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2013年5月30日
株式会社日立製作所
学校法人慶應義塾

バンダイのブロック玩具「BlockLabo ビークルブロックシリーズ」の開発に協力

-脳科学をモノづくりに活用-

  株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西 宏明/以下、日立) と学校法人慶應義塾(塾長:清家 篤/以下、慶大)は、脳科学をモノづくりに活用する取り組みの一環として、株式会社バンダイ(代表取締役社長:上野 和典/以下、バンダイ)が販売するブロック玩具「BlockLabo(ブロックラボ)ビークルブロックシリーズ」の開発に協力しました。

  「BlockLabo(ブロックラボ)」は、脳科学の知見に基づいたブロック玩具として2011年4月に発売しました。子どもの成長に合わせた玩具開発をめざすバンダイと、これまで培った脳科学をモノづくりに活用する取り組みを進めている日立との共同プロジェクトで得られた知見を活用しています。バンダイが「BlockLabo」の商品化と販売を担当し、日立は脳科学に基づいて、乗り物をモチーフにした玩具において形状や模様の有無などによる組み立てやすさについて検証を担当しました。

  今回、日立では、3歳から6歳未満の子ども約80人を対象に、作品例を模倣して組み立てるという行程において、作品例と同じ形状を最後まで組み立てられる子どもが何人いるかという「達成率」と、子どもがブロックの組み立てにかかった「所要時間」を検証し、形状や模様の有無などによる比較を行いました。

  その結果、形状や模様の有無に応じて、成長段階によって組み立て能力に差があることが明らかになりました。例えば、「(1) 3歳から4歳未満の子どもがビークルブロックで作る新幹線の達成率が20%から50%未満だったのに対して、4歳から6歳未満の子どもは、80%以上の達成率になる」ことがわかりました。また、「(2) 3歳から4歳未満の子どもがビークルブロックで作るパトカーの達成率が20%から50%未満だったのに対して、4歳から6歳未満の子どもは、50%から80%未満の達成率になる」ことがわかりました。さらに、 「(3) 3歳から6歳未満の子どもが、新幹線・パトカーという同じモチーフの玩具のカテゴリーで、ビークルブロック、一般的なブロック、ミニカー・鉄道車両の模型を同じ時間遊んだ後でもう一度遊ばせた結果、達成率に関わらず多くの子どもがビークルブロックを選び、長く遊ぶ」ことがわかりました。

  また、建築物の作品例の達成率を比較したところ、「(4) 3歳から4歳未満の子どもが作る建築物の達成率が50%から80%未満だったのに対して、4歳から6歳未満の子どもは、80%以上の達成率になる」ことがわかりました。この建築物においては、模様の有無による組み立て時間の比較についても検証を行ったところ、模様がある建築物は、子どもの年齢が4歳を過ぎてから組み立て時間が短くなることが今回の検証でわかり、子どもの組み立て能力が成長に伴い発達していることがわかりました。さらに、この年代の子どもは少し難しい玩具を選ぶことがわかってきました。尚、今回の検証は、慶大 論理と感性のグローバル研究センター「赤ちゃんラボ」との共同で研究し、調査には株式会社サクセスアカデミーの協力を得ました。

  このように、子供が成長するにつれてブロックの遊び方も進化していくと考えられます。バンダイでは、この検証結果をもとに、子供の成長に応じた遊び方を「BlockLaboビークルブロックシリーズ」に盛り込んでいます。

  脳科学では、人間の脳機能の理解を目的として、脳を計測する神経科学分野だけではなく、内外の刺激に対する行動的反応から精神や認知機能を解明する心理学や認知科学的手法などを活用しています。今回、日立は、子どもが発達に応じたブロック遊びを脳科学でよく使われる認知科学的手法を用いて検証しました。

  日立では脳科学をモノづくりに活用する取り組みに関しては2009年12月1日に発表しましたように、検証結果を適切に表現するプロセスとして第三者の専門家が参画したBrain Science審査会を設け、さらにその審査結果の表現を適切に活用している証としてBrain Scienceマークを付与しています。今回のビークルブロックにも、Brain Scienceマークを付与しています。

  日立は引き続き慶大と提携研究を進めていくほか、さまざまな分野にてパートナー企業との連携を図り、脳科学をモノづくりに活用を進めていきます。

商標について

  • 「BlockLabo」は、株式会社バンダイの登録商標です。
  • Brain Scienceマークは、株式会社日立製作所の登録商標です。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 社会イノベーション・プロジェクト本部 ソリューション推進本部 新事業開発本部
人間指向ビジネスユニット [担当:吉村]
〒101-8608 東京都千代田区外神田一丁目18番13号
TEL : 03-4564-9668 (直通)

慶應義塾大学 文学部 准教授 皆川泰代、助教 大森貴秀
論理と感性のグローバル研究センター「慶應義塾大学赤ちゃんラボ」
〒108-0073 東京都港区三田三丁目2番15号
TEL : 03-3769-0295 (直通)

以上

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