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2005年9月27日

世界ではじめて光信号の強度と位相の3次元観測に成功

光の位相を用いた次世代光通信の実用化に前進

 

  日立製作所中央研究所(所長:福永泰/以下、日立)は、このたび、世界で初めて光信号の強度と位相波形を3次元観測することに成功しました。次世代の光ファイバネットワークでは、光の位相を用いて情報伝送を行う光位相変調や光多値変調などの新しい情報伝送方式が検討されています。しかしながら、光の位相(光の波の時間遅れ)は直接目に見えない量であるため、位相を変調した光波形を完全な形で観測することが不可能であり、波形の良否の判断ができないなど、性能改善の障害となっていました。
本成果は、これらの問題を解決し、次世代の光ネットワークの大容量化や長距離化を一層加速させることが可能な技術です。

  インターネットの急速な発展とADSL*1やFTTH*2などのブロードバンド技術の普及に伴い、基幹系(都市間)およびメトロ系(都市内)光ファイバネットワークの情報伝送量は、今後ますます増大することが見込まれています。従来の光ファイバネットワークでは、光の強弱を用いて情報伝送を行っていましたが、さらなる大容量化や長距離化の要望に対応するため、光の位相を用いて情報伝送を行う光位相変調や、位相と強度を組み合わせた光多値変調など、新しい情報伝送方式が検討されています。

  日立は、2004年9月、多値レベル数で世界最高となる16値の光多値変調を実現する光変調方式を開発しました*3。光位相変調の性能向上や、多値数をさらに増加した高効率な光多値変調の開発には、光信号の持つすべての情報(光強度と光位相)、すなわち光電界を精密に観測する手法を開発する必要があります。これまで、ある一定時刻の位相点の配置を測定する手法は提案されていましたが、波形の時間変化を長時間・精密に観測する技術は開発されていませんでした。

  このような背景から、今回、日立は10ギガビット/秒を越える超高速の光電界波形を精密に測定し、3次元表示する観測技術を開発しました。開発技術は以下の通りです。

 

(1) 光干渉計を用いた精密光電界測定技術

自己ホモダイン光干渉計*4を用いて、測定対象となる光電界波形を、光電界の同相成分と直交成分に分けて同時に測定する技術を開発しました。本技術では、複数回の測定結果を平均化して雑音成分を取り除くことができ、従来にない精密な光電界測定が可能となります。

 

(2) 光電界の3次元表示技術

光多値信号は、光の位相と振幅が同時変調されているため、直感的に波形が分かりにくいという問題がありました。そこで、光電界の同相成分の時間波形と、直交成分の時間波形とを3次元的に合成して表示する技術を開発しました。これによって光多値信号の時間波形を初めて完全に観測することができ、波形の劣化要因の調査や性能改善が容易に行えるようになります。

  日立は本技術を8値および16値の光多値変調信号などに適用し、世界で初めて光電界波形の3次元観測を実証しました。今後、本成果を活用し光ファイバ通信の大容量化を実証するとともに、高効率の光多値変調方式や低コスト・小型の光多値送受信器の開発に取り組みます。
  なお、本成果は2005年9月24日から英国で開催されているヨーロッパ光通信国際会議(European Conference on Optical Communication)「ECOC 2005」で発表する予定です。

 

用語説明

 
 
*1 ADSL
  電話回線を利用した加入者用ブロードバンド通信方式の代表例で、数M〜数十Mビット/秒の高速なデータ伝送を可能にする技術。インターネットへのアクセスやIP電話などに用いられます。国内での加入者数は1000万を越え、広く普及しています。
*2 FTTH
  各家庭まで直接光ファイバを導入する加入者用ブロードバンド通信方式の一つであり、インターネットへのアクセスや画像配信などに用いられます。100Mビット/秒という極めて超高速データ伝送が可能です。国内での加入者数は300万を越えるなど、普及が急速に進んでいます。
*3 発表論文
  Kenro Sekine, Nobuhiko Kikuchi, Shinya Sasaki, Shigenori Hayase and Chie Hasegawa, “Proposal and Demonstration of 10-Gsymbol/sec 16-ary (40 Gbit/s) Optical Modulation / Demodulation Scheme,” paper We3.4.5, European Conference on Optical Communication (ECOC 2004) (2004年9月発表)
*4 光ホモダイン干渉計
  光源から出た光を2つに分けて干渉させる方式を用いた測定器です。
 
開発した光電界波形の観測法の構成(16値波形観察の場合)
 
図1 開発した光電界波形の観測法の構成(16値波形観察の場合)
 
8値光多値信号(10ギガシンボル/秒、30ギガビット/秒)の観測例
 
図2 8値光多値信号(10ギガシンボル/秒、30ギガビット/秒)の観測例
 
16値光多値信号(10ギガシンボル/秒、40ギガビット/秒)の観測例
 
図3 16値光多値信号(10ギガシンボル/秒、40ギガビット/秒)の観測例
 
 

お問い合わせ先

株式会社 日立製作所 中央研究所 企画室 [担当:内田、木下]
〒185-8601 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地
電話 : 042-327-7777 (ダイヤルイン)

 
 

以上

 
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