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                                                  平成8年6月4日

MPEGをベースとしたデジタル映像システムを提案

― 米国”FutureTel”社と基本ソフトウエアの共同開発を 開始するとともに世界初の『MPEG1コーデックLSI』の1チップ化に成功 ―

 日立製作所は、MPEGをベースとしたトータルなデジタル映像システム を提案します。  今回その第一段として、米国"FutureTel"社とアライアンス契約 を結び、パソコン上での動画映像の入力、編集、出力といった新しい用途に 対応する基本ソフトウエアを共同開発していきます。また動画映像をリアル タイムで圧縮できる世界初の1チップ『MPEG1コーデックLSI』を開発 しました。今後当社ではこれらの技術をベースとして、デジタル映像システ ムの普及を目指します。 パソコンの需要は、従来のビジネスユースに加え、Windowsの普及などによる ホームユースの拡大により、1995年度は全世界で約5,800万台(内国 内で約570万台)、さらに今年度は、全世界で約7,000万台(うち国内 で約750万台)と大きく伸長することが予測されます。 既に、静止画の入力、編集、加工といった機能が取り込まれているパソコン もありますが、今後は、パソコンの処理速度の高速化や高性能化、インター ネット等のインフラ整備や普及、さらに、CD/DVDといった大容量記録メ ディアの標準装備などに伴い、動画を取り扱う手軽なデジタル映像システム がパソコンの用途として大きく発展することが考えられます。 動画映像をコンピュータで扱う場合、膨大なデータ量のためハードの負担 が大きく、編集が容易ではありませんでした。そこで、コンピュータ上でビ デオのような動画映像を扱うために、映像や音声のデータを効率よく圧縮し、 かつ画質や音質を損なわない国際標準規格の画像圧縮技術が“MPEG (Motion Picture Experts Group)”として定められています。しかしながら、 現行の動画の圧縮装置は膨大な演算能力を必要とし、大規模な回路でコスト も高く、また、MPEG動画像データ自体も複雑な圧縮方法のため、一般の パソコンユーザーが手軽に編集、加工できるソフトがなく、映像制作のプロ だけのものでした。 日立は、一般ユーザーがパソコン上で手軽にMPEG動画映像データを入 力、編集、出力できる環境を提供するために、米国“FutureTel” 社とアライアンス契約を結び基本ソフトウエアを開発します。また、入力さ れた動画映像及び音声をリアルタイムで圧縮する世界初の1チップ 『MPEG1コーデックLSI』を開発しました。今後は、日米で(i)API の公開及び応用プログラム作成支援 (ii)「MPEGコーデックボード」のイン ターフェイス公開 (iii)インターネットを使った技術情報の公開、及び編集ソフ ト、映像サンプルの配布等を通じMPEGをベースとしたトータルなデジタ ル映像システムの普及を目指します。 1.米国ベンチャー企業"FutureTel"社と編集ソフトウエアを共同 開発中 (1)米国“FutureTel“社とのアライアンス契約    MPEG動画映像は圧縮率に優れているため、パソコン上での活用や インターネット上の動画転送手段として最近急速に注目を集めていま す。しかし、これまでは手軽な入力、編集手段がなかったため、映像 制作のプロだけのもので、一般のパソコンユーザにとって遠い存在で した。そこで日立は、業務用MPEG技術で評価の高い米国のベンチ ャー企業"FutureTel"社とアライアンス契約を結び、MPEG 動画映像を編集するための基本ソフトウエアを共同開発していきます。 さらに、一般パソコンユーザーが手軽にMPEG動画映像の入力から 編集、出力までできるハード及びソフトの一貫したMPEG環境を提 供していきます。 (2)MPEGファイルを簡単に編集できる基本ソフト開発中 MPEG動画映像はファイルサイズを小さくするため、ひとかたまり のフレーム群を単位として圧縮しており、指定したフレームだけを伸 長することができないため、一般パソコンユーザが手軽に編集できる 環境にありません。