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2009年2月12日

英国の高速鉄道車両置き換えプロジェクトにおいて
車両製造および保守事業の優先交渉権を獲得

  日立製作所(執行役社長:古川 一夫/以下、日立)は、本日、英国・Barclays Private Equity社*1(以下、Barclays PE社)、英国の大手ゼネコンであるJohn Laing社*2と共同で、英国・運輸省(Department for Transport)から、都市間高速鉄道車両の製造および保守事業に関する優先交渉権を獲得しました。今後、3社の共同出資会社であるAgility Trains社*3が、正式受注に向けた条件の調整を独占的に行っていきます。

  現在英国では、運行開始から30年以上が経過した幹線高速鉄道車両を全面的に置き換えるプロジェクトであるIntercity Express Programme(IEP:都市間高速鉄道車両置き換え計画)が進められており、2013年から2018年末までに、最大で1,400両の車両が新規に導入される計画です。

  日立は、Barclays PE社およびJohn Laing社と共同で設立した特別目的会社「Agility Trains社」を通じて、鉄道の運行事業者に対し、車両をリースで提供する予定です。Agility Trains社は、車両と保守用基地を保有し、運行事業者が必要な車両を、整備した状態で20〜30年間にわたって継続的に提供します。また、Agility Trains社に対する車両および保守の提供は、日立が担当する予定です。

  日立が供給を予定している車両は、電化区間専用車両(電車)、電化/非電化区間共用車両(バイモード車両)*4、非電化区間専用車両からなり、1両の長さは26mです。車両編成は、1編成5両ないしは10両の予定です。さらに、非電化区間用車両には、通常のディーゼルエンジンを利用した電源システムではなく、東日本旅客鉄道株式会社と共同開発し、日本で営業運転実績を有する、リチウムイオン電池とディーゼルエンジンからなるハイブリッドシステム*5を搭載し、環境負荷の低減を図ります。

  日立は英国において、2005年にCTRL-DS線(Channel Tunnel Rail Link-Domestic Service:ドーバー海峡トンネル連絡線)で運行される高速鉄道用車両174両および保守事業を受注し、2009年12月の営業開始に向けて車両の出荷を進めています。今回の優先交渉権の獲得は、各種鉄道車両における日立の長年にわたる実績、日本で営業運転実績のあるハイブリッドシステムの提案などが評価されたものです。

  なお、日立では今回の車両供給にあたって、英国内に組立工場の新設を検討しており、建設地の選定を進めています。本工場は、日本で製造した車両に内装部分を取り付ける工程を担う拠点として、当初は最大200人規模の体制で立ち上げ、将来的には、需要の拡大に応じて、内装部分の組立だけではなく車両の大部分の製造や、保守・改修を行う拠点として拡大させていく計画です。その場合には、人員数を約500人まで拡充していき、30台/月の組立が行える体制とします。また、Agility Trains社として、車両の製造、保守拠点の建設工事、保守業務全体で、約2,500人の現地エンジニアの雇用創出を見込んでいます。

  日立は、Agility Trains社を通じて本件の正式受注の獲得をめざすとともに、英国ならびに欧州大陸への事業拡大を加速していきます。

*1
Barclays Private Equity社:世界4位の英国・バークレーズ銀行傘下の投資会社
*2
John Laing社:英国の公共インフラ設備の投資/建設を主たるビジネスとする建設会社。英国にて橋や病院などのPPP(Public Private Partnership)案件を多数手がけており、本件では車両保守基地の建設を担当
*3
Agility Trains社:IEP応札のために、日立製作所が40%、Barclays Private Equity社が30%、John Laing 社が30%をそれぞれ出資して設立した特別目的会社。
*4
電化/非電化区間共用車両(バイモード車両):片側の先頭車両をディーゼル電源車、もう片側の先頭車両をパンタグラフ搭載車とし、電化区間と非電化区間の双方で使用可能な車両。
*5
ハイブリッドシステム:ディーゼルエンジンで発電した電力で駆動し、減速時に発生するブレーキの回生エネルギーをバッテリーに充電して、走行時の動力源として再利用するシステム

以上

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