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2001年10月11日

株式会社日立製作所
旭光学工業株式会社
両面記録容量100ギガバイトの次世代DVD用光ヘッド技術を共同開発
−1枚で対応可能な対物レンズと焦点補正機能により信頼性を向上−
 
1枚構成の次世代高密度DVD光ヘッド用対物レンズ

  
株式会社日立製作所  中央研究所(所長:武田英次、以下日立)と旭光学工業株式会社  研究開発センター(所長:小川良太、以下旭光学)は、次世代高密度DVD(Digital Versatile Disk)に向け、対物レンズ1枚で高分解能かつ高信頼性を実現する光ヘッドの基本技術を共同開発しました。
  本技術は、光ヘッドの信頼性を飛躍的に向上させるとともに、光ヘッドの低価格化を可能とするもので、現行のDVDと同じ直径12cmサイズで両面100ギガバイトの記録容量を実現する基本技術となります。

  現在、  パーソナルコンピュータや情報家電向けの記録メディアとして実用化されているDVDは、直径12cmのディスク片面で4.7ギガバイトの記録容量となっています。さらなる大容量・高密度化に向けた研究開発では、記録密度を向上させる主要技術として、(1)記録再生用光源の短波長化(注1)、(2)光ヘッド用対物レンズの高分解能化(注2)、(3)ディスク記録層の多層化(注3)の3つがあげられます。これらの技術により次世代高密度DVDでは、短波長化と高分解能化を用いることで、直径12cmディスクで片面25ギガバイト(注4)、さらに2層化を組み合わせることにより両面で100ギガバイトの記録容量が期待できます。

  現行のDVD用光ヘッドには、1枚の対物レンズを使用していますが、次世代高密度DVDで求められる高分解能化を1枚のレンズで実現することが加工技術上難しいため、上下に2枚のレンズを組み合わせる方法が提案されてきました。しかしこの方法では、2枚のレンズの間で数ミクロンの調整が必要になり、また光ヘッドをディスクに近づけてわずか0.15mmを保たなくてはならないことから、レンズとディスクの衝突が危惧され、高信頼性の実現が難しいとされていました。

  この度の技術は、旭光学がガラスモールドによる高分解能対物レンズを、また日立が光スポットのゆがみを自動的に検出して補正する自己補正型光ヘッド制御方式を開発し、この2つの技術を融合することで、1枚の対物レンズで高分解能かつ高信頼性を実現する光ヘッドの基本技術を実現しました。
  旭光学が開発した対物レンズは、1枚のレンズで従来の2枚構成のレンズと同等の性能を実現します。レンズが1枚になることにより、レンズ間の調整が不要となり、また、レンズとディスクの間隔を0.7mmまで広げることができることから、レンズとディスクの衝突による信頼性の低下を避けることができます。
  日立が開発した自己補正型光ヘッド制御方式は、高密度DVDの厚みむら、傾き、光学部品のわずかな調整ずれ、温度や湿度の変化で生じる経時的なずれなどによって生じる光スポットのゆがみを、補正することを可能にしました。

  なお、本技術は10月16日から台湾で開催される光メモリに関する国際会議「International Symposium on Optical Memory (ISOM) 2001」にて発表する予定です。



【用語解説】
注1: 記録再生用光源の短波長化:現在、DVDでは650ナノメートルクラスの赤色レーザが用いられているが、次世代の記録再生用光源としては、400ナノメートルクラスの青紫色レーザが期待されている。
注2: 対物レンズの高分解能化:顕微鏡などの対物レンズの分解能性能は開口数(NA:Numerical Aperture、焦点に集光される光線の最大入射角度のsin値)で表され、NAが大きいほど分解能が高い。光ディスクの記録密度は、NAの2乗に比例する。
注3: 記録層の多層化:ディスクの記録層を複数設け、各層に独立に対して独立に情報の書き込み、読み出しを行い、大容量化を図るもの。2層のDVD−ROMも、実際に市販されている。
注4: 従来のDVDと比べると、短波長化では赤色レーザ(波長650ナノメートル)を青紫色レーザ(波長 400ナノメートル)とすることで約2.6倍、高分解能化では開口数を0.6から0.85とすることで約2倍、合わせて約5.3倍の記録密度となる。


以 上




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