現在開発中の編集用ソフトウエアでは、複雑な MPEGファイルの編集モジュールを、ファイルの圧縮伸長処理機能、 操作機能、情報の取得機能等を関数化して、ライブラリとすることで、 容易なMPEGファイルの編集操作が可能になります。また、MPEG 編集関数はWindows編集APIと互換性があり、MPEGファイルを AVIファイルとみなして編集することも可能です。 (3)MPEGの普及を目指す活動を開始 日立は、MPEG関連製品開発企業に対し、MPEG圧縮映像をベー スにしたデジタル映像システムの普及を促進するために、日米 で (i)APIの公開及び映像編集ソフトやオーサリングソフトなどの応用 プログラム作成支援 (ii)「MPEGコーデックボード」のイン ターフ ェイス公開 (iii)インターネットを使った技術情報の公開、及び編集ソフ ト、映像サンプルの配布等を通じMPEGをベースとした トータルな デジタル映像システムの普及を進めていきます。 “FutureTel”社の概要(1996年5月現在) 設  立 1993年9月、フロリダ州法人として設立 所 在 地 米国 カリフォルニア州 サニーベイル 事業内容 デジタル画像圧縮伸長・伝送機器の開発・設計・製造・販売 資 本 金 13,600千ドル 従業員数 45名 そ の 他 画期的な動画圧縮技術、通信技術を用い『デジタル・ビデオ・パ ブリッシング』『ネットワーク配信』へのニーズに対応。製品群 はPrimeView(MPEG1エンコーダ)、MPEGWORKS(エン コードコント ロール及び編集用ソフト)、TeleMux(通信イン ターフェイス)、 SoftwareDevelopersKit(アプリケーション 開発用ソフト)、 MPEGTOOLS(MPEG編集用ソフト)、MPEG-2 ENCODER(MPEG2画像 圧縮チップのライセンス)等。映像関連業 種、トレーニング、企 業紹介、放送業界等をターゲットと し、システムインテグレ ーター、リセラーやOEMを通してワールドワイドにセールス活動 を推進中。 2.動画映像をリアルタイムで圧縮する   世界初の1チップ『MPEG1コーデックLSI』を開発   日立は、動画映像信号をリアルタイムで圧縮し、マルチメディアパソコ ンやインターネット上で活用する上でキーデバイスとなる『MPEG1コ ーデックLSI』を、世界で初めて1チップ化することに成功しました。 これにより、CD−ROMやビデオCD等、再生中心であった動画映像の 範囲が、パーソナルなオリジナル映像の編集、制作という分野まで広がり、 家庭でのインターネットのホームページ作成や電子アルバム、ビデオメー ルなどを、リアルな動画像や音声で楽しめるようになります。 (1)世界で初めて1チップ『MPEG1コーデックLSI』を開発 MPEG1エンコード(圧縮)、デコード(伸長)機能を内蔵し、1チッ プに集積したコンパクトなLSIを開発しました。デジタル情報機器や AV機器などに広く対応します。 (2)MPEG1で映像信号のリアルタイムエンコード(圧縮)が可能 入力したアナログ映像信号をリアルタイムでMPEG1に圧縮します。 (3)映像の再生が可能なデコード(伸長再生)が可能 MPEG1に圧縮したデジタル映像を伸長再生できるので、簡単に入力・ 加工した映像の確認ができます。 (4)0.5μm C-MOSプロセス採用による低消費電力設計 0.5μm3層 C-MOSプロセス採用により、高集積化と約500mW の低消費電力を実現し、バッテリー駆動などの小型携帯機器への搭載が 可能になりました。 (5)パソコンとの接続が容易 高性能32ビットRISCプロセッサと組み合せれば、パソコンのCPU に依存せずMPEG1のビットストリームを生成できるので、パソコン との接続が容易になります。 (6)静止画もパソコンに取り込める“JPEG”圧縮伸長機能内蔵 動画だけでなく、国際標準規格の静止画“JPEG (JointPhotographic Experts Group)の圧縮伸長にも対応し、ビジネス用 の報告書作成から家庭用の年賀状作成まで幅広い活用が可能です。   《他社商標等》   ・Windowsは米国Microsoft Corp.の登録商標です。                               以 上

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