本文へジャンプ

Hitachi

このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新のお問い合わせ先は、お問い合わせ一覧をご覧下さい。

2009年7月30日

日立グループ環境経営の推進について

2008年度国内CO2排出量14%削減、輸送エネルギー原単位10.5%削減
-「日立グループ環境報告書2009」を発行-

  日立グループは、このたび、グローバルな環境課題に対する経営姿勢と環境への取り組み実績を詳しく紹介するために、CSR報告書と別冊化した「日立グループ環境報告書2009」を7月31日に発行し、日立グループの環境経営の推進状況について報告します。2008年度においては、国内のCO2排出量は前年度比259kt減の2,844ktとなり、1990年度比では14%削減し、2年前倒しで目標(2010年度のCO2排出量を1990年度比12%削減)を達成しました。また、製品輸送では、積載効率の向上やモーダルシフトを推進することで、実質生産高輸送エネルギー原単位*1を前年度比で1%、2006年度比で10.5%削減しました。

  日立グループは、「情報通信システムと電力・電機システムの融合」、「真のグローバル企業への変容」、「環境ビジネスの拡大」という3つの観点から、高信頼・高効率な情報通信技術に支えられた社会インフラを構築する「社会イノベーション事業」を強化することで、より安定した収益基盤の確立をめざしています。
  こうした社会イノベーション事業の強化を通じ、地球環境を保全しながら持続可能な社会を実現していくために、日立グループは、長期計画「環境ビジョン2025」を策定しています。同計画では、2025年度までに「製品を通じて年間1億トンのCO2排出抑制に貢献すること」を目標に掲げ、発電などのエネルギー供給分野で7,000万トン、産業、交通・生活などのエネルギー消費分野で3,000万トン(産業分野2,000万トン、交通・生活分野1,000万トン)のCO2排出量を抑制する計画です。
  今後、日立グループでは、この計画を達成していくために、高信頼・高品質な技術に裏づけされた環境ビジネスを推進していきます。具体的には、高効率な石炭火力発電事業や原子力発電事業、それに伴う保守・サービス事業の拡充を、また蓄電やスマートグリッド*2などの技術を生かした再生可能エネルギー事業の拡大を図ります。さらに環境負荷を低減するハイブリッド鉄道やハイブリッド自動車システム、物流システムなどの「グリーン・モビリティ」および環境配慮型データセンタ事業などをグローバルに展開していきます。あわせて、こうしたシステムを支える産業向け高効率インバータや変圧器、産業・自動車用リチウムイオン電池などのキーデバイスの強化や、家電製品の省エネルギー化などの推進により、グローバルな環境価値の創造を追求していきます。

  2008年度、日立グループはCO2排出量削減の取り組みを強化するため、2010年度におけるグループの国内事業所全体でのCO2排出量削減目標を、これまでの1990年度比7%削減から、12%削減に引き上げました。また、輸送エネルギー原単位削減目標を、2006年度比4%削減から11%削減に引き上げました。
  CO2排出量の削減では、環境負荷の低減を目的とした投資約102億円のうち、省エネのために77億円を投資し、日立グループ全体のCO2排出量の約60%以上を占める素材・材料分野を中心に燃料転換を計画的に推進すると同時に、各事業所での省エネ施策を実施しました。この結果、CO2排出量を50kt削減しています。例えば、日立電線株式会社(執行役社長:今井 光雄)の高砂工場(茨城県日立市)では、PLC*3を使用することで、負荷変動に応じた空調の自動制御が可能なシステムを独自に開発し、クリーンルームの年間CO2排出量を、改善前の3割にあたる約800t削減しました。また、製品輸送においては、積載効率の向上を図るとともに鉄道輸送などへのモーダルシフトを推進しました。この結果、実質生産高輸送エネルギー原単位を2006年度比10.5%削減しています。例えば、原子力発電所で使用する配管などを、ブロックモジュール化して搬送することで、輸送時の年間CO2排出量を約38t削減しています。

  日立グループでは、今後も、「地球温暖化の防止」「資源の循環的な利用」「生態系の保全」を重要な3つの柱とする環境ビジョンに基づき、製品の全ライフサイクルにおける環境負荷低減をめざしたグローバルなモノづくりを推進し、持続可能な社会の実現をめざします。

「日立グループ環境報告書2009」の主な内容

(1) 製品を通じたCO2排出抑制目標の達成計画を具体化

  日立グループは、長期計画「環境ビジョン2025」で、2025年度までに「製品を通じて年間1億トンのCO2排出抑制に貢献すること」を目標に掲げています。この目標を達成するために、発電などのエネルギー供給分野で7,000万トン、産業、交通・生活などのエネルギー消費分野で3,000万トン(産業分野2,000万トン、交通・生活分野1,000万トン)のCO2排出量を抑制する計画です。具体的には、発電分野では、石炭火力発電の効率向上や原子力発電の建設、それに伴う保守・サービスの拡充、蓄電やスマートグリッドなどの技術を生かした再生可能エネルギーの普及拡大を図ります。産業分野では、高効率のインバータや 変圧器の提供、データセンタの省電力化などに注力し、交通・生活分野では、産業・自動車用リチウムイオン電池の開発や家電製品の省エネルギー化などを推進します。

