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2012年2月21日
セント・ジュード小児研究病院
株式会社日立製作所

米国セント・ジュード小児研究病院が、
日立の陽子線がん治療システムを採用

  米国の小児病院であるセント・ジュード小児研究病院(St. Jude Children's Research Hospital/CEO : William Evans, PharmD(ウィリアム・エバンス))と株式会社日立製作所(執行役社長 : 中西 宏明/以下、日立)は、このたび、日立が陽子線治療システムをセント・ジュード小児研究病院に提供することで合意しました。日立は、テネシー州メンフィス市の同病院施設内に、スポットスキャニング照射技術を適用したビーム走査方式の陽子線治療システムを納入します。また今回の契約には10年間のメンテナンスも含まれています。今回納入される施設は、回転用ガントリ照射装置の治療室が2室、固定照射装置の治療室が1室あり、全3室にスポットスキャニング照射技術を応用した陽子線治療システムが設置されます。施設の建築工事は、既に開始されており、2015年秋からセント・ジュード小児研究病院の新しい施設として治療を開始する予定です。

  セント・ジュード小児研究病院のCEOであるDr. ウィリアム・エバンスは、「この技術を導入にすることにより、我々の施設は全米初の脳腫瘍をはじめとした小児がん専用の陽子線治療施設となります。現在、小児がんなどの治療を必要とする患者は、他の医療機関の協力を得て治療を行っており、今回、セント・ジュードに本技術が導入されることで、新たなレベルの治療とサービスを患者に提供できるようになると確信しています。さらに、陽子線治療技術の最先端技術と、我々の最新の研究プログラムとを組合せることができることは、大きな利点でもあります。」と述べています。

  日立の執行役常務 電力システム社社長である石塚達郎は、「今回、当社の技術力が評価され、セント・ジュード小児研究病院に陽子線治療システムを採用していただけることは名誉なことです。当社は陽子線治療システムを開発し、20年以上にわたり研究、改良を重ねてきました。加速器やスポットスキャニング照射技術などの専門技術は、陽子線治療システムの中核となる技術です。当社は、ヘルスケア事業を含む社会イノベーション事業に注力しており、さらにグローバルに事業を展開することで、最先端の放射線医療、がん治療の普及に貢献していきたいと考えています。」と述べています。

  陽子線治療は、放射線によるがん治療法のひとつであり、成人だけでなく小児に対しても適用されています。水素の原子核である陽子を加速器で高速に加速し、がん細胞に集中して照射することで、がんを治療するものです。治療に伴う痛みがほとんどなく、身体の機能と形態を損ないにくいため、治療と社会生活の両立が可能であり、生活の質(QOL : Quality Of Life)を維持しつつ、がんを治療できる先端的な治療法として注目されています。多くの場合、治療期間中も、大人も子供も通常の生活を送ることができます。

  セント・ジュードに納められるスポットスキャニング照射技術は、均一な品質を保った陽子ビームを取り出す技術と、陽子ビームを高い精度で制御する技術を発展させることで可能になったもので、(1)従来方式の二重散乱体方式*1と比較して複雑な形状のがんにも精度よく陽子線を照射することができ、周囲の正常な細胞への影響を抑えることが可能、(2)患者ごとに準備が必要であった装置(患者コリメータ*2、ボーラス*3)が不要、(3)陽子ビームの利用効率が高く不要な放射線の発生が少ないなどの特長を備えています。

  米国では1990年代から陽子線治療システムの普及が進み、2000年以降も需要の拡大が続いており、今後、さらに多くの病院やがん治療施設が陽子線治療システムの新規設置を検討しています。

  日立はこれまで、2007年12月に、スポットスキャニング照射技術を適用した陽子線治療システムとしては世界で初めて米国の510(k)クリアランスを取得し、さらに、2008年5月には、世界最大級のがん専門病院である米国テキサス大学のMDアンダーソンがんセンターに、一般病院としては世界で初めて同技術を採用したシステムを納入し、高い評価を得ています。

セント・ジュード小児研究病院(St Jude Children's Research Hospital)について

開業以来50年、セント・ジュード小児研究病院は小児がんや難病治療の世界に変革をもたらしてきました。セント・ジュードでは治療費用を受取らず、数千人の子供の命を救ってきました。アメリカでの小児がんの生存率は20%から80%に向上したが、本病院はその中心的な役割を担ってきました。また、小児病院として唯一米国国立がん研究所(NCI)に推奨されており、世界的にも子供の難病の治療と研究における第一級の施設として認められています。血液疾患や感染症の分野でも研究治療の先端を走っています。セント・ジュードは「未来のある子供たちが人生の夜明けを前に死んではいけない」と考えるエンタティナーの故ダニー・トーマスの寄付で設立されました。そのミッションは以下でご覧になれます。

*1
二重散乱体方式 : 陽子線の細いビームを二つの散乱体を通過させ、拡散させることで、陽子ビームの直径を拡大する。拡大された陽子ビームは、患者コリメータやボーラスを通して、がんの形状に成形される。
*2
患者コリメータ : 真ちゅう等の厚板をがんの輪郭に合わせて中を切り取ったもの。これによって、がんの形状に合わせて陽子ビームを成形することができる。
*3
ボーラス : ポリエチレン等のブロックをがんの奥行きの形に合わせて中をくり抜いたもの。これによって、患部より奥に陽子ビームが届かないように設定することができる。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 電力システム社 放射線治療推進本部 [担当 : 西村、渕上]
〒100-8608 東京都千代田区外神田一丁目18番13号
電話 03-4564-3565 (直通)

以上

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