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平成11年6月10日

移動体通信機器向けでは業界最大の128×128ドット表示を1チップで
実現する4階調グラフィックス液晶コントローラドライバを製品化

−7倍昇圧回路を内蔵し、デジタル携帯電話の簡易ブラウザ機能を実現−

 日立製作所 半導体グループ(グループ長&CEO 石橋 正)は、このたび、デジタル携帯電話、メッセージペ
ージャ、小型PDAなどの移動体通信機器の液晶表示用として、業界最大の表示サイズ128×128ドットを1チッ
プで駆動する4階調グラフィックス表示(注1)用液晶コントローラドライバ「HD66750/751」を製品化し、平
成11年6月10日からサンプル出荷を開始します。
 本製品は、128×128ドットまでのモノクロ液晶パネルを4階調で駆動できるため、移動体通信機器の小型液
晶パネル上で電子メールやインターネットのWWWコンテンツなどの情報配信サービスに対応できます。また、
システム電源を低電圧化する7倍昇圧回路を内蔵した上、表示用出力信号のうち、コモン信号のピン配置を
「HD66750」はチップの両側、「HD66751」は片側のみとしており、実装スペースに応じて使い分けることが可
能です。
     
 近年、移動体通信機器は、薄型・軽量化、低コスト化のニーズが高まっています。一方、デジタル携帯電
話では、電話としての音声端末用途だけではなく、インターネットを介した電子メールやWWWコンテンツ等の
情報配信サービス機能など、データ通信端末としての用途が広がっています。これにより、小型液晶表示パ
ネルにも、従来の電話番号や漢字メッセージなどのテキスト中心の表示だけではなく、GIF(注2)などを利用
した階調付きのグラフィックス表示が求められてきており、さらなる画面サイズの大型化が必要となってい
ます。
     
 従来、移動体通信機器分野でのグラフィックス液晶コントローラドライバは、1チップでの表示サイズがモ
ノクロ表示で128×80ドット程度でした。しかし、同サイズでは、12×12ドットの漢字フォントの場合に60文
字分の漢字表示しかできず、漢字メッセージ通信や電子メールなどの情報配信サービスに対応するための大
画面表示ではチップが2個以上必要でした。
 そこで、当社は、携帯電話などの構造上、比較的実装領域に余裕のある縦方向に表示サイズを拡張した128
×128ドットの大画面を1チップで駆動し、より多くの情報を一括表示できるグラフィックス液晶コントロー
ラドライバ「HD66750/751」を製品化しました。本製品は、12×12ドットの漢字フォント使用時には最大10
桁10行の100文字、また10×11ドットのコンパクトな漢字フォント使用時は最大12桁11行の132文字を表示
できるため、電子メールやWWWコンテンツなどの新しい情報配信サービスに容易に対応できます。
 さらに、本製品の4階調表示を使うことで多彩なグラフィックス表示が可能な上、画面サイズの大型化や階
調データに応じた大量のデータをスムーズに処理するビットオペレーション機能を内蔵しているため、マイ
コンにおけるソフトウェアでのグラフィックス処理負担を大幅に軽減することができます。
     
 また、画面サイズを大型化すると、液晶駆動電圧の上昇、表示画質の低下、消費電流の増大などを伴いま
すが、本製品ではこれらを最小限に抑えています。液晶駆動電圧の上昇に関しては、システムの電源電圧か
ら最大7倍の液晶駆動電圧を発生する昇圧回路を内蔵したため、2.5Vの電源で約17Vの液晶駆動電圧を確保す
ることが可能です。
     
 さらに、液晶駆動電圧発生用オペアンプと昇圧回路の駆動電流はソフトウェアで調整できます。
これにより、消費電流を必要最小限に抑えながら表示画質を維持することが可能です。
また、液晶の駆動方式としては、大型液晶表示システムで用いるCパターン液晶駆動方式を採用しました。こ
の方式は、液晶の複数ライン単位で交流駆動を行ない、液晶表示の点灯部分と非点灯部分での交流化周波数を
均一化するため、交流化周波数の偏差に伴ったコントラスト変動によるクロストークノイズを低減できます。
 一方、低消費電力対策としては、画面の一部の表示領域のみを部分的に駆動できるパーシャル表示機能を
内蔵しました。携帯電話などの待ち受け時間中に、ピクトグラムや時刻などを限定的に表示させることで、
液晶駆動デューティ(注3)や液晶駆動電圧を下げ、消費電流を大幅に削減することが可能です。例えば、全画
面をフル表示した際の消費電力は600μW(3V動作時)ですが、パーシャル表示機能では一部の表示エリアのみ
を選択駆動することで210μW(3V動作時)となります。これにより、待ち受け時間中は、消費電力を約1/3に
低減でき、長時間のバッテリー駆動が可能です。
     
 実装方法としては、フレキシブルフィルム基板上にフェースダウンで実装するCOF(注4)実装、LCDガラス
と直に接続するTCP(注5)実装に対応します。「HD66750」は、128本のコモンドライバをチップの左右端から
64本ずつ分けて出力するため、TCPまたはCOF実装が可能です。一方、「HD66751」は、128本のコモンドライバ
をチップの左端から128本まとめて出力するため、COF実装を用いることで、液晶画面の有効表示エリアを広
く確保することが可能です。
     
 今後は、さらに大画面サイズに対応した製品を開発し、より一層のラインアップの充実を図っていきます。
     
注1)4階調グラフィックス表示:ビットマップ状の表示RAMを内蔵し、各ドット単位に独立して4階調を制御す
  ることでグラフィックスを表示する。
注2)GIF(Graphics Interchange Format):インターネットのWWW画像に頻繁に利用される画像データのフォ
  ーマット。
注3)液晶駆動デューティ:液晶画面の1ライン駆動時間と、そのラインで構成される1フレーム時間との比。
注4)COF(Chip On Film):金バンプ付きチップをフレキシブルフィルム基板に直接フェースダウンで実装す
  る方法。
注5)TCP(Tape Carrier Package):薄膜テープ上にチップをマウントしたパッケージ。超薄型実装が可能。
     
■応用製品例
  ・デジタルセルラ(PDC、GSM、CDMA他)
  ・メッセージページャ、双方向ページャ
  ・小型PDA、ハンディGPS端末、ハンディPOS端末等
     
■価 格
製 品 名出荷形態コモンドライバサンプル価格(円)
HCD66750BP金バンプ付きチップ左右両側引き出し700
HCD66751BP金バンプ付きチップ片側引き出し700
HD66750TB0折曲げTCP左右両側引き出し950
     
     

     
                                                 以  上


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