(2) 環境適合製品の拡大

  環境適合製品とは、製品ライフサイクルの各段階における環境負荷を省エネルギー性や再生資源化などの8項目で5段階評価*4し、すべての項目がフルモデルチェンジ前の機種と同等であるレベル2以上、かつ8項目の平均がレベル3以上に達する環境に配慮した製品です。2008年度は、環境適合製品の製品数が、前年度から46製品745機種増加し、1,103製品6,961機種、売上高比率は前年度比9%増の47%となりました。この環境適合製品による2008年度の製品使用時のエネルギー消費削減量は、約10億kWh*5となりました。2010年度は、環境適合製品の売上高比率を50%にし、2025年度にはあらゆる製品を環境適合製品にすることを目標にしています。

(3) 製品含有化学物質の管理

  2008年度は、欧州の化学品規制法であるREACH規則*6に対応し、管理物質の整備や業務手順の策定を行いました。さらに、社内の製品含有化学物質一元管理システムを、サプライチェーン全体にわたり含有化学物質に関する情報を伝達できる情報基盤として拡充し、2009年1月から情報流通の実験を開始しています。

(4) CO2排出量の削減

  2008年度は、77億円の省エネ投資を行い、燃料転換の計画的な推進や各事業所での省エネ施策を実施し、国内のCO2排出量を50kt削減しました。日立グループの国内事業所全体のCO2排出量は、前年度比259kt減少し、1990年度比14%(目標7%)削減しました。海外では、新工場の建設などにより、CO2排出量は前年度比97kt増加しましたが、生産高CO2原単位を2003年度比3.3%(目標3%)削減しました。また、製品輸送では、積載効率の向上やモーダルシフトを推進し、実質生産高輸送エネルギー原単位を2006年度比10.5%(目標2%)削減しました。

(5) 資源の有効利用

  2008年度は、廃棄物(有価物を含む)の発生抑制を推進し、生産工程の改善や工程内リサイクル化などにより、日立グループの国内・海外事業所全体での廃棄物の総発生量を2000年度比16%削減しました。さらに国内では、LCA*7の観点を取り入れて環境負荷をより抑えた3R*8の推進を評価する指標「資源循環率」を適用しています。2008年度は、資源循環率を2005年度比11%(目標8%)向上させています。

(6) VOC排出量の削減

  2008年度は、国内のVOC*9排出量は前年度比1.3kt減の4.0ktとなり、排ガス処理設備の導入や塗装材料の転換を進めることで、2000年度比62%(目標44%)削減しました。海外事業所では、VOC使用量に対する排出量の割合を指標として、2005年度比24%(目標6%)削減しました。

  なお、CSR活動については、日立グループCSR報告書ダイジェストの発行および詳細の活動報告にあたるCSR報告書(WEBサイトで電子情報として開示)により報告しています。

*1
実質生産高輸送エネルギー原単位 : 省エネ法で定義された輸送の原油換算エネルギー量(kl)を実質生産高で割ったもの。
実質生産高=生産高÷日銀国内企業物価指数2003年度を1とした時の比率。
*2
スマートグリッド : 電力インフラ技術と情報・通信インフラ技術を融合し、集中型大容量電源と新エネルギーなどの分散電源を共存させ、従来の供給 信頼性を維持しながら高効率に電力供給を行う電力流通システム。
*3
PLC(Programmable Logic Controller) : パソコンや専用の入力装置を利用して、制御内容をあらかじめプログラムによって表現し、これを逐次実行 することによりシーケンス制御を行う装置。
*4
5段階評価レベルの基準 : レベル1=従来レベルより劣化、レベル2=従来と同等、レベル3=従来より改善、レベル4=行動目標達成、レベル5=業界トップクラス。
*5
フルモデルチェンジ前の製品と当該環境適合製品との比較による。
*6
REACH(Registration, Evaluation, Authorization of Chemicals)規則 : EU規則「化学物質の登録、評価、認可および制限に関する規則」
*7
LCA(Life Cycle Assessment) : ある製品が製造、使用、廃棄あるいは再使用されるまでのすべての段階を通じて、環境にどんな影響を与えるかを 評価する方法。
*8
3R(Reduce Reuse Recycle) : 廃棄物の発生抑制・再使用・再資源化。
*9
VOC(Volatile Organic Compounds) : 揮発性有機化合物。

プレゼンテーション資料

「日立グループ環境報告書2009」

関連情報

日立グループの環境への取り組みに関する詳細は下記ホームページをご覧ください。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 地球環境戦略室 環境企画センタ [担当:田島]
〒100-8220 東京都千代田区丸の内1-6-1
TEL : 03-4235-5811 (直通)

以上

Adobe Readerのダウンロード
PDF形式のファイルをご覧になるには、Adobe Systems Incorporated (アドビシステムズ社)のAdobe® Reader®が必要です。