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2005年9月28日

世界で初めて半導体検出器を用いた
ポジトロン断層撮影(PET)技術を実用化

北海道大学と共同で動物試験を実施し、3mm以下の腫瘍撮像に成功

 

  日立製作所電力・電機開発研究所(所長:池口 隆/以下、日立)は、直接変換型で高精度画像が得られる、世界初の半導体検出器を使用したポジトロン断層撮影(Positron Emission Tomography/以下、PET)技術を実用化しました。北海道大学と共同で実施した動物試験では、3mmの腫瘍撮像に成功しています。今回開発した半導体検出器型PETの試験装置は、微細な半導体検出器を多段に配置し、ガンマ線を直接電気信号に変換するとともに、専用の半導体集積回路を用いて高速に信号処理することで、ガンマ線のエネルギー分解能6%以下、画像の空間分解能3mm以下という画期的な高精度計測を実現しました。これにより、従来のPET装置では困難であった微小な病巣の発見、定量的な計測等が可能になります。また、本技術は腫瘍や脳、心臓疾患の診断や治療効果判定を可能とする次世代のPET装置の実現に道を拓く技術です。

  がん(悪性腫瘍)は1981年以来死亡原因の第一位であり、日本人の死亡原因の約3割を占めています。また、アルツハイマー病等の脳機能障害は年々増加傾向にあり、新たな社会問題になりつつあります。PETは、ポジトロン(陽電子)を放出する核種を標識した薬剤を体内に投与し、その薬剤ががんや脳、心臓などに集まる様子をからだの外部から断層像で撮影する検査方法です。検査の目的に合わせて薬剤を選ぶことで、がん、脳疾患、心疾患などの診断が可能で、医療機関での需要が高まっています。しかし、従来のPET装置は、体内に投与した薬剤から放出されるガンマ線を、シンチレータと呼ばれる結晶を通して、一旦光に変換してから、光電子増倍管と呼ばれる増幅器で電気信号に変換する間接変換型であるため、ガンマ線のエネルギー分解能、画像の空間分解能に原理的な限界がありました。

  そこで、日立は微細な半導体検出器を用いる方式に着目し、画像の高精度化を目指して開発を進めてきました。開発技術の特長は以下の通りです。

  (1) 半導体検出器を多段に配置し、体内から放出されるガンマ線を直接電気信号に変換することで、斜め方向から入射する信号(ガンマ線)に対しても正確に反応位置の計測が可能。

  (2) 専用の自社製半導体集積回路(ASIC: Application Specific Integrated Circuit)を用いて低ノイズで信号を処理することで、半導体検出器の特長である高いエネルギー分解能を生かし、真の信号の割合を増加させて高コントラストな画像の取得が可能。

  開発した試験装置は半導体検出器モジュールを六角形に配置し、直径100mm程度の被写体を撮像することができます。日立は日立総合病院と共同で基本性能試験を実施するとともに、北海道大学大学院医学研究科病態情報学講座核医学分野の玉木長良教授と共同でファントム試験、およびラットを用いた動物撮像試験を実施しました。動物試験では、円環状の心筋(直径約10mm)の形状を正確に捉える(図1)とともに、3mm程度の微小な腫瘍を捉えることに成功しました(図2)。また、化学療法により、数日で腫瘍がmmオーダーで縮小する経過を観察することに初めて成功しました。

図1 ラット心臓のFDG-PET画像
 
図1 ラット心臓のFDG-PET画像
 
図2 ラット腫瘍のFDG-PET画像
 
図2 ラット腫瘍のFDG-PET画像
 

  従来のPET装置では、5mm以下の腫瘍の検出は困難ですが、今回開発した技術を用いた半導体検出器型PET装置では、エネルギー分解能、空間分解能が飛躍的に向上し、従来のPET装置では困難であった微小な病巣の発見、位置の確定のみならず、血流量、代謝量のより定量的な計測が可能になります。この特長を生かし、腫瘍や脳、心臓疾患のステージング診断、治療計画、治療効果判定、およびフォローアップという次世代のPET装置に求められる重要な役割を担うことが期待されています。

  今後、日立は、本技術開発の成果を高齢化社会で急速に需要の増大が予想される脳疾患診断・脳機能診断分野に生かしていくとともに、将来の分子イメージング、高精度がん診療のニーズを踏まえて製品化を進めていく予定です。

 

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 電力・電機開発研究所 企画室 [担当:成川]
〒319-1221 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号
TEL : 0294-53-3111 (代表)

 
 

以上

 
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