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企業情報ニュースリリース

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2014年8月26日

フェデレーテッドクラウドを中心とした
新たなクラウド基盤を開発し、製品・サービス群を体系化

クラウドパートナーとの連携を加速し、多様化するお客様ニーズに対応

  株式会社日立製作所(執行役社長兼COO:東原 敏昭/以下、日立)は、このたび、多様化するお客様ニーズに対応した新たなクラウド基盤として、クラウド製品・サービス群を開発し、体系化しました。具体的には、本クラウド基盤は、複数クラウド間の一元的な運用管理やシステム移行を支援するサービス群、業務アプリケーションの構築やSaaS環境の立ち上げを支援するためのサービス群などから構成されます。
  今回、その第一弾として、お客様環境のプライベートクラウドと日立が運用管理するマネージドクラウド*1、アマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)、Microsoft® Azure™(以下、Azure)をはじめとしたパートナークラウドといった複数クラウドを適材適所に組み合わせ、シームレスに利用可能なフェデレーテッドクラウド(Federated Cloud)環境を実現する新サービスを開発し、2014年10月から順次提供を開始します。フェデレーテッドクラウド環境の実現により、業務アプリケーションの特性に合わせたクラウドの利用、および複数のクラウド上に配置された業務アプリケーション群の効率的な運用管理が可能となり、お客様のIT投資の全体最適化を図ります。

*1
マネージドクラウド:パブリッククラウドとしてリソース提供のみならず、設計構築や運用保守等のノウハウを付加価値としてあわせて提供するクラウドサービス。ユーザーのシステム要件や運用要件にあわせたカスタマイズや対応が可能。

  近年、企業経営者のITに対する期待・関心は、システムの安定稼働や開発・運用にかかるコスト削減に加え、事業のさらなる成長加速に向けたITの積極的活用が重視されるようになっています。また、ヘルスケア、交通、エネルギー、設備管理など多岐にわたる分野でM2M(Machine to Machine)やIoT(Internet of Things)などを用いて、社会や企業活動を通じて生成される多種多様なデータを活用し、新たな事業を創出していくことが期待されています。
  こうした中、クラウドは、システムの初期投資を抑えつつ、短期間でシステム構築や構成変更が容易に行え、企業のグローバル事業拡大や新事業立ち上げに迅速に対応できるシステム基盤として、その重要性はますます高まっています。

  日立は、2013年12月からグループ会社を含めた事業部門・研究開発部門にまたがる約300名体制のクラウド戦略プロジェクトを立ち上げ、新たなクラウド基盤の開発に取り組んでいます。また、日立グループ約32万人の利用する社内ITの実績・ノウハウを活用したサービスの開発も進めています。
  なお、プロジェクトの推進にあたって、AWS、シトリックス・システムズ・ジャパン、エクイニクス、マイクロソフト、レッドハット、セールスフォース・ドットコム、ベライゾン、ヴイエムウェアといったグローバルで高い競争力をもつパートナーとのアライアンスを強化し、異なる複数クラウドをシームレス、かつセキュアに接続するフェデレーテッドクラウド環境を実現するための基盤技術の開発を行っています。

  また、2014年3月には、先端クラウドラボを発足し、AWS、アセンテック、シトリックス・システムズ・ジャパン、サイボウズ、マイクロソフト、NTTデータ イントラマート、セールスフォース・ドットコム、Sansan、ヴイエムウェア、ウイングアークなど各社の複数サービスを効果的に連携させた新サービスを開発しています。

  日立は、2009年6月から、日立クラウドソリューション「Harmonious Cloud」のもと、高信頼、高セキュリティなクラウドコンピューティング環境を実現する製品・サービス群の開発・提供を進めてきました。今後は、日立がグループ一体となって推進する社会イノベーション事業を支えるクラウド基盤の実現に向け、国内外のグループ会社を含めた統一ブランド「Hitachi Cloud」として、グローバル対応力のさらなる強化を図ります。

新たに体系化したクラウド基盤の特長

[画像]今回開発する新たなクラウド基盤

  新たに開発するクラウド基盤は、「フェデレーテッドクラウド」を中心に、「クラウドセキュリティ」、「SaaSビジネス基盤」、「サービスインテグレーション」等で構成された製品・サービス群で、多様化するお客様ニーズに対応します。今回、第一弾として、ソリューションの中核である「フェデレーテッドクラウド」を実現する関連サービスの提供を開始します。順次、その他のサービスについても提供開始する予定です。

