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News Release

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平成10年7月23日

日立と独GMD FOKUSが次世代ネットワーク方式を共同開発

                                                                                                     株式会社 日立製作所
                                                                                                     GMD FOKUS


  (株)日立製作所は、独GMD FOKUS(ドイツ国立情報研究所のオープン通信システム研究機関)と
協力して新しいアクティブ・ネットワーク方式の研究開発に着手します。
  両者はベルリンにてエクゼクティブ・コミティ・ミーティングを開催し、この新しいアクティブ・ネットワー
ク方式をベースとした次世代ネットワーク基盤の実現に向けた共同研究開発プロジェクトの開始に合意
しました。

  最近、広帯域公衆網や企業内通信網において、ATM(Asynchronous Transfer Mode)あるいは高速ル
ータを用いたデータ通信基盤が導入され始めており、ネットワークの大容量化と共に多様なサービス提
供が始まっています。この結果、さまざまな種類の通信機能やアプリケーションが新たに出現しています。
同時に、テレコム市場の規制緩和やグローバル化により、多くのビジネスが創出されようとしています。
アプリケーションがますます多機能化し、ネットワーク基盤を支える通信装置が複数ベンダで構成され、ユ
ーザの要求が日々ダイナミックに変わる時代には、柔軟で、変更容易な、拡張性の高いネットワーク通信
基盤が求められています。
  ここで最も重要なポイントは、新サービス、新機能を、即時に、ダイナミックに、スムーズに生成し、既存
のシステムに統合して提供できることが要求されている、ということです。

  今回、開発に着手した新しいアクティブ・ネットワーク方式では、ネットワークのサービスや制御機能と、
情報のスイッチングやルーティングといった転送機能とを完全に分離しています。従来の交換機やルータ
は、固定的なハードウェアにより高速転送機能を実現していますが、新方式では高速情報転送機能をプ
ログラム可能にすると共にデータ処理機能も付加することにより、より機能統合された柔軟な「アクティブ・
ノード」と呼ぶネットワーク装置へとパワーアップできます。
  新サービスをリアルタイムで提供するために、オブジェクト指向技術の標準化団体OMG(Object
 Management Group)が策定した標準仕様であるCORBA(Common Object Request Broker Architecture) 
をベースとした分散処理環境をアクティブ・ノード間のオープン・プラットフォームとして使います。これによ
りネットワーク全体に分散したアクティブ・ノードをリモートでプログラム可能となります。アクティブ・ノード内
の各種資源の制御や管理方法をローカルに変えるといった機能変更は、新方式で提供されるモバイル・エ
ージェント環境により可能となります。これらリモートおよびローカルのプログラム機能により、例えば、ネッ
トワーク全体に対する運用ポリシーに基づいた新サービスを、ネットワークの一部から導入し始めて迅速に
全体導入するといったことが可能になります。新アクティブ・ネットワーク方式では、オープンな次世代ネット
ワーク基盤が必要とする拡張性、信頼性(リアルタイム、フォールト・トレラント)、通信品質保証、IPマルチ
キャスト・プロトコルといった要求を満たすために、専用のORB(Object Request Broker)を提供します。

  日立とGMD FOKUSは、この新しいアクティブ・ネットワーク方式の共同研究開発プロジェクトをBANG
(Broadband Active Network Generation)プロジェクトと名付け、この7月にプロジェクトをスタートさせて2年
計画で推進します。
  この中で、テレコミュニケーションおよび企業内ネットワークをターゲットに通信基盤のオープン・プラット
フォーム化、国際標準化を目指します。そして、日立は新アクティブ・ネットワーク方式を適用した、オープ
ンでカスタマイズ容易なTCOを大幅に改善できるネットワーク製品を提供して行きます。

  GMD FOKUS所長のラドゥ ポペスク・ツェルティン博士は次のように語っています。「私どもは、これまで
日立とGMD FOKUSとの協力によって得られた研究開発の成果に大いに満足しています。 今回のBANG
プロジェクトは21世紀に向けての新しいネットワーク技術の基礎を提供するでしょう。」
  また、日立の情報事業企画本部の池田俊明企画本部長は、「今回提案された新しいアクティブ・ネットワー
ク方式は非常に満足できるものです。
私どもは、本プロジェクトが将来のネットワーク技術及びネットワーク・ビジネス・ソリューションを促進するた
めの技術的な引き金になることを期待しています。」と付け加えています。

  日立製作所とGMD FOKUSは昨年6月に情報技術の分野における研究開発協力の包括契約を締結し、 
ネットワークシステム及び自律分散システム等での共同研究開発活動を積極的に推進しています。 本年3月
には、 欧州連合が進める次世代情報通信技術の開発計画「ACTS(Advanced Communication Technologies
 and Services)」の一環として認可されたMIAMI(Mobile Intelligent Agents for Managing the Information
 Infrastructure)プロジェクトに共同で参画しました。 本BANGプロジェクトはこれらの研究開発協力を通して
計画されました。



                                                                                                                         以  上


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