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2001年2月26日
業界初、波長635nm帯で定格光出力35mWを実現した
赤色高出力レーザダイオードを製品化
-レーザマーカの使用範囲の長距離化や、
センサ搭載機器の測定の高速化が可能-
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  日立製作所 半導体グループ(グループ長&CEO 石橋 正)は、このたび、レーザレベラなどのマ
ーカ用途、および光ファイバチェッカなどのセンサ用に、業界で初めて波長635nm帯で定格光出力
35mWを実現した赤色高出力レーザダイオード「HL6323MG」を製品化し、2001年3月よりサンプル
出荷を開
始します。
  本製品の高出力化により、レーザマーカの使用距離を長くでき、センサ搭載機器の測定の高速化
が可能となります。また、動作温度50℃の実現と動作電流(Iop) 95mA(Po=30mW, Tc=25℃:Typ.)
の低消費電流により、ユーザは当社従来品の使用環境を維持できると共に、従来と同等の放熱設計
で使用可能です。

<背景>
  レーザダイオードは、自然光には無い、レーザ光独自の単色性(単一波長発振)・指向性(直線性)
の他、他のレーザ材料品よりも小型である等の利点のため、デジタル情報機器や光ファイバ通信な
どの分野で応用されています。特に、波長800nm未満の赤色可視領域では、視感度の向上や光ディ
スク装置の高密度化に向けた短波長化が図られ、現在では635nm帯までが実用化されています。
  波長635nm帯では、近年、定格光出力15mWの赤色レーザダイオードが製品化されたことにより、
その視感度の良さからレーザマーカ用に広く用いられてきました。当社でも既に、波長635nm帯で
定格光出力15mWの「HL6321/22G」を量産しています。しかし、使用範囲の長距離化のために、一
層の高出力化が求められてきています。
また、光ファイバチェッカやチップマウンタなどの位置制御センサとしても応用されており、測定
の高速化のために、さらなる高出力化が求められつつあります。

  当社ではこうしたニーズに対応するため、DVD-RAMなどの光ディスク装置用に現在量産中の高出
力品「HL6503MG」(波長660nm帯で定格光出力50mW)を開発する際に培った技術を応用し、波長635nm
帯で定格光出力35mWを実現した赤色高出力レーザダイオード「HL6323MG」を製品化しました。

<製品について> 
  本製品は、活性層厚や端面反射率などの構造パラメータを最適化することにより、業界で初めて
波長635nm帯での定格光出力35mWを実現しました。これにより、レーザマーカの使用範囲の長距離
化、および位置制御センサの高速化が図れます。
  また、動作電流を低減するため、歪多重量子井戸(MQW)構造(注)および導波路構造の最適化など
を行い、従来の「HL6321/22G」に対し、動作電流(Iop)を規定するパラメータである、しきい値電
流(Ith)およびスロープ効率(ηs)を約20%低減しました。
このため、高出力を実現しながらも動作電流(Iop)を95mA(Po=30mW, Tc=25℃:Typ.)に抑えること
ができると共に、「HL6321/22G」と同等の動作温度50℃を実現しました。
ユーザは従来と同等の放熱設計で使用できると共に、従来の使用環境を維持したまま、使用範囲の
長距離化およびセンサ搭載機器の測定の高速化が図れます。

  パッケージは、光ディスク装置用として標準的な5.6mmφの小型パッケージを採用しており、機
器の小型化に適しています。またモニタ用フォトダイオードを内蔵しており、容易にAPC(オートパ
ワーコントロール)回路を構成できます。

  本製品により、波長635nm帯としては、ポインタ用途の定格光出力3mW品から高出力の35mW品まで
ラインアップを拡充しました。今後は、動作電流値の低減化などの高付加価値化を図っていきます。

(注)歪多重量子井戸(MQW)構造:MQW(Multi-Quantum Well)構造は、レーザダイオードの活性層を、
厚さ数nmの量子井戸層と障壁層の積層構造としたものです。発光領域となる量子井戸層の組成を調
整し、基板よりも格子定数の小さい結晶とする事により、量子井戸層には引張り歪が導入されます。
この歪によってバンド構造が変化する事で、しきい値電流の低減、およびスロープ効率の増加が図
れます。
      
■応用機器
●レーザマーカ(レーザレベラ、墨出し器など)
●レーザセンサ(光ファイバチェッカ、チップマウンタなど)
●教育・実験用機器
■ 価 格
製 品 名サンプル価格(円)
HL6323MG19,000

■仕 様 1.絶対最大定格(Tc=25±3℃)
項 目記 号定格値単 位
光出力Po35mW
光出力(パルス)Po(Pulse) 50*mW
LD逆電圧VR(LD) 2V
PD逆電圧VR(PD)30V
動作温度Topr-10〜+50
保存温度Tstg-40〜+85
(*)パルス条件:Pw=100ns、duty=20%
2.電気的光学的特性(Tc=25±3℃)
項 目記 号Min.Typ.Max.単位測定条件
光出力Po35--mWキンクフリー*
光出力(パルス)Po(Pulse)50--mWキンクフリー*
しきい値電流Ith304565mA
スロープ効率ηs0.40.60.9mW/mA18(mW)/(I(24mW)-I(6mW))
動作電流Iop-95130mAPo=30mW
動作電圧Vop-2.32.8VPo=30mW
ビーム拡がり角
(水平)
θ//78.511degPo=30mW
ビーム拡がり角
(垂直)
θ⊥263034degPo=30mW
発振波長λp635639642nmPo=30mW
モニタ電流Is0.050.150.25mAPo=30mW、VR=(PD)=5V
*キンクフリーは25℃の温度において確認したものです。



                                             
                                                                        以 上




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