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News Release

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平成10年2月9日

日立とノーテル(ノーザンテレコム)が次世代光通信用モジュールの 共同開発で合意

−相互生産供給体制を整え、ユーザーへの安定供給を実現−

                                             株式会社日立製作所
                                             ノーテル(ノーザンテレコム)



  株式会社 日立製作所(日立)とノーテル(ノーザンテレコム)は、このたび、次世
代の光通信用モジュールの共同開発を行うことで合意しました。
両社は、相互の技術力を有効活用することにより、次世代アクセス系光通信用に適
した8-Pin-Mini-DIL(MiniDIL)を標準外形とした光通信用の発光モジュール
(LaserDiode)と受光モジュール(PhotoDiode)の開発に取り組みます。
  今回の共同開発品は、両社が各々製造、販売を行うことで、全世界における相互
生産供給体制を整え、ユーザーへの安定供給を図るとともに、早期市場投入により、
市場におけるシェア拡大を目指します 。 

  今回の合意により、両社は、ノーテルの製品化したSi-V溝技術(注1)を採用した
Passive Alignment方式(注2)によるセラミック型MiniDIL技術と、日立の量産技
術による自動化を適用し、低コスト、高性能のセラミック型MiniDILの各種モジュ
ールを開発します。また、将来製品として、日立で開発中のプラスチック型
MiniDIL技術を用い、より低コストのプラスチック型MiniDILの共同開発も行う予
定です。

  現在、高度情報通信社会の進展に伴い、光通信回線は幹線系の敷設が進んでいま
す。さらに、今後の急速な拡大が期待されるインターネットや双方向CATV、ビデオ
・オン・デマンド等の利用者増大により、Fiber to the home(FTTH)などの加入者
系を含めた都市間のアクセスネットワークのファイバー敷設が進むと予想されてい
ます。そして、このようなローカルエリアでのファイバー敷設には、実装性が良く、
小型で廉価な上、量産対応が容易な標準型光素子が求められています。
  そこで、日立とノーテルは、アクセス系光通信市場における光通信用モジュール
の業界標準を目指し、96年8月に米国Lucent社を含む3社で、MiniDILの外形標準
化に合意しています。

従来、この分野では14-Pin-DILモジュール(注3)、同軸モジュール(注4)がおもに
使用されていましたが、第三世代製品となるMiniDILは、小型、高実装化を図って
おり、低価格、高性能、高信頼性の実現が可能です。

  MiniDILは、外形寸法13.2×7.6mmの平面型で、同分野では世界最小のレーザダ
イオードモジュールです。ピン配置は、従来の14PinのDILと互換性があり、従来品
の置き換えやグレードアップも、PCB 基板を変更することなく対応できます。また、
平面型のパッケージの採用により、従来の同軸モジュールで要求されていたリード
ベッディング(注5)が不要になるとともに、基板への取り付けが容易になるため、
製造コストの低減にも寄与します。
  なお、本モジュールは、加入者系レーザダイオードモジュールの信頼性基準であ
るBellcore983(注6)に準拠しています。

  今後、両社は共同で低しきい値電流化、低消費電力化等に取り組み、より特性を
改善した155Mbps、622Mbps、2.5Gbpsの各種モジュールを製品化し、将来的に需要
の拡大が期待されるアクセス系光通信に対して、最適なシステムソリューションを
提供していきます。

注)
(1)Si-V溝技術:レーザダイオードモジュールの組み立て技術の一つ。
    Passive Alignment方式での組立てを、高精度で行うためのファイバーとレー
    ザダイオードの結合技術。Si(シリコン)の基板のV字型に作られた溝に、光フ
    ァイバーをガイドして固定することから、Si-V溝技術と呼ばれる。
(2)Passive Alignment方式:ファイバーとレーザダイオードの結合技術。
    従来は、Active Alignment方式と呼ばれるレーザダイオードを発光させた(通
    電した)状態でレーザとファイバーの結合をとっていたが、本方式はレーザを
    発光させない(通電しない)状態で結合させる方式。この方式により、組み立て
    の合理化が可能になる。 
(3)14-PIN-DILモジュール:従来の通信のレーザダイオードは、一定温度にコント
    ロールする必要性から、冷却装置としてペルチェクーラを内蔵し、そのための
    端子として14Pinの端子を持つDIL型のモジュールが使用されていた。
(4)同軸モジュール:レーザダイオードの特性改善により、安定して動作出来る温
    度範囲が-40〜85℃に拡大し、パルチェクーラが不要になった。また、同軸モ
    ジュールは光素子とファイバーの接続を自動化できるため、同軸円筒形のモジ
    ュールが通信用として広く使われるようになった。
(5)リードベンディング:同軸モジュールのリードをPCB基板に実装しやすいよう
    に曲げて加工した製品。
(6)Bellcore983:Belldore(USA)の定める加入者系通信用光モジュールの信頼性
   ・品質に関する規格。

<ノーテル(ノーザンテレコム)社の概要>
  世界中の顧客と協力し「A World of Networks」のビジョンの基に、情報・娯楽
・教育・ビジネスの各分野において、ネッットワークの設計・構築・統合を行い、
デジタルネットワーク製品を幅広く取り揃えています。ノーテルは、世界中で最も
多くのデジタル回線を提供しています。
(1997年度売上:約155億米ドル、従業員数:全世界で約73,000名)


<ノーザンテレコムジャパン株式会社の概要>
  1983年、日本法人設立。ノーザンテレコム製品の営業販売及び顧客支援活動を行
っています。
  また、外国企業として日本電信電話株式会社(NTT)に最も多くの局用変換機を納
入しているほか、国際デジタル通信株式会社(IDC)にも局用交換機を納入しています。
  さらに、日本国内の大手金融企業・製造企業に多数の企業ネットワークソリュー
ションを提供しています。



                                                   以  上


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