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News Release

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平成9年11月4日

SuperHファミリ用の2次元グラフィックス・レンダラーLSIを製品化

−インターネットTVなど情報家電向けに、 背景面の表示機能を搭載し、フレキシブルなグラフィックス描画が可能−

  日立製作所は、このたび、当社の32ビットRISCマイコン「SuperH RISC 
engineファミリ」(以下SuperHファミリ)とのチップセットにより、グラフィック
ス処理をコンパクトなシステムで高速に実現するグラフィックス・アクセラレータ
(注1)「クイックシリーズ」(Qシリーズ)の第二弾として、背景面表示機能を搭
載し、フレキシブルなグラフィックス描画を可能とした2次元グラフィックス・レ
ンダラー・インプルーブドLSI(Quick 2D Graphics Renderer Improved:
Q2i)「HD64412F」を製品化、本年12月よりサンプル出荷を開始しま
す。

 近年、家庭用ゲーム市場において、マンマシン・インタフェースに対応する高い
表示即応性と表現力を兼ね備えた低価格なゲーム機器が登場したことに伴い、カー
ナビゲーションやインターネットTVなどの情報家電市場でも、グラフィックスに
よる飛躍的な表現力の向上が望まれています。
 従来、これらの機器におけるグラフィックス処理は、大容量の高速メモリを用い
てCPUでジオメトリ処理(注2)とレンダリング処理(注3)を行なうか、またはで
きる限りのグラフィックス・アルゴリズムを組み込んだグラフィックスLSIで行
ってきました。最近では、これらの処理の高性能かつシンプルな表現と、ソフトウ
ェアおよびデータベースの上位互換性維持に対するニーズが強くなっており、さら
に複雑化が進むグラフィックス・アルゴリズムにどのように対応するかも課題とな
っています。
 そこで、当社ではこのようなニーズに対応し、SuperHファミリとのチップセット
で高速のレンダリングや表示処理を行うグラフィック・アクセラレータ「Qシリー
ズ」を製品化しています。「Qシリーズ」は、「シンプル」「リアルタイム」「ア
ップグレード」をコンセプトとし、SuperHファミリにおける座標変換などのジオメ
トリ処理に対応した線描画、面描画等のレンダリング処理を高効率、低コストで実
現します。

 今回の「Q2i」は、「Q2」(注4)の機能強化版で、新たに背景面表示機能を
搭載しており、背景面をスクロールさせつつ、前面でアニメーションのような動作
を表現することが可能です。さらに、描画の中断・再開機能をサポートしており、
前面と背景面を独立に描画できます。また、描画機能の強化やSuperHとのインタフ
ェースの見直しを行い、SuperHファミリのチップセットとしての使い勝手をより一
層向上しています。
 画像用メモリの管理方法としては、「Q2」同様にユニファイド・グラフィック
ス・メモリアーキテクチャ(注5)を採用しています。これにより、自然画などのカ
ラー図形や、フォントとパターンなどデータ形式の異なったすべてのグラフィック
スデータを1つのメモリで管理することが可能です。さらに、フレームバッファ
(画像表示用メモリ)として、コストパフォーマンスの良いEDO(Extended Data 
Output)タイプのDRAMを採用しています。
 その他、自然画やグラフィックス画像の自由変形が可能な4頂点ポリゴン(注6)
描画など4種の描画コマンドにより、2次元グラフィックスを高速で実現でき、3
次元グラフィックス的な表示も可能です。

 また、「Q2i」では、ダブルバッファアーキテクチャ(注7)採用によるリアル
タイム描画やDRAMダイレクト接続、TVとの同期表示機能、同期信号の生成機
能、カラーパレットの内蔵、色空間変換(YUV→RGB)など、従来の「Q2」機
能を継承しています。
 パッケージは、144ピンQFPプラスチックパッケージを使用することで、安
価で高性能な表示システムを構成することができます。

 「Q2i」は、これらの特徴により、カーナビゲーションやネットワークコンピ
ュータ等の中精細OA機器、産業用機器の表示システム、インターネットTVやカ
ラオケ等のAV機器など、様々な機器におけるグラフィックス処理システムを、コ
ンパクトかつ高い描画性能で実現できます。

 なお、プロセスは0.6μmアルミ2層CMOSプロセスを採用しています。

 今後は、今回の33MHz動作版に加え、66MHz動作対応版の投入を計画し
ています。

(注1)アクセラレータ:マイコンを補佐し、処理時間を短縮するための仕組みを備
      えたLSI。
(注2)ジオメトリ処理:頂点の平行移動、回転処理などの座標変換における数値処
      理。
(注3)レンダリング処理: 画像用メモリ上に線や面の描画を行い、目的の図形を
      表現する処理。
(注4)Q2(Quick 2D Graphics Renderer):Q2シリーズ第一弾。外付けの画像
      用メモリ容量を50%以上低減でき、3次元グラフィックス的表示も可能な2
      次元グラフィックス・レンダラーLSI。
(注5)ユニファイド・グラフィックス・メモリアーキテクチャ:形式の異なるデー
      タを一つのメモリに入れ、それらを管理する方法。形式の異なるデータには、
      自然画等のカラー図形、フォントパターン、ディスプレイスト(描画コマン
      ド列)、描画により作成された図形がある。
(注6)ポリゴン:描画処理時間を表現する上で用いる図形の単位。図形により1単
      位のポリゴンの大きさは異なる。例えば、面の場合、20×25画素の矩形
      領域を1単位のポリゴンとし、単位時間あたりにこのサイズのポリゴンをど
      れくらい処理できるかを示す指標として用いる。
(注7)ダブルバッファアーキテクチャ:画像用メモリ上に、描画に用いる領域、お
      よび表示に用いる領域の二つの領域を設け、それらを一定時間ごとに役目を
      入れ替える方法をいう。本アーキテクチャにより、表示処理とレンダリング
      処理を交差して行うことが可能となる。


<応用製品例>
    * 小画面OA機器(ネットワークコンピュータ等)
    * カーナビゲーションシステム 
    * AV機器(インターネットTV、カラオケ)
    * 産業機器の表示システム

<価 格>
    製 品 名    サンプル価格(円)
       HD64412F            3,000


                            以 上


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