1. フェデレーテッドクラウド

  パートナークラウドを含めた一元的な監視・運用や、クラウド間マイグレーション(移行)自動化のためのツール開発、さらには、日立のマネージドクラウドとパートナークラウドを高速、かつ安定的に連携できるネットワークの整備、パートナークラウドを活用した連携サービスの開発など、異なるクラウド間をシームレスに連携する「フェデレーテッドクラウド」を実現するためのサービスを提供します。

 
(1) フェデレーテッドポータル
  お客様環境のプライベートクラウド、日立が運用するマネージドクラウド、AWS、Azureをはじめとしたパートナークラウドなど、複数クラウドを一元的に監視・運用し、効率的に利用できる「フェデレーテッドポータル」を開発し、2015年4月から利用開始する予定です。
  なお、プライベートクラウド環境を迅速に構築できる「出前クラウド*2」には、今回先行して「フェデレーテッドポータル」を搭載して、2014年12月から、提供を開始*3します。
*2
出前クラウド:クラウド基盤を構築するために必要なブレードサーバ、ストレージ、ネットワーク機器、および管理コンソールをすべてラックに収容して、すぐに利用できるプライベートクラウド環境として顧客に提供するサービス。
*3
2014年12月サービス開始時は、パートナークラウドとしてAWSに対応します。
 
(2) クラウド統合ネットワーク
  複数のクラウドを連携させるために、日立の国内データセンター間をつなぐネットワークを再編し、クラウド統合ネットワークとして順次、提供します。
  まず、首都圏にある3箇所のデータセンター間を数ms(ミリ秒)レベルのレイテンシ*4で最大320Gbps*5まで拡張可能な広帯域ネットワークで密結合したネットワーク「首都圏トライアングル(仮称)」を構築し、高速バックアップ用ネットワークサービスを2014年10月に提供開始します。
  さらに、2014年12月には、AWSと「首都圏トライアングル」を広帯域ネットワークで密結合することにより、変化するお客様のニーズにスピーディに対応できるネットワークを整備します。今後、Azureについても「首都圏トライアングル」への接続を行う予定です。
*4
レイテンシ:データ転送においてデータを要求してから実際に送られてくるまでの処理時間。
*5
Gbps(Gigabits per second):通信回線などのデータ転送速度の単位。ギガビット毎秒。

2. クラウドセキュリティ

  お客様の環境から外部のパートナークラウドを安全かつ容易に利用するための各種セキュリティサービスを開発・提供しています。これには、Security Operation Center(SOC)*6のスタッフによる24時間365日、外部からの不正アタック監視のほか、必要に応じてセキュリティ対策を実施するサービスなどが含まれます。
  今回新たに、お客様環境のプライベートクラウドや日立のマネージドクラウドからパートナークラウドへのシングルサインオンを実現するセキュリティゲートウェイサービス(認証連携)を、2014年12月から提供します。今後、セキュリティゲートウェイサービスでは、データの暗号化や、アクセスコントロール機能など、順次、機能強化を図っていきます。

*6
SOC:株式会社日立システムズが提供するセキュリティソリューション「SHIELD(シールド)」の中核を担うセキュリティに特化したセンター。

3. SaaSビジネス基盤

  SaaSビジネス基盤は、従来提供していた「SaaS事業支援サービス」の各機能を全面的に強化し、SaaSに必要となるシステム基盤から、ヘルプデスクや運用代行などBPOサービスまで提供し、SaaS環境の容易な立上げ・運用を支援するトータルソリューションです。約50,000社で利用実績のある日立企業間メディアサービス「TWX-21」の基盤開発・運用ノウハウを活用しています。
  具体的には、ユーザー情報管理(利用申請・変更・承認)、ログ解析、課金管理といったSaaSに必要不可欠な共通機能を、開発を伴わず容易に利用できるため、SaaS環境立ち上げの期間短縮やコスト削減が可能となります。SaaSビジネス基盤は、日立が開発を進めるスマート情報分野向けアプリケーションを含め幅広いアプリケーションに対応していきます。

