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2001年12月12日

 

 
次世代標準開発プラットフォーム「T-Engine」への取り組み
  日立製作所 半導体グループ(グループ長&CEO 長谷川 邦夫)は、TRON(注1)プロジェクトで企画している次世代の標準開発プラットフォームを推進する「T-Engine プロジェクト」に参画し、今後、プロジェクトでの更なる積極的な活動に取り組んで行きます。

<背景>
  近年、組み込み機器に搭載するソフトウェアは、システムの高機能化にともない、プログラムサイズの大容量化が進んでいるのに対し、その開発基盤は、対応が充分とは言えない状況にあります。マイクロプロセッサは、高性能であるとともに低消費電力化への対応、ソフトウェア開発では、リアルタイムOS(Operating System)の活用やソフトウェア部品の流通化、ネットワーキング、セキュリティへの対応、また、開発環境としては、コンパクトでより実際の機器に近い環境が求められるようになります。「T-Engineプロジェクト」はこれらの課題への解決を図るもので、当社は「T-Engine」の構想に基づき、これに対応した試作品を開発しました。

<SuperHTM(注2) 「T-Engineボード」の概要>
  開発した「T-Engineボード」の概要は、以下のとおりです。
(1) マイクロプロセッサは、SuperHファミリのCPUコア「SH3-DSP」を内蔵したSH7727を搭載。
(SH7727は、MMU(Memory Management Unit)、DSP、LCDコントローラ、USB(Universal Serial Bus)、PCMCIAコントローラを内蔵)
(2) PCカードインタフェース、USBインタフェース、LCDパネル、電源制御機構(バッテリ機能を含む)、eTRON(注3)インタフェース、拡張ボードなど各種インタフェースや機能を搭載。
(3) ポケットサイズ(120mm×75 mm)と非常にコンパクトでありながら、高機能、高性能を実現。
(4) LCDパネルを、携帯電話、電子ブックなど用途向けに用意。
(5) 拡張ボードとして、イーサネット等の各種ネットワークや大画面モニタ接続用を準備。
さらに、「T-Engineボード」に搭載するSuperHファミリの展開として、マルチメディア対応の次世代携帯電話向けに適したアプリケーションプロセッサ(低消費電力機能、画像処理アクセラレータなどを内蔵)を予定しています。

  また、ソフトウェアとしては、T-Kernel(ITRON(注4)仕様OS相当)、T-Monitor(ブート機能、デバッグ機能をサポートするモニタ)および各種ドライバソフトを準備しており、上位ミドルウェアとして、画像処理用のMPEG-4やJPEG、ネットワークプロトコルのTCP/IP、また高速インタフェースのUSBなどを搭載して評価中です。上記整備を更に推進して、2002年2Qから、関連会社およびパートナーベンダと協調して提供開始する予定です。

  今後、当社は、「T-Engine」に対応して更に各種ミドルウェアを拡充し、ユーザがそのまま使用可能な環境を実現させることができるミドルウェアの流通の整備を推進します。またSuperH用のパワーマネージメント機構、メモリマネージメント機構、セキュリティ評価システムを整備し、次世代携帯電話、電子ブック、車載情報端末、情報家電などの開発プラットフォームとしてSoC(System on Chip)対応と並行して推進し、ソリューション提供によってビジネス拡大を図ります。

(注1) TRONは、“The Real-time Operating system Nucleus” の略称で、理想的なコンピュータアーキテクチャの構築を目的として、1984年に、東京大学の坂村健博士によって提案されたリアルタイムOS仕様。
TRONプロジェクトのホームページURL:http://www.tron.org/
(注2) SuperHTMは、(株)日立製作所の商標です。SuperHマイコンは、当社独自のアーキテクャによる組み込み機器向けの高性能RISCマイコンです。
(注3) eTRONは、“entity TRON”の略で、電子マネーや電子チケット、電子決済などの電子実体を、ネットワークを通して安全に移動(譲渡)できる機構です。eTRONインタフェースは、このeTRONデバイスとのインタフェースです。
(注4) ITRONは、“Micro Industrial TRON”の略称です。

以 上




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