(2)ストレージセントリックネットワークの主な特長 |
ストレージセントリックネットワークの主な特長は以下の通りです。 |
(1) |
OS、アプリケーション、データの全てを大容量ストレージに集約するため、上記のPC管理をオペレータに一元化でき、運用コストを大幅に削減することができる。 |
(2) |
大容量ストレージ内のOSやアプリケーションにセキュリティパッチを適用することで、全てのクライアントPCへのセキュリティパッチを適用することができ、ワームやウィルスの流行を未然に防ぐことが可能となる。 |
(3) |
万が一PCが盗難されたり、置き忘れた場合でも、PC内にファイルを保管していないことから、企業の機密情報の漏洩を防ぐことが可能となる。 |
(4) |
クライアントPCとストレージの接続には、最新のIPストレージ技術(*2)iSCSI(*3)を使用しており、広域イーサネットやIP-VPN(*4)を利用した広域接続が可能となる。更に災害発生時には、遠隔地に保存したバックアップデータからクライアントPCを起動することで、企業ITシステムを迅速に復旧することができる。 |
ストレージセントリックネットワークの実現に向けては、従来、PC内だったストレージへのアクセスがLANや広域ネットワークを介することにより、そのレスポンスが低下する等、多くの技術的課題があります。これら技術的課題を解決するため、NTTの端末/ユーザ認証技術(*5)やネットワークトラフィックの輻輳回避技術(*6)等のIPネットワーク制御技術、及び日立のストレージデータへの高速アクセス技術やストレージ管理技術等のストレージ制御技術を組み合わせて、ストレージセントリックネットワークの共同開発を進めていきます(図2 PDF参照)。 |
<用語解説> |
*1 BC/DR(Business continuity/Disaster recovery) |
自然災害・人為的災害やテロに対応して可能な限りノンストップ稼動を維持して事業活動の続行・再開・復旧させるために、事前に計画・準備し継続的メンテナンスを行う一連のプロセスとシステム |
*2 IPストレージ技術 |
iSCSI等を使用し、IPネットワークを介してストレージアクセスを可能とする技術 |
*3 iSCSI |
ストレージアクセス用プロトコルとして広く普及しているSCSIコマンドをIPネットワーク上で運ぶための標準化プロトコル |
*4 IP-VPN |
広域IPネットワークを介して構築される仮想私設通信網(VPN) |
*5 端末/ユーザ認証技術 |
パスワードや認証キーなどを用いて、正規の端末、正規のユーザであることを確認し、成りすましなどによる不正使用を防止する技術 |
*6 ネットワークトラフィックの輻輳回避技術 |
ネットワークの輻輳によるホストコンピュータ間の通信レスポンスの低下を回避する技術 |
*7 「死の谷」(The Valley of Death) |
研究開発活動の成果が、事業化可能か否か判断の見極めが困難となり、事業に繋がらないという研究段階から市場投入に移るまでのギャップの比喩表現 |