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Hitachi

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2008年9月29日

同時に5ヶ所の温度計測が可能な無線センサノードに対応した
センサネット情報システム「日立 AirSense™II」を発売

データセンタやコンビニエンスストアでの温度管理システムの構築が容易に

  株式会社日立製作所(執行役社長:古川 一夫/以下、日立)は、無線センサで温度や湿度、振動などの情報を収集し、ネットワーク上で統合的に管理することができるセンサネット情報システム*1「日立 AirSense™(エア・センス)」シリーズの一つとして、このたび、同時に5ヶ所の温度計測が可能な無線センサ端末(センサノード)を開発し、センサネット情報システム「日立 AirSense™II」として10月1日に発売します。
  本システムを用いることで、きめ細かな温度測定・管理が必要なデータセンタや冷凍・冷蔵庫などでも1つのセンサノードで5ヶ所同時に測定できるなど、少ないセンサノードで多くの場所の温度計測を行うことができます。また、無線を使用していることから端末の設置も容易で、レイアウト変更などにも柔軟に対応することができます。

「日立 AirSense™II」の価格・出荷時期

製品名 価格 出荷開始時期
日立 AirSense™II 参考システム構成、200ヶ所の温度監視
380万円(税込み)
2008年10月1日

参考システム構成

項目 概要 数量
日立AirSense™II
基地局
イーサネットインタフェース
接続台数 64台(中継器とセンサノードの合計)
電源 AC100V〜AC240V
1台
日立AirSense™II
中継器
センサノード接続台数 16台
マルチホップ段数 最大6段
電源 AC100V〜AC240V
2台
日立AirSense™II
センサノード
同時に5ヶ所の温度計測
生活防水、電池駆動
40台
(外部温度センサ4個付き)
日立AirSense™II
AirSense-ware
センサノードの登録、管理
設置位置のマップ表示、
温湿度のグラフ表示
帳票の作成、
異常時のメール通報
1式

  2008年7月に開催された北海道洞爺湖サミットで、「環境・気候変動」への対応が議論されるなど、地球温暖化防止に向けた様々な取り組みが世界各国で行われています。その一つの取り組みとして、空調や冷凍・冷蔵用に使用されるエネルギーの省電力化が注目されています。日立は2007年11月に、主要IT製品の省電力化技術開発を進めるHarmonious Greenプランを策定し、5年間で累計約33万トンのCO2削減をめざしています。さらにHarmonious Greenプランで培ったIT省電力化の技術やノウハウと、空調機、電源設備などの省電力化技術を融合し、5年間でデータセンタの消費電力を最大50%削減するプロジェクトCoolCenter50を推進しています。データセンタの運用においては、 データセンタやサーバ室のエネルギー効率を示す指標の1つとして、PUE*2が利用されており、空調、照明、電力、監視設備を含めたデータセンタ全体の消費電力とサーバ等の消費電力の割合を管理するなど、空調の効率化による省電力化も重要な取り組みとなっています。
  食品工場では、品質の維持管理のためにHACCP*3への対応が必要になってきています。製造・保管工程で、きめ細かな環境データを計測するために、センサネットシステムのような自動監視システムへの期待が高まっています。また、コンビニエンスストアやスーパーマーケットでは、食品の安全性を確保するために、冷凍・冷蔵ショーケースの保存温度を常時監視することが求められています。

  こうした状況を踏まえ、日立は、1つのセンサノードで5ヶ所の温度を同時に測定できるセンサネット情報システム「日立 AirSense™II」を開発しました。「日立 AirSense™」は1つのセンサノードで1ヶ所の温度しか計測できませんでしたが、本システムではセンサノードに新たに4つの温度センサを接続することで、合計5ヶ所の温度計測が可能になりました。このため、少ないセンサノードで、きめ細かな温度計測が可能です。データセンタで使用する際には、例えば、サーバ1台に1つのセンサノードを設置し、付随する5つの温度センサで、サーバ上面、底面、背面、機器内2ヶ所を測定することができます。
  また、「日立 AirSense™II」のセンサノードは防水仕様であることから、冷蔵・冷凍庫など、水がかかる可能性のある場所への設置が可能です。コンビニエンスストア等の冷蔵・冷凍ショーケースは、並べて配置されることが多く、多点計測可能なセンサノードを使用することにより、近くに配置された5つの ショーケースの温度計測を1つのセンサノードで計測することが可能です。また、これらのショーケースは、商品の陳列棚の多い多段型のタイプが多く、各棚に温度センサを設置し、それぞれの棚の温度測定をきめ細かく行う、という使い方もできます。
  本システムは、従来システムと比べ、設置するセンサノード数を大幅に削減できることから、システム構築費の大幅な低減が可能になるなど、無線温度センサネットの構築を今まで以上に容易にするシステムです。

*1
センサネット情報システム:センサ、無線通信機能、駆動電源を備えたセンサノードと呼ばれる小型端末によって、モノや人、環境などの状態を計測し、それらをネットワークで結ぶシステム。本システムと各種センサ搭載したセンサノードを利用することにより、人の有無や、照度・温度・湿度・加速度・振動といった環境の状態を常に計測することが可能となる。
*2
PUE:Power Usage Effectivenessの略で、データセンタ全体の消費電力(空調、照明、電力、監視等の設備とサーバ等のIT機器の消費電力の合計)を,サーバなどのIT機器の消費電力で割った値。米国の環境保護庁(EPA)やデータセンタの省電力化推進業界団体「The Green Grid」が推奨している指標で、当社のほか、さまざまなITベンダーが採用している。
*3
HACCP:Hazard Analysis Critical Control Pointの略で、総合衛生管理製造過程と呼ばれる衛生管理システム。原料から製造工程のすべてにわたり、危害を予測、分析、防止し、不良製品の出荷を未然に防ぐことができるシステム。

「日立 AirSense™II」センサノードの仕様

項目  
サイズ、重量 W69mm×H69mm×D34mm(取り付け部分を除く)、100g(電池を含む)
通信規格、無線周波数 2.4GHz、IEEE802.15.4準拠、マルチホップ無線通信
通信距離 屋外(見通しの良い場所)で150m、屋内で30〜45m
生活防水 防滴形
搭載センサ 内蔵温湿度センサ1個、外部温度センサ4個
(外部温度センサはケーブル2m/3m付き)
外部インタフェース 4-20mA、IOポート、12ビットAD変換器
電池、電池寿命 リチウム電池 CR123A
1分周期の計測時 1年、10分周期の計測時 4年(無線環境により変動)
主な適用用途 データセンタ:データセンタの温度管理、省エネ制御
スーパーマーケット、コンビニエンスストア:冷凍・冷蔵食品の温度管理
食品・薬品製造ライン:温度管理工場:温度管理、省エネ制御

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 ワイヤレスインフォベンチャーカンパニー [担当:羽生]
〒101-8608 東京都千代田区外神田一丁目18番13号
TEL : 03-4564-4376 (代表)

以上

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