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2003年1月10日

心臓疾患のスクリーニング検査の実現に道を拓く可搬型心磁計を開発 

高感度な高温超電導体センサと小型シールド室により実現





 日立製作所 中央研究所(所長:西野壽一)と基礎研究所(所長:長我部信行)は、経済産業省とNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の産学連携実用化開発助成事業のもとで、床面積約1平方メートルという小型・可搬型の心磁計を世界に先駆けて開発しました。これは、高感度な高温超電導体磁気センサと、天井開放型の円筒形シールド室の開発によって実現したものです。健康診断や集団検診に使える未来の心臓疾患のスクリーニング検査装置に道を拓く技術です。

 現在、心臓疾患の検査には心電図のほか、精密検査として超音波や放射性同位体を用いた核医学検査法があります。今回開発した心磁計は、心臓の活動にともない体の外まで出ている磁場を計測するものです。このため、服を着たまま、しかも1分以内で計測できるという被験者の負担が非常に少ない特徴があります。また、心臓の細部での活動を計測できるため、狭心症などの心臓疾患の初期の異常を検知できると期待されています。

 しかし、心臓から出る磁場は、地磁気の100万分の1*1)という極めて小さい量のため、超電導体(電気抵抗が0となる材料)を利用したSQUIDセンサ*2)という特殊なセンサで検出する必要があります。

 この超電導体には、液体ヘリウム温度(絶対温度4度)で超電導となる"低温超電導体"と、液体窒素温度(絶対温度77度)で超電導となる"高温超電導体"があります。高温超電導体を用いた心臓磁場センサは、液体窒素で冷却すれば良いので、装置全体を大幅に小型化できます。しかし、これまでの高温超伝導体材料では、感度が不十分なため、極めて小さな心臓磁場を正しく検出することができないという課題がありました。

 今回、日立の超電導体技術で、高温超電導体では世界最高感度のセンサ*3)を開発し、心臓の磁場を観測するために十分な感度を得ることができました。また、心臓からの磁場は大変微弱なので、地磁気や外部の磁場の影響を遮断する磁気シールド室を小型化する必要がありました。今回、日立金属株式会社が開発したシート状の磁気シールド材を貼り付けた、床面積約1平方メートルという小型の磁気シールド室の開発に成功しました。 このシールド室は、回転扉によって出入りできる天井が開いた円筒状の構造となっているため、被検査者の方には圧迫感がなく、服を着たまま座って測定できます。

 これらの技術によって、可搬型の心磁計測の可能性を示すことができました。今後は、高温超電導体磁場センサの感度をさらに向上する努力を続け、健康診断や集団検診に使える未来の心臓疾患のスクリーニング検査装置として実用化を目指します。
 この開発は、経済産業省とNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の産学連携実用化開発助成事業の適用を受けて実施したものです。また、筑波大学(山口巖教授)、愛媛大学(木村錫一教授)に指導を頂いています。

【注釈】
(*1)心臓の磁場強度
 心臓からは数100fT〜数10pT程度の磁場が発生しています。fT(フェムトテスラ)およびpT(ピコテスラ)は10-15テスラ、10-12テスラです。地磁気の強度は、約50μT程度(μT:10-6テスラ)ですので、心臓の磁場は地磁気の約100万分の1以下ということになります。

(*2)SQUID(Superconducting Quantum Interference Device:超電導量子干渉素子)
 1つあるいは2つのジョセフソン結合を超電導ループに設けた磁気デバイス。このループに加えられる最大超電導電流値は、ループの中に閉じこめられた磁束により変化します。この変化は磁束量子単位(Φ0=2.07×10-15Wb)の周期的変化となり、非常に微弱な磁気に応答する特性を使い、超高感度磁気センサとして用いることができます。

(*3)高温超電導体では世界最高感度のセンサ
 材料は、イットリウム、ビスマス、銅、酸素を成分とする酸化物超伝導体です。組成や製造条件の最適な制御技術の開発によって、磁場感度として50〜100fT/√Hzを達成しました。



以上



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