本文へジャンプ

Hitachi

このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新のお問い合わせ先は、お問い合わせ一覧をご覧下さい。

2009年2月18日

屋内での測位を実現するGPS送信機の組み込み型モジュールを開発

名刺の半分サイズに小型化し、屋内設備・機器への組み込みが可能に

  株式会社日立製作所(執行役社長:古川 一夫/以下、日立)は、 この度、大型商業施設や地下街など、GPS(全地球測位システム)信号の届きにくい場所でも、GPSによる測位が可能となる、屋内向けGPS送信機の組み込み型モジュールを開発しました。本モジュールは、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA:Japan Aerospace Exploration Agency)によって提案されたIMES方式*に準拠したものです。今回、屋内GPS信号処理方式を改良することで部品点数を削減するとともに、独自に開発した信号変調方式により使用メモリを低減したことで、大幅な小型化(外形寸法6cm×3cm)を実現し、屋内の無線基地局、非常灯、照明器具などへの組み込みが可能になりました。これにより、屋内にGPS送信機を設置することが容易になるため、GPS利用エリアが拡大し、屋外、屋内を問わない携帯電話などを使ったシームレスな位置情報サービス(LBS:Location Based Service)の展開の加速が期待されます。

  2007年4月、総務省省令により、緊急通報時における携帯電話の位置情報通知が開始され、2011年4月には携帯電話の90%をGPS対応として普及させることが目標とされています。これにより、今後もGPS携帯電話を使ったナビゲーション、見守り、モバイル広告などのサービス利用者が増加すると予想されますが、大型商業施設や地下街ではGPS信号が届きにくいため、これらのサービスが利用できませんでした。
  日立は、屋内でのGPSの利用を普及させるために、屋外と同様に屋内でもGPSの利用を可能とする屋内GPS送信機を試作してきました。屋内GPS送信機は、携帯電話のGPS受信機をそのまま使えるようにGPS衛星と同じ形式の電波を送信するもので、エリアを拡大するためには複数台の設置が必要です。このため、屋内GPS送信機を広く普及させるためには、他の機器・装置へ組み込みためのGPS送信機の小型化・モジュール化が求められていました。このような背景から、今回、日立は屋内GPS送信機のモジュール化技術を開発し、大幅な小型化を実現しました。

開発技術の詳細

(1) 屋内GPS信号処理方式の改良による部品点数削減

  一つの発振器から屋内GPS信号のアナログ搬送波と、そのアナログ搬送波を変調して得られるデジタル制御信号の両方を同時に生成することによって、安定した屋内GPS信号を少量の部品点数で生成することが可能になりました。

(2) 独自の屋内GPS信号変調方式による使用メモリ低減

  屋内GPS信号を変調して得られるデジタル化信号の中で、利用頻度の高いデータをあらかじめ作成しておくことで、使用メモリと演算負荷を数千分の一まで低減し、屋内GPS送信機に搭載するメモリ量の削減を実現しました。

  これらの技術によって、外形が6cm×3cmの、名刺の半分以下のサイズを実現しました。これは、当社で従来開発した送信機のモジュール部分と比べ、サイズで約1/20、重さで約1/12、消費電力で約1/30に相当するものです。
  本モジュールにより屋内でのGPS利用エリアが拡大すれば、駅構内での乗り換え案内、店舗前での商品広告、デパートの中での子供の見守り、被災地での被災者位置特定など、屋外、屋内を問わないシームレスな位置情報サービスの展開が加速するものと期待されます。
  今後は、実証実験を通して、本モジュールのさらなる小型軽量化、低消費電力化、機能拡張の検討を図り、製品化を目指します。

[画像]屋内GPS送信モジュール

  • * IMES (Indoor MEssaging System)方式:独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA:Japan Aerospace Exploration Agency)によって仕様が提案されている、屋内においてGPS互換信号を提供する方式。電波法に規定されている「微弱電波」を使用する為、無線局免許不要で設置、運用が可能。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 システム開発研究所 企画室 [担当:塚越]
〒215-0013 神奈川県川崎市麻生区王禅寺1099番地
TEL : 044-959-0325 (直通)

以上

Adobe Readerのダウンロード
PDF形式のファイルをご覧になるには、Adobe Systems Incorporated (アドビシステムズ社)のAdobe® Reader®が必要です。