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2004年9月21日
 

金ナノ粒子の2次元人工格子の電気挙動を解明

欠陥の有無によって電流―電圧特性が線形から非線形に変わることを発見
 
 
 
  日立製作所中央研究所(所長:西野壽一、以下日立)は、このたび、直径2.5ナノメートル(1nmは10億分の1m)の金のナノ粒子を2次元に並べて電流-電圧特性を調べ、(1)金ナノ粒子が整然とならんでいる人工格子*1では、通常の物質と同じオームの法則に従うこと、(2)意図的に欠陥を導入した人工格子では、電流-電圧特性が非線形になることを世界で初めて見出しました。本成果は、将来のトランジスタ、メモリやセンサーを目指す、ナノテクノロジーを利用した新しいエレクトロニクスにおける基礎的な研究成果です。
 
  近年、ナノテクノロジーの進展により、数ナノメートル程度の粒径を有する金属のナノ粒子を化学的に合成する技術や、ナノ粒子を2次元的に配列する技術が開発されています。ナノ粒子列は、電子間に働くクーロン反発力が強い強相関電子系*2を実現できる可能性があると言われています。強相関電子系では、金属・絶縁体転移がおこる可能性があるため、新しいトランジスタ、メモリやセンサーなどを生み出すという期待から世界中で研究が行われています。しかし、数ナノメートルの直径を有するナノ粒子を思い通りに配列させる事は大変難しく、これまで、ナノ粒子列に電流を流した場合にどのような電気特性が得られるのかといった基本的な現象も、完全には解明されていない状況でした。
 
  このたび、日立では、直径2.5nmの金ナノ粒子を2次元の格子状に配列する技術を開発し、作成した金ナノ粒子列における電気特性の測定に成功しました。新たに開発した技術は次の通りです。
  1. 金ナノ粒子の合成:人工格子の構成要素として機能する金ナノ粒子を合成しました。合成の際に用いる材料の濃度などを工夫し、開発した金ナノ粒子の直径を2.5nmと小さくすることに成功しました。このため、室温でも十分に単一電子効果*3を観測する事ができます。
  2. 2次元人工格子:金ナノ粒子をLangmuir-Blodgett法*4によって稠密に並べる事で、構造欠陥の少ない2次元の人工格子を成膜する技術を開発しました。
  試作した金ナノ粒子の人工格子に電極を形成して、電流-電圧特性を調べたところ、
  1. 2次元に整然と並んだ人工格子では、4桁にわたって線形性が保たれている事が確認されました。これは、金ナノ粒子が整然とならんでおり、通常の物質と同じようなオームの法則に従っていることを示します。
  2. 意図的に欠陥を導入した金ナノ粒子の人工格子では、電流-電圧特性が非線形になることが判明しました。これは、人工格子を形成する上では、構造欠陥を最小限にとどめる事が重要である事を示しています。この現象は、量子力学的な理論を用いると説明できることがわかりました。
  今後は、金属ナノ粒子に閉じ込められる電子数を制御する技術を開発し、ナノ粒子の人工格子で、金属・絶縁体転移を観測することを目指します。金属状態と絶縁体状態の間を相転移させる事を利用し、トランジスタ、メモリ、センサーなどの様々な電子デバイスへの応用を検討する予定です。本成果は、ナノテクノロジーを利用した強相関エレクトロニクスという新しい分野を開拓するものであると期待されます。
 
  なお、本成果は、2004年9月15日から東京で開催されている固体素子と材料に関する国際会議「International Conference on Solid State Devices and Materials (SSDM)」にて、17日に発表致しました。
 
 

用語説明

 
 
*1 人工格子:人工的に合成された量子ドットや成膜された膜などを周期的な格子状に配列した構造。
*2 強相関電子系:キャリアの運動エネルギーに比べて電子間のクーロン相互作用が強い系の総称。金 属・絶縁体転移や高温超伝導といったエキゾチックな現象が観測されている。
*3 単一電子効果:電子がたった一つ存在するかしないかで、伝導度などの物理量が劇的に変化する現象。
*4 Langmuir-Blodgett法:水上に浮かべたナノ粒子や分子などの単層膜を基板に転写する方法。
 
 
以上
 
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