ヘッダをスキップ  Global Sites
    お問い合わせ    ニュースリリース    サイトマップ Japan Site
ここからグローバル・ナビゲーション |  ホーム  |  製品・サービス  |  日立について   |グローバル・ナビゲーションここまで


ページタイトル

ニュースリリース

印刷される方はこちらをご覧ください(PDF形式、19Kbyte)


ここから本文
 
このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新のお問い合わせ先は、お問い合わせ一覧をご覧下さい。
 
2004年6月1日
 

世界で初めて心臓疾患のマッピング検査を実現する
可搬型心磁計を開発

51チャンネルの高温超電導体センサとドーム型磁気シールド室により実現
 
高温超電導体を用いた可搬型心臓磁場計測装置
 
高温超電導体を用いた可搬型心臓磁場計測装置
 
  日立製作所(執行役社長:庄山悦彦、以下:日立)は、経済産業省およびNEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の産学連携実用化開発助成事業のもとで、世界に先駆けて、心臓疾患のマッピング検査を短時間で可能にする、小型の可搬型心磁計を開発しました。これは、51チャンネルの高感度な高温超電導体磁気センサと、ドーム型磁気シールド室の開発によって実現したものです。服を着たまま、数分以内の計測時間で高精度な検査ができること、また、可搬型であることから、将来の心臓疾患のスクリーニング検査装置として、健康診断や集団検診などへの応用が期待できる技術です。
 
  現在、日本人の死亡要因の第2位となっている心臓疾患の検査には、簡便な検査法として心電図が広く使われています。しかし、心電図では精度の高いデータを得ることが難しいため、精密検査においては超音波や放射性同位体を用いた核医学検査法が行われています。
  日立は心臓疾患検査の新しい技術として、心臓の活動に伴って体表面に表れてくる微小な磁場*1を、超電導体(電気抵抗が0となる材料)を用いたSQUIDセンサ*2という特殊な磁気センサで測定する心磁計を開発してきました。この装置は、服を着たまま、短時間で心臓細部の活動を計測することができ、狭心症などの心臓疾患の早期段階を検知する装置として期待されています。心磁計に用いられるSQUIDセンサを構成する超電導体には、液体窒素温度(絶対温度77度)で超電導体の性質を示す高温超電導体と、液体ヘリウム温度(絶対温度4度)において超電導体の性質を示す低温超電導体の2種類があります。これらの中で高温超電導体は取り扱いに簡便な液体窒素を使用するため、冷却方法が簡易化され、システムを小型化できるというメリットがありますが、感度が高く、高品質な高温超電導体センサを安定に作成することが困難であるという課題がありました。
 
  今回、日立では、高温超電導体磁気センサ*3の量産技術と、ドーム型磁気シールドルームを開発し、高温超電導体を用いた可搬型心磁計による心臓マッピング検査を実現しました。
 
  開発した装置の特長は以下の通りです。
  1. 高温超電導磁気センサのマルチチャンネル化による心臓マッピング:
    高温超電導体材料の組成の最適化、結晶性の良い高品質な薄膜の作成技術を確立し、従来、困難とされていた高温超電導体センサの量産プロセスを確立しました。これにより、51チャンネルというマルチチャンネル化を実現し、世界で初めて心臓全体を一度に計測することが可能となりました。
  2. ドーム型磁気シールドルームによる開放的な測定環境:
    地磁気や外部の磁場の影響を遮断する磁気シールドとして、ドーム形状の小型磁気シールドを開発しました。これにより、開放的な測定環境の中で、被検査者を、服を着たままベッドに横たわった状態で測定することが可能となりました。
 
  日立は今回試作した装置を用いて、被検査者が服を着たままの状態で、数分以内の計測時間で心臓全体の状態を高精度に計測することを確認しました。今後は、高温超電導体磁場センサの感度の向上を進め、健康診断や集団検診で利用可能な、未来の心臓疾患スクリーニング装置の実現を目指します。
  なお、本装置の開発は、筑波大学(山口巖教授)、愛媛大学(木村錫一教授)に指導を頂いています。
 
  本研究内容は、2004年6月4日、5日に徳島県郷土文化会館で行なわれる第19回日本生体磁気学会で報告する予定です。
 
 

用語説明

 
*1 心臓の磁場強度:
  心臓からは数100fT〜数10pT程度の磁場が発生しています。fT(フェムトテスラ)およびpT(ピコテスラ)は10-15テスラ、10-12テスラです。地磁気の強度は、約50μ(ミュー)T程度(μ(ミュー)T:10-6テスラ)ですので、心臓の磁場は地磁気の約100万分の1以下ということになります。
*2 SQUID(Superconducting QUantum Interference Device:超電導量子干渉素子):
  1つあるいは2つのジョセフソン結合を超電導ループに設けた磁気デバイス。このループに加えられる最大超電導電流値は、ループの中に閉じこめられた磁束により変化します。この変化は磁束量子単位(Φ0=2.07×10-15Wb)の周期的変化となり、非常に微弱な磁気に応答する特性を使い、超高感度磁気センサとして用いることができます。
*3 高温超電導体磁気センサ:
  材料は、イットリウム、ビスマス、銅、酸素を成分とする酸化物超電導体です。組成や製造条件の最適な制御技術の開発によって、磁場感度として50〜100fT/√Hzを達成しました。
 
 

お問い合わせ先

 
株式会社 日立製作所 中央研究所 企画室 [担当:内田、木下]
〒185−8601 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地
電話 (042) 327-7777 (ダイヤルイン)
 
 
以上
 
アドビ・リーダーのダウンロード PDF形式のファイルをご覧になるには、Adobe Systems Incorporated(アドビシステムズ社)のAdobe(R) Reader(R)が必要です。
 
本文ここまで


日立トップページへ

検索 by Google

 > 詳細な検索
ここからローカル・ナビゲーション
ニュースリリース総合

経営

決算

コメント

人事

研究開発

電子デバイス

情報通信

電力・産業システム

計測器・半導体製造装置

デジタルメディア

白物家電

新規事業ほか
ローカル・ナビゲーションここまで




ページトップへ

 
ここからフッタ  | サイトの利用条件 | 個人情報保護ポリシー | 更新履歴 | フッタここまで

© Hitachi, Ltd. 1994, 2004. All rights reserved.