| HITACHI HOME | UP | SEARCH | HITACHI

News Release ^
^
^
^

このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新のお問い合わせ先は、お問い合わせ一覧をご覧下さい。


平成11年9月29日

デジタルメディア対応の高画質スーパーTFT液晶を製品化

−Super-IPS技術によりブラウン管に匹敵する高画質を実現−

 日立製作所 ディスプレイグループ(グループ長&CEO 丸山紘一)は、このたび、現行のスーパーTFT
液晶の画質を向上させるSuper-IPS(In-plane Switching:横電界)技術を開発し、全視野角にわたり色変
化がきわめて少なく、ブラウン管に匹敵する高画質な「18.1型Super-IPS方式スーパーTFT液晶(解像
度SXGA、1280x1024画素)」を製品化し、平成11年10月よりサンプル出荷を開始致します。
 本製品は、従来のスーパーTFT液晶に比べ、コントラストや色純度の向上、さらには動画対応のための
高速応答の向上もあわせて実現しており、市場が拡大しつつあるDVDやデジタルカメラ等のデジタルメデ
ィアに十分に対応します。
     
 近年、企業や家庭へのパソコンの普及に伴い、目にやさしく、低消費電力と省スペース性を兼ね備えた液
晶モニタの需要が高まっています。液晶モニタの最も重要なポイントは、ブラウン管並みの高画質を実現す
ることであり、当社では平成8年に、業界で初めてIPS方式(注1)を採用し超広視野角を実現した「ス
ーパーTFT液晶」を市場投入しており、現在では、14.1型/15型/18型を高画質液晶として製品化してい
ます。
     
 スーパーTFT液晶で採用しているIPS方式の特徴は、視野角が広いだけでなく、視野角による色調変
化が他の方式に対して小さいことです。このことは、今後メディアとしてDVD、デジタルカメラ等の画像
表示が多様化されてくると、色再現性の観点から極めて重要となってきます。
     
 現行のIPS方式は、一般的なTFT液晶表示方式であるTN(ツイステッド・ネマティック)方式に比べ、
きわめて優れた視角特性を有しています。しかしながら、特定の方向では、ブラウン管と比べると若干の階
調反転が観測され、また白色表示が黄色あるいは青みがかった色として観察されます。この対応として、
Super-IPS方式では、青色にシフトする方向と黄色にシフトする方向の液晶分子配列を混在させるように、
液晶分子を駆動するための電極をジグザグな形の構造にすることにより、色変化を大幅に低減することに成
功しました。これにより、色変化の生じない視野角が0.02UCS(注2)以下の条件で、TN方式では上下
方向65°、左右方向100°、現行のIPS方式では上下方向130°、左右方向160°であったのに
対し、今回のSuper-IPS方式では、上下左右それぞれ160°とブラウン管並みの高画質を実現しました。
     
 製造プロセスにおいては、Super-IPS方式はTN方式に比べ、マルチドメイン(注3)でのラビングによ
る配向処理が1回で済み、また配向膜の特別な処理や新しいプロセスの追加の必要がなく、電極の設計だけを
工夫すればよいため、既存の生産設備で容易に対応できることです。従って、構造が比較的単純でありなが
ら、視角特性において色変化が非常に少ないことが大きな特徴です。
     
 また、色純度やコントラストの向上も高画質化のために重要であり、今回、カラーフィルタの性能向上に
より、色純度を現行製品(スーパーTFT液晶)の50%から60%以上に向上しました。また、コントラ
ストも新技術の採用により、現行製品の200から300以上を実現しました。
     
 さらに動画対応として、応答速度の高速化はきわめて重要であり、今回、液晶材料や駆動方式の改良によ
り、30msを実現しました。この技術は、他のTFT液晶製品にも順次導入していきます。
     
 今後の製品展開としては、15型にもSuper-IPS技術を採用していく予定です。また、さらなる高速化への
対応として、技術改良により平成12年には応答速度が20ms以下となる製品も予定しています。
     
(注1)IPS(In-plane Switching;横電界)方式:
    一般的なTFT液晶は、液晶表示方式にTN方式を採用しており、棒状の液晶分子が重なりながら
    上下の基板に平行に90°の角度にねじれています。基板の上下に配置した透明電極で縦方向の電
    界を加えることにより、ねじれがなくなり液晶分子は基板に対して垂直に立ち上がります。ところ
    が斜めに立ち上がった状態では、見る角度によってコントラストや色が変化します。一方IPS方
    式では、下側基板に配置した電極により横向きに電界を加え、液晶分子を基板に平行に回転させま
    す。IPS方式は、TN方式と異なり印加電界方向が基板に平行なため、単に液晶部分の構成を変
    えるだけでなく、TFTの電極構造も変える必要があり、設計上の工夫が伴いますが、視野角に対
    して階調レベルの反転やコントラストの低下が少なく、また輝度・色調の変化が非常に小さく、見
    る角度による光学特性の変化が少ないのが特徴です。
     
(注2)UCS:
      CIE(国際照明委員会)が規定している1976UCS色度図における色度座標。均等知覚色空
    間の色差をあらわす数値で、値が小さい程、色差が小さい。
     
(注3)マルチドメイン(配向分割):
      同一画素内に液晶分子の配向状態が異なる2つ以上の領域が存在する状態をいう。
     
■サンプル価格およびサンプル出荷開始時期
製品名サンプル価格サンプル出荷開始時期
18.1型Super-IPS方式
スーパーTFT液晶
40万円平成11年10月より

■性能比較
 新製品現行製品
デイスプレイサイズ18.1"18.0"
液晶表示モードSuper-IPSIPS
解像度SXGA 1280x1024SXGA 1280x1024
ピクセルピッチmm0.2805 x 0.28050.279 x 0.279
輝度cd/m2200 200
表示色数17M 17M
色純度(NTSC 比)%>60 50
コントラスト>300200
視野角CR>10V:170°, H:170°V:160°, H:160°
CR>35V:160°, H:160°V:110°, H:150°
<0.04UCSV:170°, H:170°V:160°, H:160°
<0.02UCSV:160°, H:160°V:130°, H:160°
応答速度 Tr+Toffms3040
外形mm415(H)x326(V)x38(t)415(H)x326(V)x45(t)
重量g21002600
			
                                                             以 上


WRITTEN BY Secretary's Office
All Rights Reserved, Copyright (C) 1999, Hitachi, Ltd.