケースとし、コンシューマー向け事業を展開している企業を中心に幅広く展開していきます。

「感性分析サービス」の特長

1. 自然言語を高精度に理解するAIエンジンにより、精緻な感性分析を実現

  テキストデータを約1,300種類の話題・感情・意図に分類できるILUのAI技術を適用しており、例えば、「好意的」「中立」「悪意的」の3大分類と、さらに細分化した全81種類の中から感情を特定できるなど、高精度な感性分析を実現します。ILUが約30年にわたり蓄積した辞書データベースは7.6万種類の単語知識と400億パターン以上の意味共起*知識の組み合わせから構成しているため、文章に込められた感情や意図など文字では読み取れない間接的な意味も高い精度で理解することが可能です。

*
ひとつの文章の中に、ある単語とある単語が同時に出現しやすいパターン。例えば、選挙に関する話題の中では、「選挙」という言葉と「出馬」という言葉などは同時に出現する場合が比較的多い。

2. 機械学習技術を活用したフィルタリング機能により、高精度なデータの絞り込みを実現

  ブログ・口コミ情報などリアルタイムかつ大量に発生するデータから顧客の声を正確に分析するためには、言葉の流行や変化に応じて絞り込み条件を定期的に見直すなど、精度を維持するための運用負荷が課題となっています。
  今回開発したフィルタリング技術は、収集したデータから関連性の高い単語を機械学習し、絞り込み条件を自動更新する技術です。流行語や造語、専門用語など絞り込み条件に予め登録されていない単語であっても、出現頻度や単語間の係り受けの関係から分析対象になるか否かを判断するため、辞書メンテナンスに要する作業負荷を抑えながら、絞り込み精度の維持・向上を実現します。

3. 気づきを得やすい検索ビューアを実装

  分析したデータは、感性に関する情報だけでなく、単語間の関係性を示す情報もタグ付けし、利用者は単語一致ではなく話題一致で検索することが可能です。例えば、原文に「ホームラン」と記載があると、「野球」のカテゴリに分類するため、「野球」で絞り込んだ場合、原文に「野球」と記載がなくても、「野球」に分類された一連の情報を検索結果に表示します。検索スキルに依存することなく分析できるほか、検索したい話題に関連する文書も合わせて把握することが可能となります。
  また、分析結果を分かりやすく表示する検索ビューアを用意し、使いやすい画面設計を実現したほか、業種や業務別などお客さまのニーズに合わせて画面のカスタマイズも対応可能です。

「感性分析サービス」の価格と提供開始日

名称 内容 価格 提供開始日
「感性分析サービス」 活用コンサルティングサービス 個別見積 10月1日
構築サービス
維持運用サービス

「感性分析サービス」の概要図

[画像]「感性分析サービス」の概要図

「感性分析サービス」の活用例

  • ブログ・口コミ情報を分析し、自社のブランド分析、広報戦略、商品企画、販売戦略などに活用。
  • 自社製品のリスクや潜在的なクレームを事前検知し、炎上防止やリコール対策、サービス品質向上に活用。
  • コールセンターに寄せられた意見や職員の満足度調査におけるアンケート結果を分析し、顧客満足(CS)・従業員満足(ES)向上施策に活用。
  • 商品の見積りや売上実績などの業務データとインターネット情報を組み合わせ、売上予測に活用。

関連情報

Hitachi Social Innovation Forum 2018 TOKYOでの紹介について

本サービスは、日立が2018年10月18日(木)〜19日(金)に、東京国際フォーラムで開催する
「Hitachi Social Innovation Forum 2018 TOKYO」において、ご覧いただけます。

商標に関する表示

  • ABスクエアは、株式会社言語理解研究所(ILU)の登録商標であり、感性情報分析SaaSサービスです。
  • Instagramは、米国Instagram, LLC社の米国またはその他の国における商標または登録商標です。
  • Facebookは米国Facebook, Inc社の米国またはその他の国における商標または登録商標です。
  • Twitterは米国Twitter, Inc社の米国またはその他の国における商標または登録商標です。
  • その他、記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の登録商標または商標です。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 システム&サービスビジネス統括本部 アプリケーションサービス事業部
事業企画部[担当:太田、酒井、藤野]
〒212-8567 神奈川県川崎市幸区鹿島田一丁目一番二号

以上

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