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企業情報ニュースリリース

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2014年9月4日

M2M向けシステム基盤を容易に導入できる
「M2Mトラフィックソリューション」を提供開始

電力や水道、ガス、交通といった社会インフラ分野の設備管理や予防保全を支援

  株式会社日立製作所(執行役社長兼COO:東原 敏昭/以下、日立)は、このたび、電力や水道、ガス、交通などのさまざまな社会インフラ分野において、施設・設備の管理や予防保全などを目的としたM2M*1向けシステム基盤の容易な導入を実現する「M2Mトラフィックソリューション」を開発し、電力事業者や鉄道事業者などの社会インフラ事業者向けに、9月5日から販売を開始します。

*1
M2M:Machine to Machine

  本ソリューションでは、昨年10月に発表した「Traffic Management Solutions(TMS)*2」の開発コンセプトに基づき、パケットが大量、かつ広範囲に発生するM2Mのトラフィック特性に応じて、きめ細かなネットワークの計測・分析・制御を実現します。
  具体的には、データの収集・管理・見える化、および機器やネットワークの制御などデータ活用を一元的に行うクラウドサービスと、省電力、かつ拡張性を備えたM2M機器(センサーノード*3、ゲートウェイ*4)」を新たに開発し、M2M向けシステム基盤の導入に向けたコンサルティングから、システム設計、ネットワークの構築、クラウドサービスの運用、保守、さらには業務アプリケーションとの連携など、各種サービスをトータルに提供します。
  本ソリューションを活用することで、現場の見える化やビッグデータ分析・利活用のためのシステムの容易な導入が可能となります。これにより、設備の稼働状況を把握し、稼働計画や保守計画の見直しを図るなど、業務改善による経営の効率化を支援します。

*2
Traffic Management Solutions(TMS):日立がこれまで培った通信事業者向けの大規模かつ高信頼な通信制御技術、ビッグデータの利活用技術を生かし、データ通信のトラフィックを計測して目的に応じて分析・制御し、ネットワークの高付加価値化を図るソリューション。
*3
センサノード:センサーから取得したデータを無線でゲートウェイに伝送する機能を有した機器
*4
ゲートウェイ:センサーノードから無線を介して収集したデータ、または接続されたセンサーから収集したデータをサーバに送信する機能を有した機器

  近年、モバイルネットワークの進展により、遠隔からのセンサーデータの収集や機器の制御が可能となりました。また、M2MやIoT*5などITの新たな潮流により、あらゆるモノがネットワークを介してつながることで、データのもつ価値をビジネスへ応用することが期待されています。
  一方、データ量の爆発的な増加により、センサーデータの収集遅延を解消することが急務となっているほか、データ量の増大による通信費の高騰も予想されます。また、データの活用により新規事業の立ち上げや業務の見直しが加速すると、従来システムの変更や機器の交換、新たな回線の確保や運用の変更が必要となり、それらに伴うコスト増加が課題となっています。

*5
IoT:Internet of Things

  本ソリューションでは、M2Mシステム基盤を構成する機器やネットワークは、すべてクラウド上で管理されるため、例えばM2M機器を計測対象につないで電源を入れるだけですぐにデータの収集を開始することができます。さらに、大量に発生する計測データは、日立の独自技術によりゲートウェイでまとめて効率よく伝送できるため、通信コストの増加を抑えてデータを収集することが可能です。

  今後も、企業のM2M導入を支援するネットワーク基盤製品・サービスを拡充するとともに、海外キャリアとの連携を進め、M2M関連事業のグローバル展開を図るなどソリューションを強化していきます。

  なお、「M2Mトラフィックソリューション」は、スマート情報のIT基盤群であるIntelligent Operations Suiteのラインアップの一つとしても提供していきます。

「M2Mトラフィックソリューション」の特長

(1) 大規模・高効率・高信頼なM2Mネットワークを実現

  通信事業者向けに大規模・高信頼な通信制御技術を提供してきた実績をもとに、大規模なM2Mネットワークにおいて、機器や回線(FAN*6/WAN*7)に対する最適な制御をクラウドにて実現します。また、日立独自技術により、途切れやすい無線の性質に対応した機器間伝送を実現し、回線遮断によるデータ欠損時にも、回線復旧後に複数データをまとめて迅速に送信できるなど、安定したデータ収集が可能なM2Mネットワークを実現します。
  さらに、センサーノードやゲートウェイ、クラウドサービスを連携させることで、クラウドを運用するセンターから一括して機器の設定が可能となり、現場での複雑な設定なしに、機器の電源を入れるだけで利用開始できます。なお、センサーノードは省電力設計のため、長時間の電池駆動を実現しています。

*6
FAN(Field Area Network):センサーノードとゲートウェイ間で構築するネットワーク
*7
WAN(Wide Area Network):通信キャリア網、Internet、専用線を活用もしくは組み合わせて利用するネットワーク

