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2001年9月26日
 
新幹線電車の先頭部分など
流線的な三次元曲面の構造体に適した機械
加工工法を開発

  日立製作所 電力・電機グループ(電機部門CEO:住川 雅晴)は、このたび、新幹線電車の先頭部分をはじめとする流線的な三次元曲面構造体の機械加工について、3次元CAD/CAMや高速5軸加工機を使用して、素材板を曲面板に成形後、リブと面板とを一体で曲面パネルに高速切削する工法を開発しました。本工法を用いた場合、構造体の精度向上や軽量化が図れます。

  近年、新幹線電車をはじめ高速での走行を求められる車両の先頭部は、騒音や振動をできるだけ抑えるために先頭部を先鋭化するなど複雑な曲面構造を採用するケースが増えています。こうした構造体の製作は、従来、厚さ6ミリ程度のアルミ板で骨組みを作成し、その骨組みに沿って厚さ2〜3ミリのアルミ板を何枚も接合していました。しかし、アルミ板はあらかじめ成形加工を行うものの、接合時の溶接によって歪みが発生するため、ハンマーなどで板を叩くことでその歪みを取り除くことが必要で、こうした作業は、熟練技能者の作業によって行われてきました。

  当社では、こうした作業の改善を目的に、3次元CAD/CAMなどを用いて機械加工する工法を開発しました。具体的には、構造体の3次元モデルを作成し、必要な強度解析を行いながら、リブ(*)の高さや構造を決め、複数個のパネルに分割します。このパネルの3次元CADデータから、曲面板を成形するための成形型やパネル加工のNCデータを作成します。素材平板を曲面板に成形後、リブ形状作製のため、3次元CAMで作成したデータを用いて高速5軸加工機で切削を行います。
  本工法では、曲面板に成形後に高速切削することから、歪みの発生防止が行えるほか、リブと面板とを一体で削り出すので剛性が高く、軽量化を実現します。当社では、本工法を来年の電車製造から利用する予定です。
(*)リブ:部品や構造物などの堅牢性を増すための補強骨

  当社は、図面作成業務や設計工数の削減、設計リードタイムの短縮などを目的に設計、生産におけるIT化を進めています。鉄道車両に於いては、ITとアルミ接合技術を駆使した次世代アルミ車両システムであるA-Train」をはじめ当社の製造する全ての鉄道車両のデザインからモデルの設計、車両の構体の強度解析、NCデータの作成や営業活動など分野で、3次元CAD/CAE/CAMを活用しています。

  本製品は本日(9月26日)から3日間、主に鉄道事業者向けに開催するHITACHI Rail Tech 2001」にて展示します。

以 上




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