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2001年12月20日

 

 
テレビ画面をクリックすることにより、画像を共有化してチャットで会話する技術を開発
−テレビ画像を用いた新しいコミュニケーションスタイルを提案−


  日立製作所中央研究所(所長:武田 英次 以下、日立)は、この度、別々の場所で同じテレビ番組を見ている人どうしが、画面の情報を共有し、その話題についてチャット(※1)で会話できる、新しい形のコミュニケーション技術を開発しました。この技術は、インターネットに接続したテレビチューナ内蔵パソコンを用いて、相手がクリックしたテレビ画面の情報をもとに、同一のサムネール画像(※2)を作成し、画像を共有化する方法です。相手がテレビ画面のどこを指し示しているかを互いに把握しながらチャットで会話できる、次世代のコミュニケーション技術です。日立では、学会活動や広報活動などによって、本技術を生かした新たなコミュニケーションスタイルを広く提案していきます。

  家庭用パソコンの高機能化・高性能化にともない、テレビ放送をハードディスクに蓄積し、録画しながら過去のシーンに溯って再生する、タイムシフト機能付きテレビチューナ内蔵パソコンが普及しつつあります。また、ブロードバンド時代の到来とともに、インターネットへの常時接続(※3)の環境が急速に整いつつあり、テレビを見ながらインターネットで番組関連情報にアクセスするような視聴形態が少しずつ増えてきています。

  このような背景のもと、日立では、テレビ画像を用いた新しいコミュニケーションの可能性を拓く技術として、画面上の同じ対象に興味を持つ視聴者がリアルタイムに情報交換できるテレビ番組の情報共有技術を提案しました。技術の特長は以下の通りです。

1.テレビ視聴者マッチング方式
(1) テレビチューナ内蔵パソコンに映し出されたテレビ画面上に、視聴者の選択範囲を示す円形状のマウスポインタを表示します。
(2) 視聴者が、このマウスをクリックした時点の、1)放送チャンネル番号、2)放送時刻、3)マウスポインタが指し示す円の中心座標(x、y)と半径(r)、の各パラメータを取得してインターネット経由でポータルサーバ(*4)に伝送します。
(3) ポータルサーバ側で他の視聴者から伝送された同様の各パラメータと照合することにより、同じテレビ番組の同じ対象をマウスポインタでクリックした視聴者とチャットをできるようにします。これによって、テレビ番組のコンテンツ情報について話題を交換することを可能とするものです。
2.サムネール画像共有方式
(1) 前記 1) 2) 3) の各パラメータを、ポータルサーバ経由で他の視聴者のパソコンに伝送します。
(2) これを受信したパソコン側で、ハードディスクに録画された画像データからサムネール画像を作成して表示します。これによって、サムネール画像を伝送することなく、チャットをしている相手が画面のどこを指し示しているかを互いに把握できるようになります。

  今回提案した技術は、従来のアナログテレビ放送だけでなく、今後の普及が予想されるデジタルテレビ放送や、インターネットを利用したビデオストリーミング放送などに対しても同様に適用できるものです。日立では、本技術をテレビ放送をきっかけとした、新しい形のコミュニケーション手法を拓くものと位置づけており、放送業界を初めとする幅広い業界の意見をききながら、広く提案していきたいと考えています。

【用語説明】
(1)チャット:キーボードなどによる文字入力を主体とした、コンピュータネットワーク経由のリアルタイムな会話のやりとりのこと。最近では、音声や画像を伴って会話できるチャット技術も開発されている。

(2)サムネール画像:サムネール(親指の爪)くらいのサイズに表示された縮小画像のこと。転じて、オリジナルのサイズよりも縮小された画像のことを、一般にサムネール画像と呼ぶ。

(3)ポータルサーバ:ポータルとは玄関の意味であり、インターネットでホームページを見る際や特定のサービスに入る際に、最初に表示されるホームページを提供するコンピュータシステムのこと。

(4)常時接続:パソコンなどの端末装置が、コンピュータネットワークに常に繋がっている状態のこと。通信事業者が提供するインターネット常時接続サービスには、ネットワークの使用時間やネットワーク上を流れるデータ量に関わらず月額固定料金の場合もあり、今後急速に利用が広まると期待されている。

以 上




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