4. サービスインテグレーション

  日立のクラウド提供実績をもとに設計の標準化を図り、設計期間の短縮と品質の向上を両立して、クラウド上での容易なシステム構築やアプリケーション開発を支援するソリューションです。サーバ統合やディザスタリカバリなど利用頻度の高いクラウドシステムの共通的な課題や設計上のポイントなど、構築ノウハウと利用技術を予めまとめ、「日立クラウドデザインパターン」として提供します。

今回提供開始するサービスの価格および提供開始時期

[画像]今回提供開始するサービスの価格および提供開始時期

*7
Microsoft® Azure™についても、クラウド間接続サービスの提供を行う予定です。
*8
日立のデータセンターとAWS東京リージョンを接続するネットワーク環境(50Mbps、100Mbps、200Mbps)については、2014年4月から提供開始済みです。今回、首都圏トライアングルとの接続により、広帯域メニュー1Gbpsを追加しました。AWSの利用にあたっては、別途、契約が必要となります。

本発表に関するお客様企業からのコメント(アルファベット表記順)

三井物産 株式会社 理事 IT推進部 部長 前川 一郎

  日立様の提供する新しいクラウド・サービスが各企業の事業活動を支えるものの一つになる可能性があると考えます。
  弊社は、既に日立様のIT製品、サービスをいくつかの事例で活用していますが、弊社基盤と新しいサービスの組み合わせの可能性に就きましても今後評価・検討していきたいと考えます。

シャープ株式会社 ビジネスソリューション開発本部 システム第一開発センター 所長 辻井 利典

  シャープ株式会社は、日立の「クラウド基盤を開発する戦略プロジェクトの立上」を歓迎致します。日立の取組みは、弊社がコンビニで展開する「ネットワークプリントサービス」や「コンテンツプリントサービス」などのクラウド型プリンティング環境の構築を支えるものであり、多様なクラウドサービスとの連携を強力に推し進める基盤となるプロジェクトであると考えております。

本発表に関するパートナー各社のコメント(アルファベット表記順)

アマゾン データ サービス ジャパン株式会社 パートナ・アライアンス本部 本部長 今野 芳弘

  アマゾン データ サービス ジャパンは、日立の新たなクラウド基盤開発のための戦略プロジェクトが始動したことを歓迎します。以前よりAWSと日立はクラウド間接続サービス for AWSなどで連携をして参りました。すでに日立ではAWS認定エンジニアを550名以上育成いただき、2014度末までに1,000名規模にする予定で取り組んでいただいております。本プロジェクトにより、より一層AWSを利用するお客様を共に支援し、お客様のビジネスの成長加速に貢献できることを期待しています。

アセンテック株式会社 代表取締役社長 佐藤 直浩

  アセンテックは、日立が新たなクラウド基盤の開発に関する戦略プロジェクトを立ち上げ、今回「新たなクラウド基盤」を発表されたことを歓迎いたします。今後、フェデレーテッドクラウド環境の実現をはじめとし、さらなる技術革新とサービス提供により、多様化するIT基盤に対するニーズに対応し、イノベーションが加速されていくと考えます。アセンテックはVDIトータルソリューションベンダーとして、「先端クラウドラボ」をはじめ、日立と密接なパートナーシップを構築し、お客さまにデスクトップ環境の変革を提案して参りました。今後もさらに強固な協力体制を構築し、今回の日立クラウド戦略プロジェクトをご支援し、ともにクラウド市場の発展に寄与していきたいと考えています。

シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 マイケル キング

  シトリックス・システムズ・ジャパンは、日立様のクラウド事業強化の発表を歓迎いたします。昨今、企業では、将来の事業展開を見据えたIT投資においてクラウドコンピューティングの活用が広がり、さらにはクラウドを基盤としたサービスの活用への関心が高まっています。シトリックスは、2014年3月に日立様より発表された「先端クラウドラボ」のプロジェクトに製品パートナーとして参画しています。このプロジェクトを含め、日立様のクラウド事業がさらに強化されることにより、お客様のクラウドサービスの活用が益々促進され、XenApp、XenDesktopなど弊社のデスクトップ仮想化ソリューションのクラウドでの利用が推進されることと期待しています。シトリックスは、今後も日立様と連携し、お客様のビジネスの成長を支援して参ります。

