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企業情報ニュースリリース

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2015年9月11日
株式会社日立メディコ

超電導MRI装置向け故障予兆診断サービス「Sentinel Analytics」を提供開始

日立独自の予兆診断技術を利活用したアフターサービス強化ソリューション

  株式会社日立メディコ(取締役社長:山本 章雄/以下、日立メディコ)は、株式会社日立製作所(執行役社長兼COO:東原 敏昭/以下、日立)の予兆診断技術を導入し、日立メディコが製造・販売する超電導MRI装置の冷凍機の故障とその原因を事前に高精度で検知する新たな保守サービス「Sentinel Analytics」の提供を10月1日より開始します。

1.背景

  近年、製造業などを中心に、機器の稼働率向上や保守・サービスの充実を図るため、IoT*1/M2M*2技術を活用して、遠隔で機器の状態を監視し、故障による想定外の停止を回避するといった取り組みが広がっています。医療現場において、例えば、超電導MRI装置は液体ヘリウムで冷却することで超電導状態を常に維持する必要がありますが、冷凍機に突発的な故障が発生すると、MRI装置が使用できず、復旧作業に時間を要することもあります。
  日立メディコでは従来、自社のIoT/M2Mシステム「Sentinelカスタマーサポート」を利用して、装置の各種センサーデータにしきい値を設定することで、技術者の経験・ノウハウを基にデータ変動を観察し、保守作業の要否や部品の交換時期などを判定していました。しかし、日々のセンサーデータが膨大な上、お客さまごとに設置環境や使用方法が異なるため、技術者の経験・ノウハウに基づくデータ分析だけでは高精度で効率性に優れたアフターサービスを提供することに限界がありました。
  そこで、技術者の経験・ノウハウをシステム化するため、日立の予兆診断技術「Global e-Service on TWX-21/故障予兆診断サービス*3」およびビッグデータ分析関連ソフトウェア「Pentaho*4」を活用することで、超電導MRI装置の冷凍機の故障とその原因を高精度で検知できる新たな保守サービス「Sentinel Analytics」を提供開始します。
  なお、Sentinel Analyticsは、日立メディコが利用するサーバのソフトウェア更新のみで導入できるため、現在、超電導MRI装置でSentinelカスタマーサポートを利用されているお客さまであれば、標準でSentinel Analyticsの故障予兆診断サービスが適用されます。

2.「Sentinel Analytics」の特長

(1) 予知保全の実現
  従来、超電導MRI装置の冷凍機の状態監視は、主に液体ヘリウムの残量など個別のしきい値を基に、冷凍機などコア部品の交換時期を判定していました。しきい値判定では故障予兆の把握が数日前になり、故障発生後に交換修理を行う「事後保全」となる場合がありました。その間MRI装置を使用できないため、予定していた検査が実施できなかったり、また、緊急修理により保全コストが増加することになります。
  「Sentinel Analytics」では、故障発生の数ヵ月前に故障の予兆を検知できるため、冷凍機が壊れる前に計画的に部品を修理・交換することができ、故障を回避する「予知保全」を実現します。例えば、技術者の経験・ノウハウに基づくデータ分析では検知が難しかった微量な液体ヘリウムの減少を、いち早く検知することができ、高精度な故障予兆診断が可能となります。Sentinel Analyticsを試験的に導入した結果、導入前に比べてMRI装置が故障により使用できない時間(ダウンタイム)を16.3%低減することができました(当社Sentinelカスタマーサポート比)。

[画像]予知保全の実現

(2) 高精度な診断を実現する二つの診断アルゴリズム
①Global e-Service on TWX-21/故障予兆診断サービス
   日立独自のクラスター分析技術に基づく診断アルゴリズムを活用して、機器の異常状態を早期に検知することができます。機械学習技術を応用して機器ごとの正常状態のセンサーデータを学習させ、個別に診断します。装置の特性や、設置場所の違いによる使用状況の差異などを加味した診断が可能で、より高精度で故障の予兆を検知できます。
②Pentaho
  2006年からサービスを開始している「Sentinelカスタマーサポート」の長年の運用により蓄積したビッグデータを「Pentaho」を活用して分析し、各種故障原因をパターン認識により高精度で検知できます。

[画像]Sentinel Analyticsのシステム概要

3.サービス名称: 「Sentinel Analytics」

4.提供開始時期: 2015年10月1日

*1
IoT(Internet of Things): さまざまなモノに通信機能を持たせ、インターネットを介して情報交換することにより、モノの識別・監視・制御などを行うこと。
*2
M2M(Machine-to-Machine): 機械同士が、人間を通さず、ネットワークを通じて直接情報を交換するシステム。
*3
Global e-Service on TWX-21/故障予兆診断サービス: 日立が提供するSaaS型機器ライフサイクル支援サービス「Global e-Service on TWX-21」における日立独自の分析技術を用いた故障予兆診断サービス。
*4
Pentaho: 米国日立データシステムズ社の子会社であるペンタホ社が提供するビッグデータ分析関連ソフトウェア。

所有商標に関する表示

「Sentinel」ロゴは、株式会社日立メディコの登録商標です。
その他、記載の会社名、製品名はそれぞれの会社の商標もしくは登録商標です。

お問い合わせ先

株式会社日立メディコ サポートサービス事業部 【担当:稲原】
〒277-0803 千葉県柏市小青田17-2日立メディカルテクニカルアカデミー4階
電話 : 04-7131-4193

以上

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