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平成12年4月5日
1平方インチ当り52.5ギガビットの垂直磁気記録方式を開発
−ハードディスクの大容量化・小型化に道を拓く−
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 日立製作所と超先端電子技術開発機構(ASET)は、東北大学電気通信研究所と秋田県
高度技術研究所(AIT)の指導を得て、面記録密度52.5ギガビット/平方インチ
(8.14ギガビット/平方センチメータ)を実現する垂直磁気記録方式の開発に成功しま
した。垂直磁気記録は、東北工業大学の岩崎学長によって提唱されたハードディスクの大容
量化・小型化を実現する次世代の記録技術であり、現行の面内記録方式を越える記録密度で
記録・再生を実現したのは、これが世界初です。本成果により垂直磁気記録方式の実用化が
加速されると言えます。
 なお、本研究成果の一部は通産省プロジェクト「超先端電子技術開発促進事業」の一環と
してNEDOから委託されて実施したものです。

 近年、インタネットの普及によりPC(パーソナルコンピュータ)を用いて大容量の映像
や音声信号処理が頻繁に行われるようになるとともに、ハードディスクに要求される記憶容
量がますます増大しています。現在市販されているハードディスクは横方向の磁化を利用し
た面内磁気記録方式ですが、熱揺らぎ効果*1)により1平方インチ当たり50〜100ギガ
ビットの面記録密度が限界と言われています。これに対して垂直磁気記録方式は、面内記録
方式の限界を超える高密度記録を可能とする方式であり、1975年に岩崎俊一東北大学名誉教
授(現 東北工業大学学長)により提案され、引き続き東北大学の中村慶久教授、AITの
大内一弘所長らのグループによって研究開発が進められてきた日本で生み出された技術です。
この記録方式は、基本的に“単磁極型記録ヘッド”と“二層膜媒体”によって高密度記録を
実現する技術です。しかし、実用的に十分な記録密度を達成するためには、低密度で書き込
んだ信号出力の減少、浮遊磁界に対する耐力不足という課題を解決する必要がありました。

 今回、日立製作所と東北大学電気通信研究所、ならびにAITは、高密度垂直磁気記録方
式の実現を目指して、新たに記録・再生ヘッド技術、媒体技術、信号処理技術、設計技術を
開発し、52.5ギガビット/平方インチ)*2(8.14ギガビット/平方センチメータ)
の面記録密度を達成致しました。
 今回達成した記録密度は、直径2.54センチメータ(1.0インチ)の小型ディスクで、DVD
に匹敵する5ギガバイトの記憶容量を実現するものです。本成果はコンピュータの記憶装置
分野のみならず、この大容量化・小型化の特徴を生かし、携帯電話をはじめとするデジタル
情報家電分野へのアプリケーション拡大が期待されます。
  日立製作所では、今回の成果を平成14年に製品化を計画している面記録密度が12.4
〜15.5ギガビット/平方センチ(80〜100ギガビット/平方インチ)級のハードデ
ィスクから順次採用していく予定です。本成果は4月10日よりカナダのトロント市で開催
される国際応用磁気学会(インターマグ2000)で発表されます。なお、本研究は日本学術振
興会 未来開拓学術研究推進事業の一環としても行われています。

<技術の詳細>
(1) 記録ヘッドは、東北大とAITで開発された単磁極型薄膜ヘッドを高性能化した構造
       で、主磁極には飽和磁束密度が19キロガウスの高飽和磁束密度合金が採用されてい
       ます。また再生ヘッドは、高感度GMRヘッドです。トラック幅は記録ヘッドが
       0.25ミクロン、再生ヘッドが0.20ミクロンで、再生ヘッドのシールド間隔は
       80ナノメートルです。
(2) 媒体は、二層膜媒体をベースに新たに開発した記録層の結晶配向制御技術、ならびに
       結晶粒微細化技術によって低ノイズ化と熱安定性とを両立させています。
(3) 垂直記録特有の矩形状の再生波形を、新たに開発した信号処理方式で処理し、記録再
       生時に実用的(1.0E−6以下)なエラーレートを確保できる事を確認しています。
(4) 単磁極型ヘッドと二層膜媒体の最適設計を可能とする、記録再生特性および熱揺らぎ
       特性とを同時に予測できる設計手法を開発しました。

<脚注>
1)熱エネルギーにより媒体に記録された磁化情報が徐々に消失していく効果
2)1インチ当たりのビット数、ならびにトラック本数はそれぞれ590,000ビット、89,000本


                                                                      以 上











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