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2001年3月21日
株式会社 日立製作所
日製産業株式会社
日立設備エンジニアリング株式会社
新接合法の摩擦攪拌接合技術の販売を開始
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日立グループで摩擦攪拌接合技術のトータルソリューションを提供
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  株式会社 日立製作所(以下、日立製作所)、日製産業株式会社(以下、日製産業)、日立設備エンジニアリング株式会社(以下、HISEC)は、このたび、日立製作所日立研究所が開発した摩擦攪拌接合(FSW:Friction Stir Welding)技術に関する装置の販売および、テクノロジーソリューションサービスを、3月21日から開始します。
  本サービスは、様々な素材を摩擦攪拌接合するための装置販売や技術開発、ノウハウの提供等の受託研究業務であり、技術開発、支援については日立製作所日立研究所、装置の設計、製作、保守・サービスはHISEC、販売は日立製作所と日製産業が行います。

  摩擦攪拌接合技術は、回転する工具を接合する材料に挿入し、接合部に沿って工具を回転移動させることで接合できる革新的な接合方法です。接合する材料と回転する工具の間で発生する摩擦熱で材料を軟化させると同時に、工具の回転により材料を混ぜ合わせることで接合できます。この接合方法は、従来のアーク溶接やレーザー溶接とは全く異なり、材料を溶かさないで接合できるため、接合後の変形もアーク溶接の1/10以下と極めて小さく、かつ接合欠陥が極めて小さいため、製品の高品質化と低コスト化を実現できます。また、アーク、ヒューム、粉塵などの発生もなく、地球環境にも優しい接合法のため、自動車をはじめ各産業界で注目されています。

  日立製作所日立研究所は、摩擦攪拌接合技術の基本原理を発明したTWI(The Welding Institute/イギリスの公立溶接研究所)との共同研究に参画し、FSWの基礎研究並びに各製品に適用するための生産技術を開発してきました。これらの技術開発により、平成9年からアルミニウム製鉄道車輌をはじめとする各製品に適用し、品質向上に大きな成果をあげています。
  また、これまで接合できる材質は、融点の低いアルミニウム合金のみでしたが、新たに融点の高い銅などの接合技術や複雑な曲面構造の接合も可能な三次元接合装置を開発し、FSW装置及び技術の高度化を図りました。

  今回販売する装置は、標準機として平面の直線部分を接合する一次元接合装置、同じく平面の 曲線部分を接合する二次元接合装置、任意の曲面を接合する三次元接合装置の3種類です。3種類の標準機を基本に、ユーザーのニーズに応じてカスタマイズして設計・製作します。
  装置価格はカスタマイズにより異なりますが、材質がアルミニウムで厚みが1〜6ミリメートル程度の平板を直線接合するタイプでは2000万円〜となります。
  FSWに関する基本特許はTWIが権利を保有しておりますが、装置を利用するユーザーは、TWIと別途特許契約をする必要はありません。(TWIより日立製作所日立研究所がライセンスを許諾されている範囲で必要な手続きを代行します。)

■摩擦攪拌接合の特徴
アルミニウムをはじめ、銅、マグネシウム、鉄などの材料を接合できます。
材料を溶かさないで接合するため、接合時の温度が低くなります。このため、接合後の熱変形が小さく、溶接後の部材の寸法精度が向上します。これにより、溶接後の変形修正作業を省略できるため、コストを大幅に低減できます。
接合部分の割れや球状の穴などの欠陥が極めて少ないため、接合部の強度はこれまでの溶接手法と比べて優れており、信頼性の高い接合ができます。
騒音、閃光、金属蒸気の発生がないため、作業環境が向上します。

■摩擦攪拌接合装置(標準機)の特徴
材料の厚み:1ミリメートルオーダから数十ミリメートルオーダ。
接合速度:1メートル毎分程度。
接合部の継ぎ手形状:突合せ継ぎ手、重ね合わせ継ぎ手など。
接合材の形状:平板、円筒のほか、曲面形状など。
オプションとして、各種センサー類、NC装置および材料の搬入、搬出装置などの周辺設備を選択することができ、生産ラインの全自動化が可能です。

■用語説明
ヒューム:金属およびその化合物の蒸気
NC装置:(Numerical Control) 数値制御により装置の動作を制御する装置。

以 上




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