日立製作所は、このたび、当社8/16ビットマイコンの開発環境として、オブジェクト指向プログラム
開発に適したC++言語をサポートする「H8S、H8/300シリーズ用C/C++コンパイラ」を製品化し、平成
10年11月から販売を開始します。

  当社では、従来からH8/300Lシリーズ、H8/300シリーズ、H8/300Hシリーズ、H8S/2000シリーズ、
H8S/2600シリーズマイコン用開発環境として、組み込み向け拡張機能を充実した最適化Cコンパイラ
「H8S、H8/300シリーズ用Cコンパイラ」を製品化してきました。

  しかし、製品開発サイクルの短縮、プログラム規模の増大により、ソフトウェアの開発、修正、保守
の負担が急速に増大してきており、プログラムの再利用性、保守性に優れた、オブジェクト指向言語
C++サポートの要望が高まっています。また、組み込み用途としてROM効率のさらなる向上も必須とな
っています。

今回製品化した「H8S、H8/300シリーズ用C/C++コンパイラ」は、ANSI(注1)/ISO規格C++言語仕様に
準拠しており、C++言語の特長であるプログラムの再利用性、保守性を活かしたプログラム開発が可
能です。
  また、Embedded C++(注2)仕様オプションやEmbedded C++クラスライブラリをサポートすることにより、
Embedded C++言語仕様にも準拠しています。

  デバッグ環境としては、Microsoft(R) Windows(R)95(注3)環境下で動作するHitachi Debugging
 Interface (HDI)またはUNIX(注4)環境下で動作するIntegrated Debugging Manager(IDM)を標準添付し、
C++ソースレベルデバッグを簡単にマウス操作で行うことができます。さらに、クラス継承関係、関数呼
び出し関係、シンボルサーチをビジュアルに解析・表示するブラウザツール、およびこれらのツールを
有機的に連結させ、ウィンドウベースの使い勝手のよいインタフェースを提供する統合開発環境を標準
添付します。
  これにより、プログラム開発、修正作業の効率を約2〜3倍向上させることが可能です。

  また、従来製品の最適化処理部、コード生成部を共通化することで、従来の最適化Cコンパイラにお
ける共通式の削除、レジスタ割り付けなどのソースレベルの最適化や豊富な組み込み向け拡張機能、
およびソースファイル間にまたがるリンク時の最適化を実現しました。さらに、C++固有の最適化機能を
追加することにより、C++使用時でもROM効率を考慮した(対C言語比1.0倍の)オブジェクトを生成する
ことが可能です。

  今回の製品化により、SuperH(注5) RISC engineファミリと合わせ、8/16/32ビットマイコンのC++開発
環境を提供し、共通のC++プログラム財産を構築できます。

(注1)ANSIは、American National Standard Institutionの略です。
(注2)Embedded C++は、組み込み向けC++言語仕様としてEmbedded C++技術委員会により推奨され
       ている言語仕様です。
(注3)MicrosoftおよびWindowsは、米国マイクロソフトコーポレーションの米国およびその他の国におけ
       る登録商標です。
(注4)UNIXは、X/OPENカンパニーリミテッドがライセンスしている米国ならびに他の国における登録商
       標です。
(注5)SuperHは、(株)日立製作所の商標です。



＜価　格＞

                                                                         以  上