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2012年4月26日

クラウドを活用した「環境情報見える化」の
実証実験を「日立ITエコ実験村」で開始

センサーで取得した温度、湿度をリアルタイムで情報共有

  株式会社日立製作所(執行役社長:中西 宏明/以下、日立)は、このたび、クラウドを活用した「環境情報見える化」の実証実験を、神奈川県秦野市に設置した生態系の保全にITがどのように役立つかを検証する施設「日立ITエコ実験村」において、2012年5月9日から2013年3月31日まで実施します。具体的には、センサーで取得した「日立ITエコ実験村」内の複数のポイントの温度や湿度といったさまざまな環境情報を、ネットワークを介してクラウドサーバへ格納してWebをはじめとした環境関連のシステムで共有できるようにするものです。これにより、「環境情報見える化システム」の実現をめざします。

  今回の実証実験のシステムは、無線センサで温度や湿度などの情報を収集してネットワーク上で統合的に管理することができる日立センサネットシステム「AirSenseII」を、株式会社日立ソリューションズ(取締役社長:林 雅博/以下、日立ソリューションズ)が提供するユビキタス機器向けリモート制御環境「SuperJ Engine Framework」を活用して制御し、取得した「日立ITエコ実験村」の温度や湿度、地温、水温といった環境情報データを、日立のクラウドソリューション「Harmonious Cloud」のラインアップのひとつである日立ソリューションズの「SecureOnline統制IT基盤提供サービス」のクラウドサーバへ自動的に格納し、Web上で表示するというものです。本システムを活用することで、人為的な操作を必要とせず、リアルタイムでの環境情報データを容易に得ることができます。
  なお、この環境情報データは、「日立ITエコ実験村」に関わる近隣や自治体などの関係者、大学の研究者などへ提供します。

  「日立ITエコ実験村」では、開設当初から、スマートフォンで生物観測結果を位置情報をともに入力できる日立ソリューションズの「GeoPDF」をはじめ、近赤外線技術と長時間記録装置により24時間生き物の定期観測を行っています。これらにより得ている農作物の生育状況や生き物の生息、成長状況などの情報と、今回の実証実験で得られる環境情報データとを照合し、環境の変化が「日立ITエコ実験村」における生態系にどのような影響や変化があるかといったことを確認します。これらにより、「環境情報見える化」による環境データと生態系と生物多様性の保全への関わりを検証していきます。また、今回の実証実験で得たノウハウを活用し、IT機器を用いた環境モニタリングなどを提供するモニタリングキットとしてのソリューションなどで農業へのIT活用の検討などを進めて行きます。

  なお、本実験については、5月9日から11日に東京ビッグサイトにて開催される「クラウドEXPO」日立ブースにて参考出展として紹介します。

「環境情報見える化システム」実証実験の概要

(1)実験開始日:
2012年(平成24年)5月9日から2013年(平成25年)3月31日まで
(2)実施場所:
神奈川県秦野市 株式会社日立製作所 「日立ITエコ実験村」内
(3)見える化Webサイト:
(4)実施目的:
環境情報データを関係者で共有し、農作物や生き物の生息、成長状況情報などと合わせ、「日立ITエコ実験村」における生態系が人の手入れによりどのように変化するか、検証を行います。また、「環境情報見える化システム」が、生態系保全、環境・農業分野へ適用可能であることを実験にて実証します。

実証実験概要図

[図]実証実験概要図

「日立ITエコ実験村」について

  「日立ITエコ実験村」はITを生態系と生物多様性の保全活動に用い、生態系の保全にITがどのように役立つのかを実証・検討する検証施設として、日立が神奈川県秦野市に2011年4月に開設したものです。

  「日立ITエコ実験村」は、休耕田、竹林・山林からなる約7,000m2の広さを持つ区域で、IT機器を用いて、環境情報の収集や生態系の観察をするほか、休耕田の再生やビオトープ作りなどの自然再生活動に加え、IT機器を活用した生態系の「見える化」の実験を行っています。具体的には、生物に関する情報収集のためのデータ統合システムや実験棟を構築して、日立センサネットシステム「AirSenseII」を用いて温度・湿度など環境情報を取得するほか、スマートフォンを活用して現場での生物観測コメントや撮影画像を位置情報付きでPDF上に入力できる「GeoPDF」、そして赤外線センサーにより、夜間でも動物の動画撮影が行える近赤外線センサーにより、夜間でも動物の動画撮影が行える記録装置を用いた生き物の定期観測を行っています。

  秦野市は、希少な、または貴重な野生の生き物が成育、または生息している谷戸田や湧水地を「生き物の里」として指定しており、「日立ITエコ実験村」はその第5号として、2011年4月に企業が運営する土地としては初めて指定されました。
秦野市からも、ITがどのように環境保全へ役立っていくのか注目いただいており、今後、その地域の特性に合わせた、その地域に生息する生物が住みやすいような整備手法を検討し確立していく中でデータを活用したいと期待されています。

  日立は、東海大学教養学部人間環境学科自然環境課程藤吉研究室ならびに北野研究室と共同で「日立ITエコ実験村」に生存する「ニホンリス」「ニホンアナグマ」などの陸生生物、「ホトケドジョウ」「トンボ類」などの水生生物がどの程度生息しているか、またはどの時期に現れるのかを明らかにするフィールド調査を行っており、休耕田の再生や植林など里山の再生により、生態系がどのように変化していくか、生態系保全指標の試みなどを検証しています。

  また日立は、秦野市役所、地元自治会や地権者、NPO法人(ちむれ里の会)やボランティア団体「千村ネイチャー倶楽部」などと「生き物の里(千村)管理運営協議会」を結成し、「日立ITエコ実験村」の管理・運営をしながら、近郊の東海大学の各研究室や地元の幼稚園に田植え体験、生き物観察会を開催するなど、「日立ITエコ実験村」のフィールドを学習、自然と触れ合う場として提供しています。

関連情報

  • GeoPDFは、TerraGo社の登録商標です。
  • その他、記載の会社名、商品名は、各社の商標または登録商標です。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 情報・通信システム社 環境推進本部 環境推進センタ [担当:西本]
〒140-8572 東京都品川区南大井六丁目27番18号 日立大森第二別館
TEL : 03-5471-2745(ダイヤルイン)

以上

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