日立トップページへ本文へジャンプJapan

グローバル・ナビゲーションここから
トップページ 製品・サービス 株主・投資家 採用・インターンシップ 日立の概要 お問い合わせ

グローバル・ナビゲーションここまで
ページタイトル
ニュースリリース


本文ここから
このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新のお問い合わせ先は、お問い合わせ一覧をご覧下さい。


2002年12月27日

動作クロック周波数80ギガヘルツの世界最高速の論理回路を実現

100nmSiGe HBTと0.13μm SiGe BiCMOS技術を開発


 日立製作所 中央研究所(所長:西野 壽一)およびデバイス開発センタ(センタ長:梅沢 正春)は、このたび、次世代の超高速通信用デバイスの実現に向けて、"100nm微細化SiGe HBT(シリコン・ゲルマニウム ヘテロバイポーラトランジスタ)"と"0.13μm SiGe BiCMOS(SiGe HBTとCMOS(相補型金属酸化膜半導体)を混載したデバイス)技術"を開発し、世界最高速の動作クロック周波数80ギガヘルツの論理回路を実現しました。本技術は、今後の超高速通信において必須のデバイス技術であり、次世代の光伝送用LSIやミリ波帯無線通信ICの実現に道を拓く技術です。

 インターネットや携帯電話の急速な普及により、高精細画像や動画などのデータ通信のニーズが高まるとともに、光伝送・無線通信システムにおける伝送データ量の大容量化が進んでいます。SiGe HBTは、これらの通信システムの信号処理に用いられる超高速電子デバイスとして開発が進められていますが、さらに大容量化が進む通信システムに対応するため、SiGe HBTの"高速性能の向上"はもちろんのこと、システム・コスト低減や装置小型化のニーズから、CMOSを混載した"高機能"のSiGe BiCMOSの開発が要求されています。しかし、現在、次のような課題により、従来どおりのデバイス構造やプロセス技術では限界がきていました。
(1)
SiGe HBTの高速化のためには、さらなる微細化が必須ですが、そうすると動作速度性能を劣化させる寄生抵抗が増加してしまうほか、素子特性のばらつきも増大する。
(2)
SiGe BiCMOS形成時に、SiGe形成プロセスの高熱処理により、CMOSの特性が劣化する。

そこで、今回、これらの課題を解決する微細化SiGe HBTと0.13μm SiGe BiCMOS技術を開発しました。開発した技術の特徴は次のとおりです。
(1)
SiGe HBTにおける寄生抵抗と特性ばらつきの低減:上部に向かって幅が広がる漏斗(じょうご)型構造のエミッタ電極を開発し、かつエミッタ・ベースの分離距離を縮小する構造としました。これによって、エミッタ抵抗とベース抵抗を小さくできるほか、トランジスタ特性のばらつきも低減できます。この技術によって、100nmのエミッタ幅を実現しました。
(2)
SiGe HBTと0.13μmCMOSの混載: SiGe HBTと0.13μmプラットフォームCMOSを混載する際、CMOSの性能劣化を抑制するために、低湿性酸化膜1)を採用し、低温でのエピタキシャル成長界面クリーニングを可能にしました。この結果、SiGeエピタキシャル層形成時に、0.13μmCMOSの素子特性を変化させることがなくなり、SiGe HBTを混載しない場合と同等のCMOS素子特性と信頼性を実現しました。

 本技術により、100nm微細化SiGe HBTでは、最小ゲート遅延時間4.9psのECL回路2)、動作クロック周波数80ギガヘルツの世界最高速の論理回路(スタティック型分周器3))を実現しました。また、0.13μm SiGe BiCMOSでは、遮断周波数4)が122GHz、最大発振周波数5)が178GHzという高速SiGe HBTを0.13μmプラットフォームCMOSに混載しました。

 今回開発した微細化SiGe HBTと0.13μm SiGe BiCMOS技術は、伝送速度が40Gb/sを超える光伝送システムやミリ波帯の大容量無線通信システムなどの次世代のIT技術を支える超高速・高機能デバイスの基本技術です。すでに開発したSiGe HBTもしくは0.18μm SiGe BiCMOSの一世代先の技術として、2003年2Qでの量産適用を予定しています。
 なお、本成果は、12月9日から米国サンフランシスコで開催される電子デバイスに関する国際会議「2002 International Electron Devices Meeting」にて発表する予定です。


【注釈】
1)
低湿性酸化膜:高密度のプラズマ反応を用いて形成した酸化膜。通常の熱分解反応を用いる化学的気相成長(Chemical Vapor Deposition)法により形成した酸化膜に比べて、膜内に含まれる水分子の量が少ない。SiGe層のエピタキシャル成長前に行う界面クリーニング時に、エピタキシャル成長を阻害する界面酸化膜の形成を抑制でき、低温でのエピタキシャル成長を可能にする。
2)
ECL回路:エミッタ結合型論理回路
3)
スタティック型分周器:直流から高周波まで幅広い動作周波数範囲を有する分周器。ある一部の周波数領域でしか動作しないダイナミック型分周器に比べて、適用できるシステムの応用範囲が広い。
4)
遮断周波数:素子が電流を増幅できる最高の周波数で、デジタル回路の高速動作性能を示す指標。
5)
最大発振周波数:素子が電力を増幅できる最高の周波数で、アナログ回路の高速動作性能を示す指標。



以上



アクロバット・リーダーのダウンロードページ PDF形式のファイルをご覧になるには、Adobe Systems Incorporated(アドビシステムズ社)のAdobe(R) Acrobat(R) Readerが必要です。
本文ここまで


キーワード検索

by Google  
ローカル・ナビゲーションここから

総合

経営
決算
コメント
人事
研究開発

半導体・ディスプレイデバイス
情報通信
サーバ
ストレージ
パソコン及び周辺機器
ソフトウェアプロダクツ
システムインテグレーション・サービス
通信システム
電力・産業システム
電力
産業機械
交通システム
ビルシステム
サービス
計測器・半導体製造装置
デジタルメディア
白物家電
新規事業ほか
ローカル・ナビゲーションここまで


フッタ項目

  サイトの利用条件  |  個人情報保護ポリシー  |  お問い合わせ
ページの先頭へ 


(C) Hitachi, Ltd. 1994, 2002. All rights reserved.