(2) マルチベンダー対応を意識した標準技術の先行採用

  今回、ゲートウェイとサーバ間の通信には、機器同士の通信プロトコル(M2M向け通信プロトコル)として標準化策定の進むCoAP*8を先行採用しました。CoAPは、ヘッダーサイズが4byteであり、代表的な通信プロトコルであるHTTPの140byteより軽量なプロトコルであるため、HTTPと比較して約6割の通信量削減の効果が期待できます。今後、CoAPに対応した他社製品にも幅広く対応していきます。

*8
CoAP(Constrained Application Protocol):インターネット技術の標準化を推進する任意団体IETF(The Internet Engineering Task Force)において標準化策定の進む機器間通信向けのプロトコル。日立もこの標準化活動を推進中。

(3) お客さま自身での運用最適化が可能

  今回、センサーノードやゲートウェイといったM2M機器を自社開発し、クラウドサービスと密に連携して提供できるため、お客さま自身がクラウドから一元的に設置機器の状態監視ができるほか、WANやFANのネットワーク動作を操作することが可能です。例えば、特定のセンサーノードのみ収集頻度を上げるといったきめ細かいセンサーデータの収集が可能になるなど、お客さま自身で運用や費用の最適化が図れます。

(4) サービスの拡張性と柔軟性を備えたクラウド

  クラウド上では、現場環境の見える化による機器やネットワークの制御に加え、外部システムとのAPI*9も提供するため、お客さまの業務システムやビッグデータ分析ツールといったさまざまなシステムとの連携も容易であり、高度なデータ分析・利活用への応用が可能です。
  また、OSGi*10フレームワークの技術を採用したゲートウェイにより、データ加工やデータ流量管理などアプリケーションの動的な実装が可能です。さらに、クラウドを運用するセンターからゲートウェイのアプリケーションを管理・配信する機能を提供し、サービスの追加・変更を柔軟に行えます。これにより、一層の見える化が図られ、お客さまの業務の見直しや新規事業の立ち上げ検討などに有効です。

*9
API:Application Programming Interface
*10
  OSGi(Open Services Gateway initiative):遠隔から管理できるJavaベースのサービスプラットフォーム

「M2Mトラフィックソリューション」概念図

[画像]「M2Mトラフィックソリューション」概念図

「M2Mトラフィックソリューション」サービスメニューの価格および提供開始時期

名称 概要 価格 提供開始
時期
センサーネットワーク構築
コンサルティングサービス
クラウドサービス利用に際し、センサーネットワークの構築・導入をサポートするサービスです。 個別見積 2014年
10月31日
M2Mトラフィック
ソリューション
/クラウドサービス
高信頼でセキュアなクラウドからデータを収集・管理・閲覧できます。また、センサーノードやゲートウェイの管理やデータのグラフ表示の機能を提供します。
クラウドサービス
/個別オプション
AirSense Gateway/カスタマイズオプション、AirSense Sensor Node/カスタマイズオプション、クラウドサービス/データ容量追加オプション、ユーザ追加オプション、個別オプションなどの豊富なオプションがあります。
  • * ソリューションには、今回新たに開発したセンサーノード「AirSense Sensor Node」およびゲートウェイ「AirSense Gateway」の提供を含みます。

「M2Mトラフィックソリューション」を構成する製品

名称 概要 製品概観
AirSense Sensor Node 接続されたセンサーの値をゲートウェイに送信する装置

  • 多様なセンサーを接続可能(温湿度、埃、CO2、電力量など)
  • 電池駆動により設置場所に電源の確保が不要
  • 独自の消費電力技術により、長寿命化を実現
[画像]AirSense Sensor Node
AirSense Gateway センサーノードからの取得データを、クラウドに転送する収集装置

  • 電波伝搬特性に優れた920MHz帯無線を採用
  • M2Mに適した軽量プロトコル(CoAP)採用
  • 追加サービス対応を容易にするOSGiプラットフォーム搭載
[画像]AirSense Gateway
  • * 製品画像はイメージであり、実際とは異なることがあります。

「センサエキスポジャパン2014」出展について

今回発表した「M2Mトラフィックソリューション」を、2014年9月17日(水)〜19日(金)に、東京ビッグサイトで開催される「センサエキスポジャパン2014」において、展示およびセミナーで紹介します。

関連情報

他社商標注記

  • JavaはOracle Corporation及びその子会社、関連会社の米国及びその他の国における登録商標です。
  • OSGi™は米国および他の国のOSGi Allianceの商標または登録商標です。
  • 記載の会社名、製品名はそれぞれの会社の商標もしくは登録商標です。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 情報・通信システム社
通信ネットワーク事業部 社会ネットワーク本部 M2Mソリューション部 [担当:荻野、福井]

以上

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