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平成11年10月8日

日立と独GMD FOKUSが実現する
ポリシー*1ベースIP*2メータシステムを共同開発


                                                             株式会社 日立製作所
                                                               GMD FOKUS


 (株)日立製作所と独GMD FOKUS(ドイツ国立情報研究所のオープン通信システム研究機関)
は、このたび、次世代高速インターネット時代において、通信品質(QoS*3:Quality of 
Services)やコストに対するユーザーの多様なニーズに応じたインターネットサービスの提供を支
えるポリシーベースIP(Internet Protocol)メータシステムの共同研究・開発を開始します。こ
のポリシーベースIPメータシステムは、個々のユーザーのニーズにあったサービスを実際に提供
していいるかどうかを計測し、さらに計測結果(サービス内容)に応じた課金を可能とするシステム
です。
*1 ポリシー:運用制御ルール。この場合は、ユーザーが希望するIPサービスに応じて、IPメ
  ータを運用制御するルール。
*2 IP:Internet Protocol
*3 QoS:通信品質(Quality of Services)

 本年6月、両社はベルリンにおいてエグゼクティブ・コミッティ・ミーティングを開催し、次世
代IPネットワークの分野で新技術の開発を目指し、これまで以上に協力関係を強めていくことで
合意しました。この新たな協力体制の第一歩として、日立の持つIP通信品質制御技術とGMDの
持つネットワーク計測技術をベースに、次世代インターネットサービスシステムの核となるポリシ
ーベースIPメータシステムの共同開発を開始します。

 ネットワーク技術のめざましい進歩に伴い、通信キャリアやISP*4が提供するIPサービスに
は、「コストが割高でも高品質のサービスが欲しい」「それほど高品質のサービスは求めないが、
コストは押さえたい」など多様なニーズが求められています。このようなニーズに柔軟に対応する
ためには、ユーザーが求めるQoSの提供とともに、提供内容に応じた課金システムが必要不可欠で
す。
現在このようなシステムを実現するためには、特定ユーザーが求めるサービスかどうかを測定する
ため、ネットワーク上に分散するIPメータに個々の設定を行わねばなりません。また、ユーザー
の追加や契約の変更のたびに、それぞれのメータに設定変更が必要で、IPメータの運用管理が大
きな負担となります。
*4:Internet Service Provider

 今回共同開発するポリシーベースIPメータシステムは、ポリシーにリアルタイムで連動可能な
IPデータ計測を実現するシステムです。システム構成と基本機能はインターネット標準化団体
IETF*5の定めるアーキテクチャをベースに構成されます。同システムは、IPネットワーク上
の要所に配置され、膨大かつ高速なデータフローを高精度に計測するIPメータ群と計測データを
収集するメータリーダー、IPメータ群とメータリーダーの動作を統合管理するマネージャー(ソ
フトウェア)から構成されます。ポリシーに基づき、マネージャーがIPメータ群のデータ計測方法
を柔軟に制御します。このポリシーベースアーキテクチャの採用により、IPメータは課金に必要
な情報のみを効率良く計測し、個々のユーザーニーズにあった多様なIPサービスを提供できます。
*5:Internet Engineering Task Force

 本システムにより、通信キャリアやISPは、顧客ニーズにきめ細かに対応したサービス提供と
課金システムが実現できます。ユーザーは、必要十分な品質のサービスを受け、それに見合った代
金だけを支払う、“ペイ・パー・QoS”も可能となり、満足のゆくサービスを経済的に受けることが
できます。さらに、ユーザー自身がIPメータの計測状況をオンラインで提供してもらい、利用し
たサービスの品質を確認することも可能です。

 日立とGMD FOKUSは、この新しいポリシーベースIPメータシステムの共同研究開発プ
ロジェクトをIPMM(IP Meter Module)プロジェクトと名付け、1年計画で推進します。
  GMD FOKUS所長のラドゥ ポペスク・ツェルティン博士は次のように語っています。「私
どもは、これまで日立とGMD FOKUSとの協力によって得られた研究開発の成果に大いに満足
しています。 今回のIPMMプロジェクトは21世紀に向けての新しいIPネットワーク技術の基
礎を提供するでしょう。」 
 また、日立の情報・通信グループの小平光彦グループ長付(事業戦略担当)は、「ポリシーベース
IPメーターシステムは、今後の社会インフラとなるインターネットで重要な技術となると確信し
ています。」と述べています。

  日立製作所とGMD FOKUSは1997年6月情報技術の分野における研究開発協力の包括契
約を締結し、 ネットワークシステム及び自律分散ステム等での共同研究開発活動を積極的に推進し
ています。 昨年3月には、 欧州連合が進める次世代情報通信技術の開発計画「ACTS(Advanced
 Communication Technologies and Services)」の一環として認可されたMIAMI(Mobile
 Intelligent Agents for Managing the Information Infrastructure)プロジェクトに共同で
参画しました。また、次世代ネットワーク基盤の実現方式の一つとして注目されているアクティブ・
ネットワークに関する共同開発を推進中で、本年7月にこれに関する国際ワーキング・カンファレ
ンスを共同で開催しました。本IPMMプロジェクトはこれらの研究開発協力を通して計画されま
した。


                                        以 上 


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