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News Release

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平成9年8月25日

テレビ/ビデオ操作やポケベル呼び出し機能を備えたALS(筋萎縮性側索硬化症)患者向けの意志伝達装置「伝の心(でんのしん)」を開発

  日立製作所では、このたび情報機器アクセシビリティ活動の一環として、ALS
(筋萎縮性側索硬化症)患者向け意志伝達装置「伝の心」を開発しました。販売開
始は平成9年10月1日です。
  ALSは、40代〜50代の男性に発病率の高い、筋力が衰えていく難病のひとつです。
知覚にはなんら変化のないまま、症状が進むにつれて手足が動かなくなり、話すこ
とも食べることも困難になっていくこの病気に、全国で約4500人が苦しんでいます。

  当社では、「伝の心」の前身である重度障害者向け意志伝達装置を平成6年8月
に製品化し、これをベースに同年10月から本格的にALS患者のコミュニケーショ
ン支援の研究開発を進めてきました。「伝の心」は、患者の"QOL(生命・生活の
質)"の向上を目的として開発され、ごくわずかな筋肉の操作でパソコンを操作し
意志伝達をすることができるコミュニケーションシステムです。スイッチ入力はも
ちろん、スイッチを押せなくなった方のために、眉などごくわずかな筋肉を動かす
だけで入力できる磁気センサーを備えています。
  「伝の心」開発にあたっては、とりわけ患者の要望の大きかった「テレビやビデ
オの操作が自分で行える」「ポケットベルでの呼び出し」を一台で可能にしたこと
が、大きな特徴となっているほか、従来からあった文章作成機能を強化し、操作性
の向上やスピードアップを図りました。
  本システムは、高齢者や身体障害者にも利用しやすい情報機器の開発と提供をめ
ざして平成4年に設置された情報機器アクセシビリティ推進室が、北里大学東病院
との共同研究により開発しました。また厚生省の外郭団体である(財)テクノエイ
ド協会の福祉用具研究開発事業の助成金を受けています。
  なお「伝の心」は、8月27〜29日に佐世保市・西海パール・シー・リゾート
で開かれる「第12回リハ工学カンファレンス」で展示され、併せて講演も行われ
ます。

[特 徴]

<操作方法>
プッシュ式スイッチで、直接入力。スイッチを押せなくなった方のためには、磁気
センサー((株)シースターコーポレーション開発)を標準装備しています。これは
医療用磁石を顔など筋肉がわずかに動く部分に貼り、動かすと、センサーが磁場の
乱れを感知して、動きをパソコンへ伝えるシステムです。この磁気センサーは介護
者を呼ぶチャイムへの接続も可能です。身体に貼った磁石を3回続けて動かすと、
信号がパソコンからチャイムに切り替わります。チャイムには10メートルのコード
がついているので、介護者は患者のコールに気づくことができます。

<「伝の心」の機能>

(1)テレビ・ビデオの操作
    「伝の心」から赤外線リモコンに信号を送ることにより、スイッチひとつで
     テレビのオン/オフ、チャンネル切り替え、音量調節、ビデオの録画再生など
     が可能になりました。
(2)ポケベルでの呼び出し
     NTT DoCoMoをはじめ全国事業者のポケベルにメッセージを送信できます(カ
     ナ・数字も可)。ポケベル番号とメッセージは登録が可能。さらに、呼び出
     せなかった場合のため、一定時間ごとに自動的にメッセージを再送すること
     もできます。
(3)文章作成時、定型句の表示でスピードアップ
     通常、意志伝達装置は、文章作成時、画面上の文字盤にカーソルを移動させ、
     目的の位置にきたらスイッチを押すシステムなので、大変時間がかかりまし
     た。「伝の心」は同じシステムではありますが、その文字から始まる定型句
     も同時に表示します。例えば「お」を入力すると67の定型句が表示され、次
     に「め」を入力すると「おめでとう」「お目にかかれて嬉しいです」などの
     3句に絞りこまれます。定型句は、初代ALS会長であった故川口武久さんが
     使用された500句を登録済みで、16文字以内の定型句を最大3000句まで登録が
     可能です。
(4)カーソルの方向切り替え機能
     文章を書くとき、カーソルが目的の文字盤を通り過ぎてしまうことは、よく
     あることです。従来はカーソルが一周してくるのを待たなくてはなりません
     でしたが、走査方向切り替え機能により、「伝の心」はカーソルの方向反転を
     実現しました。

<その他の機能>
  ●すでに作成した文章を音声合成で読み上げる機能
  ●視力の弱い方のためにカーソル上の文字盤の拡大表示や作成した文章を最大40
    ポイントで拡大表示する機能
  ●文章を作成している時に以前に作成した別の文書ファイルを簡単に読み込める
  ●切り取り・複写・張り付け機能

<標準構成品>
   ・ノートパソコンまたはデスクトップパソコン        
   ・モデム(「伝の心」インストール済み)                   
   ・テレビ/ビデオ操作リモコン
   ・プリンター                                  
   ・動作環境=Windows (R)95
   ・磁気センサー                
   ・プッシュ式スイッチ
  
<価格>
自治体の購入補助の範囲である50万円を考慮して、価格を50万円(消費税込み)に
設定しました。従って、患者が購入の際、費用の負担がかかりません。

<仕様>
文 字 盤: 20ポイント/40ポイント(拡大表示文字)、カーソル方向反転機能
スキャン:スキャン速度(0.5〜3.0秒)、音(ON/0〜30秒後自動OFF)
表示文字:印刷イメージ/印刷幅に合わせる/10〜40ポイント固定表示
定 型 句:自動絞り込み入力、1定型句32文字(半角)
         読み;16文字 最大登録数:3000句(500句登録済み)
音 声:男性声/女性声、全文/範囲/定型句/漢字候補/未確定文字列の発声
印 刷:8〜72ポイント、ゴシック/明朝、はがき/A5/A4/B5ほか
リモコン機能:
  テレビ  チャンネル切り替え、音量調節、テレビ/ビデオ切り替え(入力端子
           切り替え)電源オン/オフ
  ビデオ  再生、停止、一時停止、早送り、巻き戻し、録画、チャンネル切り替
           え、出力端子切り替え、電源オン/オフ

ポケットベル機能:フリーワード自動変換、数字メッセージ、再送信回数指定、電
                 話着信呼び出し音
ポケットベル対応機種:NTT  DoCoMo および全国事業者各機種
日本語入力システム: MS-IME95、MS-IME97

<販売・出荷開始日>
販売開始:1997年10月1日   出荷:1997年12月1日
*「伝の心」は患者の状態(身体の動く部位など)をよく理解し、かつコンピュー
タにある程度詳しい方のご支援が必要のため、当面は東京都および近県、大阪府お
よび近府県、北海道(札幌市)、宮城県、福島県、福岡県などから販売会社を通し
販売を開始します。

*Windowsは米国Microsoft Corporationの米国その他の国における登録商標です。



                                                              以 上


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