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2012年11月27日

国を跨る生産工場や保管拠点などの最適な配置を決定する
グローバルサプライチェーンのトータルコスト算出技術を開発

製造ラインの構成や特恵関税率を考慮可能に

  株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西 宏明/以下、日立)は、株式会社日立物流(執行役社長 : 鈴木 登夫)の協力のもと、グローバル企業のサプライチェーンを最小コストで実現するため、調達先、生産工場、保管倉庫などの拠点配置の最適化技術を開発しました。開発技術は、製品の種類、生産コスト、リードタイム、製造ラインの原価償却などサプライチェーンを構成する際に発生する様々なコスト要因を考慮して、国内外拠点の配置によるトータルコストの変動を算出します。この技術は、工場の製造ラインの構成や優遇制度を前提とした関税率(特恵関税率*1)なども考慮できるという特長があり、グローバル企業においてサプライチェーン構成を決定する際のトータルコスト評価に適用できます。

  近年、グローバル企業では、サプライチェーンにおけるコスト削減に向け、生産工場や保管倉庫などの拠点配置や物流経路の最適化が重要な経営課題となっています。従来、拠点配置の検討の際には、人件費や輸送費、工場の固定費といった特定の条件を対象にトータルコストを評価できる設計ツールを利用して配置の選定を行ってきました。しかし、今後一層のコスト低減を図るには、原料調達や生産、輸送にかかるリードタイムをはじめ、工場の敷地面積や生産能力、製品の輸送経路やコンテナサイズ、工場などが置かれた多国間の為替など、様々な条件(パラメータ)を基に、サプライチェーン構成全体に関わるコストが最小となるような拠点配置を見出すことが必要です。さらには、稼働率の高い製造ラインを構成して固定費を削減することや、自国への投資促進の目的で導入されている特恵関税率をパラメータとして用い、配置を選定することも求められています。しかし、このような多岐にわたるパラメータに基づく評価を行った上で最適な拠点配置を設計するためには、計算時間の短縮が大きな課題となっていました。
  そこで日立は、トータルコストの評価技術に新たなモデルを導入し、独自に開発した計算アルゴリズムを適用しました。今回開発した拠点配置の最適化技術は、拠点配置のための様々なパラメータに加え、工場内の製造ラインの構成や特恵関税率を含めて設定することができ、サプライチェーンにおけるトータルコストの評価が可能です*2。拠点配置の最適化技術の特長は以下の通りです。

開発技術の特長

  工場の敷地面積に対する製造ラインの割り付けに、パッキングモデル*3を導入しました。このモデルに、今回新たに開発した計算アルゴリズムを適用することにより、無数にある製造ラインの構成パターンの中から、製品を多く生産し、設置面積や費用を小さくするといった観点から、最適な製造ライン構成パターンを短時間で見出すことが可能となりました。

  日立は、今回開発した拠点配置の最適化技術をもとに、グローバル展開する企業のサプライチェーンマネジメントソリューションを提供していきます。

*1
経済連携協定に基づいてある特定の国や地域に対して適用する,他の国に適用するよりも低い関税率のこと。
*2
適用可能なパラメータの一部については、2012年11月17日から大阪で開催された日本経営工学会秋季研究大会にて発表しています。
*3
食料品の袋詰めを模擬したもので、容量が一定の袋の中に、容量の範囲内で詰め込み可能な食料品の種類を求めることのできる数式モデル。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 横浜研究所 企画室 [担当 : 吉田]
〒244-0817 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地
電話 045-860-3092(直通)

以上

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