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2001年9月20日
 
「SH2-DSP」コアを搭載したSoC用のエミュレータを製品化
-- 実チップの試作前に、SoCデバイスの検証が実現でき、システム開発期間の短縮が可能 --
「SH2-DSP」コアを搭載したSoC用エミュレータ
左:SoC用エミュレータ 右:既存のエミュレータ「E20」

  日立製作所 半導体グループ(グループ長&CEO 長谷川邦夫)は、このたび、SuperHTM(注1) RISCマイコンの「SH2-DSP」コアを搭載するカスタムのSoC(システム・オン・チップ)向けの開発ツールとして「SoCエミュレータ」を製品化し、2001年12月から販売を開始します。
  本エミュレータは、CPUコア「SH2-DSP」のエバチップと周辺モジュールやユーザ論理回路等の書き込みができるFPGA(Field Programmable Gate Array)を搭載しており、SoCデバイスと同等の機能を実現できます。これにより、実チップの試作前に、SoCデバイスをユーザシステムに接続した状態で検証でき、ユーザにおけるシステムのソフトウェアおよびハードウェアの開発期間短縮が可能です。

  現在、マイコンを使用するシステムの開発においては、基板などのハードウェアやシステムプログラムなどのソフトウェアのデバッグツールとして、実機能動作をさせて検証することができるインサーキットエミュレータが主流となっています。当社は、これまでSuperHマイコンの標準品を使用するシステムの開発用エミュレータとして、E10、E20、E8000等を製品化してきました。一方、カスタムLSIのように、周辺モジュールやIP(Intellectual Property)、ユーザが設計した論理回路等を搭載するカスタムのSoCデバイスについては、シミュレータや論理エミュレータなどソフトウェアでの検証であったため、実際のデバイスに比べて動作速度が遅く、また周辺機能のハードウェアのデバッグができないという問題がありました。このため、カスタムのSoCデバイスの開発用に、高速動作で実機能動作ができ、低価格でかつ使い勝手の良いエミュレータへの強いニーズがありました。

  今回の「SoCエミュレータ」は、このようなニーズに対応する製品で、以下の4種類のボードで構成しており、既存のエミュレータであるE10A、E20、E8000Sと接続して使用します。
本製品の構成と特徴は以下のとおりです。
<構成>
(1)エバチップボード[165×220×20(mm)] :「SH2-DSP」コアのエバチップを搭載したメインボード
(2)FPGA拡張ボード[100×145×10(mm)] :(3)のFPGAボードを接続する拡張ボード
(3)FPGAボード[165×185×20(mm)] :論理回路書き込み用のFPGA搭載ボード
(4)E8000S接続用デバイスコントロールボード[141.8×254×20(mm)]:E8000S接続用ボード

<特徴>
(1) FPGAボードの搭載による実チップと同等機能の実現
1枚のボードに、2つの周辺モジュールまたは200Kゲートの回路を構成できるFPGAを搭載し、最大6枚まで接続可能。FPGAにはSuperHマイコンの内部バスおよび外部バスを接続しており、SoCデバイスに内蔵する周辺モジュールや論理回路をFPGAで構成することができ、実チップと同等の機能を実現可能。また、アナログインタフェースなどFPGAで実現できない機能をFPGAボード上に拡張することも可能。
(2) 最大80MHzの動作周波数によるリアルタイムトレースが可能
動作周波数が最大80MHzの「SH2-DSP」を搭載し、SoCデバイスのリアルタイムでの動作検証が可能。また従来検証できなかったSoCデバイスに内蔵する回路のハードウェアデバッグが実現可能。
(3) リアルタイム動作によるソフトウェアの開発効率向上
OSやOS上で動作するミドルウェアやアプリケーションソフトウェアをリアルタイム動作でデバッグできることから、ソフトウェアの検証時間が短縮し、開発効率が向上。
(4) 開発レベルに応じ、既存エミュレータとの最適な組み合わせが選択可能
本製品は、既存のエミュレータのE10A、E20、E8000Sと組み合わせて使用し、フル機能のE8000S、コンパクトなE20、カード型のE10Aと開発レベルや内容に応じて最適な組み合わせを選択可能。また、小型化を図ってユーザシステムに接続し易くするなど使い勝手を向上。

  ホストコンピュータは、Windows(R)(注2)対応PCが可能で、インタフェースはISAバス、PCIバス、PCMCIAバスおよびLANインタフェースを準備しており、今後、USBインタフェースについても開発する予定です。ユーザインタフェースとしては、C++コンパイラやデバッガ、リンカなど各種のソフトウェアを連結した当社の統合開発環境HEW(Hitachi Embedded Workshop)を提供しており、効率の良い開発を行なうことができます。

今後は、更なる使い勝手の向上を図った製品や他のCPUコア対応製品の開発を進めて行きます。

(注1)SuperHTM SuperHは(株)日立製作所の商標です。
(注2)Windows(R) Windowsは米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。


■価格


■仕様

以 上




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