サイボウズ株式会社 代表取締役社長 青野 慶久

  サイボウズはグループウェアや業務アプリ構築サービスなどの「チームワーク・プラットフォーム」を独自のクラウド基盤「cybozu.com」で提供しております。日立が2014年に立ち上げた「先端クラウドラボ」に参加する様々なパートナーと連携することによって、より広範な環境やニーズに適用したソリューションを提供できるようになると考えております。サイボウズは引き続き、日立とともにクラウド市場の発展に寄与して参ります。

日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員
サーバープラットフォームビジネス本部 本部長 佐藤 久

  マイクロソフトは、日立のフェデレーテッドクラウドを中心とした新たなクラウド基盤の開発と製品・サービス群の体系化を歓迎いたします。日立と弊社では2012年4月よりクラウド事業分野でのグローバルを見据えた協業を進めており、今回の発表により、お客様のプライベートクラウドと日立様が運用管理するマネージドクラウド、Microsoft® Azure™の適材適所における活用がより一層広がるものと期待しております。日本マイクロソフトは今後も日立と連携し、お客様に最適なクラウドソリューションを提供してまいります。

株式会社NTTデータイントラマート 代表取締役社長 中山 義人

  日立製作所様による新たなクラウド基盤開発の推進と製品・サービス群の体系化について、心より歓迎いたします。弊社のシステム基盤製品「intra-mart Accel Platform」は、お客様のニーズに柔軟にお応えするための各種機能を取り揃えています。この弊社製品と日立製作所様のクラウド基盤との組合せによって、お客様のビジネス促進・拡大を加速させるサービスをご提供できるものと期待しております。今後も日立製作所様との協業を強化し、国内のみならず国外市場においても画期的かつ最適なサービスを共にご提供するべく、一層注力してまいります。

米国レッドハット社 クラウド・マネージメント製品事業部長 General Manager Joe Fitzgerald

  レッドハットは、日立の「新たなクラウド戦略プロジェクト」の立ち上げを歓迎します。レッドハットはRed Hat® Enterprise Linux®、Red Hat® JBoss® Middleware、Red Hat® Enterprise Linux® Open Stack Platform、及び統合クラウド管理のRed Hat® CloudForms®等を活用したインテグレーション分野で日立と連携した事業を行っておりました。今回立ち上げるプロジェクトにおいてはクラウド分野における日立との連携を進めることとなります。今まで以上に強固な連携体制を構築し、日立のクラウド事業を通してお客様の事業拡大に貢献できることを期待しています。

Sansan株式会社 代表取締役社長 寺田 親弘

  Sansan株式会社は日立の「新たなクラウド基盤を開発する戦略プロジェクト」の発足を歓迎します。今回のプロジェクトによって生まれた商品・サービスが、企業のクラウドに対する多様化・高度化するニーズに対応されることを期待します。Sansanは、日立とのパートナーシップをさらに強化し、名刺管理クラウドサービスをグローバルに提供して参ります。

ベライゾンジャパン合同会社 執行役員 社長 平手 智行

  弊社は、日立様の「フェデレーテッドクラウド」はお客様の業務課題解決に最適なソリューションと考えており、日本でのクラウドサービスの活用を一層牽引するものと確信しております。ベライゾンは国内外世界規模で日立様と連携し、お客様に最適なITソリューションを提供して参ります。

ウイングアーク1st株式会社 代表取締役社長CEO 内野 弘幸

  グローバル規模で技術を牽引してきた日立による、ビジネス変革を促すイノベーティブな新しい取組み「Hitachi Cloud」に積極的に賛同します。ウイングアークが提供するクラウド型BIダッシュボード「MotionBoard」は、社外での活動が多い営業やフィールドサービス部門における情報活用を支援しています。日立の知見と技術を統合した、システム基盤としてのクラウド事業において、ビッグデータ、情報活用などにみる、Cloud×BIの親和性のよさをはじめ、モバイルなどにも最適化された利便性のよい総合的なクラウドサービスを提供できます。これまでのビジネススタイルが変革され、IT活用のスピードや利便性が飛躍的に向上できるものと期待しています。

関連情報

商標注記

  • 記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 情報・通信システム社 クラウドサービス事業部
〒140-0013 東京都品川区南大井六丁目26番3号(大森ベルポートD館)

以上

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