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2003年6月17日
 

SRAMの40%の面積で0.72V動作を実現するシステム
LSI用メモリセルを考案
オンチップメモリセルの高集積化と低電圧化を同時に実現

 
 
 
  日立製作所中央研究所(所長:西野壽一)は、このたび、CMOS1)論理回路の製造プロセスにマスク一枚を追加するだけで、面積を従来のSRAM2)の40%に、動作電圧を0.72Vに低減可能な、高集積化と低電力化を同時に実現する新概念のオンチップメモリセルを考案しました。
  考案したメモリセルは、銅配線上に形成した平面型のキャパシタと2つのトランジスタを組み合わせたもので、1V以下で動作するシステムLSI向けの大容量オンチップメモリセル実現に道を開くものです。

  急速に発展する情報社会の中で、システムLSIは画像や音声処理を行う情報端末の心臓部として、継続的な進歩が要求されています。システムLSIのメモリ容量についても、さらなる大容量化が求められていますが、現在用いられているSRAMセルは原理的に面積が大きくなるため、将来、メモリ容量の増大の要請に応えることが困難になるという課題がありました。一方、高集積化に優位なDRAM3)セルは、立体構造を持つキャパシタ形成のために製造工程が増加することや、低い電源電圧での動作が難しいという問題がありました。今後のシステムLSIに向け、1V以下の低電圧動作が可能で、かつ、高集積化が可能なオンチップメモリセルの開発が必要とされていました。

このような背景から、当社中央研究所では、システムLSIを構成するCMOS論理回路に対して、製造プロセスの整合性と電源電圧の整合性を同時に兼ね備えた新概念のオンチップメモリセルを考案しました。技術の特徴は次の通りです。

(1)新型メモリセル構造
2つのトランジスタの上に銅配線を電極とする平面型キャパシタを配置した新しいメモリセル構造を提案しました。本構造により、従来のSRAMセルに比べて面積を約40%に小型化できました。適用した平面型キャパシタは、当所で開発したMIM(Metal-Insulator-Metal)構造のものであり、従来の約3倍の容量(1平方ミクロン当たり12fF(フェムトファラッド:フェムトは10のマイナス15乗))を持っています。4)

(2)追加マスク数の最小化
考案したオンチップメモリセルはトランジスタとキャパシタで構成されます。トランジスタは通常のCMOSプロセスで形成し、キャパシタには、銅配線の形成で使われるダマシン(埋め込み)プロセス5)を採用しました。これによって、通常のCMOSプロセスに追加するマスクはダマシンプロセス用の一枚のみとなり、製造工程の増加を最小限にすることが可能です。

(3)低電圧動作
メモリセルの低電圧動作を実現するためには、セルから読み出される信号量の確保と、その信号を検知増幅するアンプ回路の低電圧動作が必要です。新型のメモリセルでは、2つの読み出しトランジスタを用いることによって低い電源電圧でも十分な信号量を確保できるようにしました。さらに、メモリセルとアンプ回路間の配線を電気的に分離して、各々に印加される電圧を独立に最適制御する方式を開発しました。これらの技術を採用して回路解析を実施した結果、0.72Vという低い電源電圧での動作が可能とであることを確認しました。

  本技術により、既存システムLSIの製造プロセスを用いて、1V以下で動作する大容量のオンチップメモリを実現することが可能になります。さらに、論理回路とメモリに加えて、アナログ回路も1チップに集積する将来のシステムLSIにおいても、本技術で採用した平面型キャパシタはアナログ回路に適用することが可能です。本技術は、今後のシステムLSIの進展を加速する基本技術です。

  なお、本成果は、6月12日から京都で開催された集積回路に関する国際会議「2003 Symposium on VLSI Circuits」にて発表されました。

【注釈】
(1)CMOS
   Complimentary Metal Oxide Semiconductorの略。相補型金属酸化膜半導体。
(2)SRAM
   Static Random Access Memoryの略。記憶保持(リフレッシュ)動作が不要な随時書き込み読み出しメモリ。
(3)DRAM
   Dynamic Random Access Memory
(4)キャパシタ技術
   Cu(銅)/Ta2O5(五酸化タンタル)/Cu構造に極薄アルミナ(Al2O3)膜を挿入し たMIM(Metal-Insulator-Metal:金属−絶縁体−金属)構造のキャパシタです。このキャパシタ技術の詳細は、昨年12月9日から米国サンフランシスコで開催された電子デバイスに関する国際会議「2002 International Electron Devices Meeting」にて発表されました。
(5)ダマシンプロセス
   銅配線の形成に用いられるプロセスで、Si基板の絶縁膜に溝を形成し、そこに金属を埋め込んだ後に表面を機械的研磨で平坦加工してパターンを形成します。本発表では、これを応用し、銅配線上の絶縁膜に形成した溝にTa2O5(五酸化タンタル)や極薄アルミナ(Al2O3)膜を埋め込んで容量を形成しています。
 
 
 
以上
 
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