| HITACHI HOME | UP | SEARCH | HITACHI

このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新のお問い合わせ先は、お問い合わせ一覧をご覧下さい。

                                                  平成8年5月20日

触媒方式によるフロン分解装置を製品化 

− 冷媒フロン回収システムも併せて開発 −

 日立製作所はオゾン層を破壊する特定フロンの分解技術を開発、製品化 しました。この装置は家庭用冷蔵庫から回収されたフロン(CFC-12)を触媒 を用いて分解し、簡単な操作で、安全に、無害なフッ化カルシウム(蛍石) と塩化カルシウムに変化させるもので、有害物質の発生もなく、車載可能な コンパクトな製品として6月3日から発売します。  また同時に、冷媒フロンを冷凍機油ごと回収、分離することが可能な冷媒 フロン回収システムも発売します。  特定フロンはオゾン層破壊係数が大きいため、世界的合意で平成7年に生 産中止となりましたが、国内では家庭用、業務用冷蔵庫に使用している特定 フロン(CFC-12)が約2万トン、カーエアコンに使用している特定フロン (CFC-12)が約4万トンストックされていると推定されます。 現在、国内では各自治体において、粗大ゴミである家庭用冷蔵庫から冷媒 用のフロンを抜き取り、回収する作業が進められていますが、これらの回収 されたフロンの簡便な処理方法がなく問題とされてきました。フロンの無害 化技術としては、プラズマによる高温分解、焼却炉を使用した燃焼分解、セ メント製造キルンによる燃焼分解、触媒による低温度の分解等の各技術があ りますが、いずれもまだ研究実証段階となっております。  当社は、電力事業関係で培ってきた触媒方式による排ガスの脱硫、脱硝技 術を基に、平成5年に特定フロンを分解する触媒の開発に着手し、7年に金 属酸化物触媒を開発しました。  この装置におけるフロン分解は、ボンベからガス状態で取り出したフロン を水、空気と共に約400℃に加熱した金属酸化物触媒に通し、触媒表面でフッ 化水素と塩化水素に分解します。この後、消石灰を加えた水で分解したガス を中和し、無害なフッ化カルシウムと塩化カルシウムの固形物に変化させま す。これらの固形物は脱水して排出し、水は再利用します。 【フロン分解装置の特徴】   (1)装置、運転コストともに安価     ・設備がシンプルで操作が簡単(自動運転)     ・設備面積が小さく、簡単な作業で設置可能     ・分解処理温度が約400℃と低く、また200Vの電源で稼働するため      処理費が安価   (2)低い温度で高い分解率     ・触媒方式の採用により約400℃で99.99%以上の分解率を実現   (3)車載移動も可能     ・設備がシンプルかつコンパクトなため、トラックによる移動も 可能   (4)その他      ・フロン回収システムとの組み合わせにより一貫処理が可能 【設備仕様】   ・処理能力  : 1〜10kg/h    ・フロン分解率: 99.99%以上   ・運転    : 自動運転   ・寸法    : 幅1.6m×長さ3m×高さ2.2m(処理量1kg/hの場合)                    ・・・2トントラックで運搬可能   ・二次排出物 : フッ化カルシウム(蛍石)、塩化カルシウム(いず れも無害)                   また、フロン分解装置と同時に、冷媒フロンを高い回収率で冷凍機油ごと 回収、分離することが可能な冷媒フロン回収システムも開発し、6月3日よ り発売致します。  現在、主流となっている冷媒フロン回収装置は、冷蔵庫のコンプレッサー の導管に専用工具で穴をあけて気体のフロンを抜き取った後、ボンベに回収 する方式です。しかし、この方式では、コンプレッサー内部の冷凍機油に溶 解している冷媒フロンは十分に回収できないという問題点がありました。  本システムでは「穴あけ装置」でコンプレッサーに直接穴をあけて、冷媒 フロンを冷凍機油ごと吸引回収します。さらに「フロン分離装置」により冷 凍機油中のフロンを加熱、撹拌して気化し、冷凍機油に溶解したフロンも回 収可能で、冬場あるいは寒冷地でも安定した回収率が得られます。また、既 存の従来型フロン回収装置に、今回の「穴あけ装置」と「フロン分離装置」 を追加するだけで、フロン回収率を向上させることが可能となります。 【フロン回収システムの特徴】   (1)フロンを冷凍機油ごと回収、分離     ・コンプレッサーに直接穴をあけて冷凍機油ごと吸引回収し、加 熱・攪拌により、冷凍機油に溶解しているフロンも回収可能   (2)既存のフロン回収装置に接続可能     ・既存のフロン回収装置に「フロン分離装置」、「穴あけ装置」 を耐圧ホースで接続することも可能   (3)運搬、設置が容易     ・小型トラックによる運搬が可能     ・簡単な組み立て作業で設置が可能 【システム仕様】   ・処理能力   : 冷蔵庫20台/h(冷蔵庫のセッティング時間は含 まない)   ・ユーティリティ: 電源・AC100V             空気・5kg/cm2 ドライエアー   ・システム寸法 : 幅2m×長さ4m×高さ2m                                         以 上


All Rights Reserved, Copyright (C) 1996, Hitachi, Ltd.
WRITTEN BY Secretary's Office